最初から、死んでもらうつもりだったんだよ、全員
※本作はフェアプレイの本格ミステリです。手がかりはすべて作中に記されています。
プロローグ
* * *
やっと、やっとだ。
ついにこのときが来た。
嬉しい。
何年も待ち続けた。それがやっと、明日から実行に移せる。
一人ひとり、確実に送ってあげよう。
あの世に。
──夕陽に沈んでいく街。高級車が次々とホテルのエントランスにつけていく。高層ラウンジの窓辺で、それをじっと見下ろす人影がある。
ずっと、ずっと、慎重に進めてきた。
あいつらはもう信じ切っている。私のことを仲間だと。裏切りなんてするわけないと。
あはは。
違うよ。
違うんだよ。
私は仲間ではない。仲間なんて思ったことは一度もない。
分かり合いたいとも思わない。
あなた達とは根本的に相容れないんだ。
最初から、死んでもらうつもりだったんだよ、全員。
あなた達が今まで生きてこられたのは、私が生かしておいたからにすぎない。
ただ、機会を待っていた。
そして、それが来たんだ。やっと。
私は学んだよ。
あなた達の性格、夢、信念、拘り、トラウマ……。
その全てを、完全にね。
そして完成したんだ。
あなた達を、まとめて葬り去る計画がね。
あなた達は死んで当然の人間達。
でも不思議なことに、どうも、みなさん、その自覚がないようだ。
なんの恥もなく、楽しそうに生きている。
全く笑ってしまうよ、呆れて。
だから、明日から教えてあげるよ。
自分たちがどんなに醜い人間か思い知るがいい。
──日が沈んでラウンジに薄明かりが灯り始める。人影はエレベーターホールに移動して、乗り込み、最上階のスイッチを押す。
準備は完了した。
さあ、幕が上がるよ。
全てが計画通りに動き出す。
絶対に逃さない。
誰一人として。




