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【完結】竜殺しのリザードマン 〜竜に支配された世界で自分だけ“竜殺し”の力を手に入れて“劣等竜リザードマン”になった男の逆襲物語〜  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第4章 リザードマン殺し編

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第95話 雷速

 翼のない劣等竜リザードマンのリンドウは、ムーランディア大陸中央にある竜の巣ファフニール帝国で帝王竜を倒すことに成功した。


 しかし、その代償に仲間の竜のコロは死に、あらゆる竜を溶かすリザードマンの血液の存在を大陸中に知られることとなった。


 一躍(いちやく)、時の竜となったリンドウは、帝王竜の死により混乱している帝国から逃亡し、身を隠すため南西へ進路をとっていた。


 この辺りはひたすら平原が続く。岩や草だけの淡白(たんぱく)な景色が視界一面を(おお)い、竜からまともに隠れられそうな場所はない。


(ここが山場だ。森に逃げ切れるか……)


 逃亡先は過去に訪れたことのあるアマゾ大森林だ。知らない場所に逃げるよりは地理に明るい森の方が良いと思ったからだ。そこで竜が追跡して来たら迎え撃って返り討ちにする。無理でも迷宮に逃げ込めば良い。そういう算段だ。


 リンドウは、リザードマンの能力——両爬の力(ハープタイル)の一つ、鱗変化を応用した速度重視の【鱗変化・竜速(りゅうそく)型】状態で速度を上げ続ける。


 その姿は、閉じた松ぼっくりのようだ。現在、帝王竜戦で失った右腕、尻尾、脱皮の皮は、まだ半分程度しか再生していない。再生を待つ時間は流石になかった。一刻も早く迷宮に雲隠れしなければならない。


 一方、相棒である謎の黒い不定形生物コバコは、振り落とされないように鎧のポケットから触手を出してしっかり腰に巻きついていた。


 星の(またた)く中、旧ルーマ帝国国境跡を越えてさらに南西へ進む。


 ここまでは順調だ。空飛ぶ竜を見かけるものの【体色変化】を上手く利用してやり過ごせている。このまま夜が明ける前に今いる平原を抜ければ後はどうとでもなる。


 しかし、警戒しながら足を早めていた、その時だった。


 ジジジ、と、虫の羽音のような不快な音が響いた後、空が一瞬で昼間のように明るくなった。


(なっ……!?)


 驚愕(きょうがく)するリンドウが空を見上げると、太陽のような巨大な球体が浮いていた。それは、青白い雷を(まと)い、周囲を照らしながら雷音を立てて悠然(ゆうぜん)(たたず)んでいた。


 そのすぐ真下には、黒い体表に白い幾何学(きかがく)模様を刻んだ六枚の翼を持つ竜。


 ——雷王竜カンナカムイ。獣竜を配下に持つ六王竜最速の竜。雷を自在に放出したり、操ったりする雷魔法を使う——


 雷王竜は、リンドウを視認すると不気味な笑みを浮かべた。


『貴様がファフニールを殺した翼なき竜か?』


『いや、俺もそいつを探している最中だ』


 今は鍛冶師キュクロに作ってもらった偽の翼付きの鎧を着ているため、もしかしたら見逃してもらえるかも知れない。と、淡い期待を込めた返答だったのだが。


『ククッ、そうか。なら用はない。黙って死ぬか、足掻(あが)いて死ぬか、選ぶがよい』


 当然、そんなハッタリが効く相手でもなく、見逃してくれそうもなかった。怪しい竜は片っ端から殺すつもりなのだろう。


 ここは平原。まばらに岩があるだけで身を隠す場所はなく、戦闘を避けられそうもない。


(くっ、こんなにも早く見つかるとは……!)


 いきなりの想定外の事態にリンドウの計画の歯車が狂い出す。


 こうして、早くも窮地(きゅうち)に立たされた。

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