きずな星と、秋のかけ橋と、星空のプロムナード
秋の並木に
雨音のスタッカートを
聴きながら
歩くプロムナードの
樹々の枝には
雨宿りの色鳥が
一羽、また一羽と
黄の羽で佇むように
木の葉が少しずつ
色を染めながら
小径の先に
丸く実りゆく赤実果
やがて雲間から
照らすやわらかな光が
微笑むような
オレンジバラの花びらに
秋をやさしく
映し出すとき
風に澄みゆく
空のパステルは
いわし雲とともに
静かな夕映えの彼方に
空の夕波に
橋を架けゆくように
東から西へ
黄道をわたりゆく星座を
眺める夜は
星空のプロムナード
天高くへと
浮かび上がる
うお座の光はやさしく
秋の宵空に
橋をかけゆくように
星から星へ
光の橋をわたすように
宙に織りなす
アルレシャの煌めき
星座に物語を
紡いでいくように
星の双魚が
描く光のきずな星
未来へと
架ける橋を、夢と
こころとこころに
架ける橋を、やさしさと
呼ぶのかも知れない
夢が架ける橋がある
夢が駆ける橋がある
歩む旅路の途中で
ふと立ち止まる時も
あるかも知れないけれど
解けた靴ひもを
また結び直すように
次の一歩、一歩ずつを
見つめていけたら
木葉月の夜空に
煌めくアルレシャのように
言の葉が架ける、橋がある
言の葉が駆ける、橋がある
そう、心に信じて
秋の並木の
樹々の葉越しの宵空に
秋星たちの
やわらかな光を見つめる
星空のプロムナード
風に澄みゆく
木葉月の宙をわたる
橋をこころに、描きながら
黄道十二星座の一つ、うお座は、10月頃から南の空高くに上り、光はささやかですが、魚の姿の二人の神が離れないよう互いを紐で繋いだ形をしています。
結び目の星・アルレシャ(アラビア語で「紐」)は、絆の象徴とされます。木葉月は10月、プロムナードは、フランス語で「散歩道」のことで、「演奏会」の意味で用いられる場合もあります。
柿は、その実の色から赤実果とも呼ばれ、「優しさ」の花言葉があります。秋にかけて咲くオレンジバラの花言葉は、「絆」です。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。