表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】竜殺しのリザードマン 〜竜に支配された世界で自分だけ“竜殺し”の力を手に入れて“劣等竜リザードマン”になった男の逆襲物語〜  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第3章 帝王竜ファフニール編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/216

第75話 雑魚狩り2・アナコン&ゲッコー戦

 ヤドクを倒して息つく間もなく、巨蛇(きょじゃ)爬竜アナコンが横の壁を突き破って襲い掛かってきていた。


 リンドウを丸()みすべく大口を開ける。そのまま呑み込み、壁に激突。と思いきや。


『あれぇ? 食ったと思ったのに。オマエ早いなぁ』


 アナコンが不思議そうな顔をして壁から頭を抜く。


 感知に優れるリンドウを不意打ちするのは難しい。スキップでもするように容易(たやす)(かわ)したのだ。


『早いな。カエルよりは』


『んお? (あお)りってやつか。そういうのは俺にはきかねぇぞぉ』


 愉快(ゆかい)そうに体を左右に踊らせるアナコン。


(雑魚そうだな。なら少し実験に付き合ってもらおうか)


 リンドウは、身を隠すように壁の裏に回った。


『鬼ごっこかぁ? そんな腹減りそうなこと付き合ってやんねぇぞぉ』


 アナコンのまだら模様の鱗に無数の穴が開く。大きく息を吸うと、体の穴も呼応するように吸い込み出す。


 アナコン固有の力“吸引魔法”だ。自身や触れた物に穴を開け、吸い込ませる。


 壁や石床(いわとこ)を引き寄せ、食べながらリンドウの逃げた方へ向かう。角を曲がった先に獲物は立っていた。


『げへへ、どうだ俺の魔法で立っているのもやっとだろう』


『ああ、だが俺とは相性が悪かったな』


 リンドウは、吸い寄せられて飛来する瓦礫(がれき)を避けながら踏ん張る。


「キィィ!」


 その時、一匹のコウモリがアナコンの方へ吸引されていく。


『お? オヤツはっけーん』


 大口を開けて丸呑みしようとした刹那(せつな)——コウモリの腹が溶けて血の雨が降る。


「!? ぐ、グガァァ!!」


 血を浴びたアナコンの体が溶けていく。


 リンドウが前々から進めていた対王竜用の策“眷属作り”を利用した。翼がない劣等竜とはいえ、彼も竜なので眷属が作れるかもしれないと考えたのだ。


 だが、竜にとって猛毒の血液を使えば、眷属になった時点で体が溶けてしまう。(ゆえ)に今は時限性の血液爆弾としてしか使えない。この溶けるという問題を解決できれば王竜討伐に大きく近付くのは間違いないだろう。


「キィィ!」


 リンドウの周りでコウモリの腹が次々と破れていく。一匹だけでなく、複数に仕掛けておいたのだ。


(やはり、眷属化まで個体差があるか。これでは罠としても微妙だな。王竜と戦う前に完成できればいいが……)


 リンドウは、溶けたアナコンだったものを一瞥(いちべつ)し、水道の奥へと走っていった。



 地下水道の奥、東から狩りをしていた家守(やもり)爬竜ゲッコーは、楽園の竜をあらかた始末してアナコンやヤドク隊の帰りを待っていた。


 そこに一頭のヤドクが焦燥(しょうそう)した顔で現れた。


『報告! 全てのヤドク隊の反応が消えました! さらにアナコンの反応も消失!』


 ゲッコーは平然として、口角を上げる。


『へぇ、少しは腕の立つ徒竜がいるようだな。数は?』


『わかりませ——』


 言い終わる前に首が飛んだ。奥から深緑の鱗に水宝玉(すいほうぎょく)色の瞳を持つ竜が現れる。


『……まさかてめぇ単独でこいつらを殺ったのか? なにもんだ?』


『ただの竜狩りだ』


『……“孤竜(こりゅう)”ってとこか。まぁ、珍しくもねぇな』


 孤竜とは、王竜の配下に()かず自由に行動する竜の総称だ。往々(おうおう)にして共食いや竜殺しを(おこな)いがちの問題児的個体である。


 ゲッコーは身構える。


『悪いが俺はその辺の雑魚とは違うぜ?』


 刃魔法により、体が刃状に変化した。


『死になっ!』


 そのまま間髪を容れず飛びかかる。


『あれ……?』


 凶刃(きょうじん)がリンドウを仕留めると思われたが、ゲッコーの予想に反して自身の体が上下に両断された。


『うっそだろ……?』


 まさか何でも切断する自分の体を逆に切られるとは思っていなかった。上半身が宙に舞い、血を撒き散らして視界が回る。


『悪いがその辺の雑魚と遊んでいる暇はない』


 リンドウは、“自身”の血のついた鉤爪(かぎづめ)(ぬぐ)う。竜殺しの血液の前では身体変化の魔法など無意味。


 下に叩きつけられたゲッコーは恨めしそうに(にら)み、そのまま絶命した。


 一息ついたリンドウは、足下のとある竜の首を目にする。


(こいつは……)


 コロと初めて楽園に訪れた際に会ったビヨンビヨン首を伸び縮みさせていた(すっぽん)爬竜スポポンだ。


(バカそうだったからな、死ぬとは思っていた)


 (あき)れながらも一つの策を思い付いていた。どうせなら利用させて貰おう。


 リンドウは、その竜頭を持って衛竜である長亀(おさがめ)爬竜レザバクのもとへ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ