表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

きずな星と、秋のかけ橋と、星空のプロムナード

作者: 逢乃 雫

秋の並木に


雨音のスタッカートを



聴きながら


歩くプロムナードの

 


樹々の枝には


雨宿りの色鳥が



一羽、また一羽と


黄の羽で佇むように



木の葉が少しずつ


色を染めながら



小径の先に


丸く実りゆく赤実果(せきじつか)



やがて雲間から


照らすやわらかな光が



微笑むような


オレンジバラの花びらに



秋をやさしく


映し出すとき



風に澄みゆく


空のパステルは



いわし雲とともに


静かな夕映えの彼方に




空の夕波に


橋を架けゆくように



東から西へ


黄道をわたりゆく星座を



眺める夜は


星空のプロムナード



天高くへと


浮かび上がる


うお座の光はやさしく




秋の宵空に


橋をかけゆくように



星から星へ


光の橋をわたすように



(そら)に織りなす


アルレシャの煌めき



星座に物語を


紡いでいくように



星の双魚が


描く光のきずな星




未来へと


架ける橋を、夢と



こころとこころに


架ける橋を、やさしさと


呼ぶのかも知れない



夢が架ける橋がある


夢が駆ける橋がある



歩む旅路の途中で


ふと立ち止まる時も


あるかも知れないけれど



解けた靴ひもを


また結び直すように



次の一歩、一歩ずつを


見つめていけたら



木葉月(このはづき)の夜空に


煌めくアルレシャのように



言の葉が架ける、橋がある


言の葉が駆ける、橋がある



そう、心に信じて




秋の並木の


樹々の葉越しの宵空に



秋星たちの


やわらかな光を見つめる


星空のプロムナード



風に澄みゆく


木葉月の宙をわたる


橋をこころに、描きながら



















黄道十二星座の一つ、うお座は、10月頃から南の空高くに上り、光はささやかですが、魚の姿の二人の神が離れないよう互いを紐で繋いだ形をしています。


結び目の星・アルレシャ(アラビア語で「紐」)は、絆の象徴とされます。木葉月このはづきは10月、プロムナードは、フランス語で「散歩道」のことで、「演奏会」の意味で用いられる場合もあります。


柿は、その実の色から赤実果せきじつかとも呼ばれ、「優しさ」の花言葉があります。秋にかけて咲くオレンジバラの花言葉は、「絆」です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
「一羽、また一羽と」は、「一葉、また一葉と」ともかかっているでしょうか。もし違っていたらすみません。「羽」には、鳥一体の“一羽”と、一枚の羽根の“一羽”の両方が重なっているようで、同じ秋の黄色の風情を…
とても良い詩ですね(^^) 雫様の詩は、本当に心に響きます(^^) こちらの詩を読んで、自分の中で、やはり夢を諦めたくないと、強く感じました。 忘れかけていた気持ちを呼び起こして頂き、本当にありがとう…
「夢が架ける橋がある 夢が駆ける橋がある」と「言の葉が架ける、橋がある 言の葉が駆ける、橋がある」と夢と橋、そして架けると駆けるの対比が特に素敵で鳥肌が立ちました。 素敵な詩を拝読させていただきありが…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ