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【完結】竜殺しのリザードマン 〜竜に支配された世界で自分だけ“竜殺し”の力を手に入れて“劣等竜リザードマン”になった男の逆襲物語〜  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第2章 懸賞首狩り編

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第57話 作戦立案

 ケイオスのすぐ南にて。姉妹は懸命(けんめい)にケイオスへ向かっていた。


「アガウェーもうすぐだ! 急げ!」


「うん!」


 その時、目の前の木に数枚の鱗が刺さり、二人の動きが止まる。


「これは、神様の!?」


 黒い通常形態に戻ったリンドウが姿を現した。


「良かった! 生きてた!」


『時間がない。情報が欲しい』


 首でケイオスを指す。移動しながら説明しろということだ。


 姉妹はその意図を()み取り、移動を再開する。二人は今まで起きたことを余さず話した。


「——でね、リンクスさんとヴェステンさんはもう……」


 ドライツェン、リンクス、ヴェステンが亡くなった話と、ここまでのあらましを聞いたリンドウはとある考えに至る。


 手で二人を制止した。


「神様どうしたの! 急がないと!」


(えい)竜を倒す策がある』


「でも早く行かないとお父さんが!」


 (あせ)る妹をアップルが(なだ)める。


「アガウェー落ち着け、本当に倒せるなら聞いた方がいい。無策で戻っても焼け石に水の可能性が高い。なら神様を信じて聞こう」


「……そうだね……分かった! 神様お願い!」


 リンドウは木の幹に文字を書いていく。


 今までの骸樹(がいじゅ)竜の不可解な行動。姉妹の情報を聞いて違和感は確信に変わった。そして生まれた一筋の光明(こうみょう)


 策を書き終わり、それを見た姉妹は驚愕(きょうがく)する。


「そんな、嘘でしょ?」


 アガウェーの顔は青ざめていた。


「私は信じるぞ。たしかに違和感はあった」


 と、アップル。


「で、でも!」


「行けば分かる。……神様、言われたことはやってみるが、期待はしないでくれ」


 それでもアガウェーの顔色は悪い。


 見兼ねてリンドウが文字を書く。


『俺を信じろ。ケイオスも人類も必ず救ってやる』


「…………」


 その言葉にアガウェーは覚悟を決めて深く(うなず)いた。


「さぁ、時間がない。また後で会おう」


 リンドウは肯定し、姉妹、コバコ、それぞれ別々の三方向へ消えていった。



 リンドウは森で一際(ひときわ)高い木の先端で赤い布を(まと)い、体も赤く【体色変化】させて直立していた。


 高いところは嫌いじゃない。自由を得た鳥になったような気分にさせてくれるからだ。その(さわ)やかな気持ちを(さえぎ)るように影がさす。


(来たか)


 せっかく目立つよう、おめかししたのだ。来てくれなければ困るというもの。


 太陽と重なるそいつは、禍々(まがまが)しい体躯(たいく)と不揃いな二枚の翼が圧倒的存在感を(かも)し出していた。


(骸樹竜スナップドラゴン。しばらく遊んでもらおうか)


 これは策が成就(じょうじゅ)するまでの時間稼ぎだ。だが、あわよくば倒す。


 そして、リンドウと姉妹、それぞれの負けの許されない戦いが始まる。

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