7:魔術師(まじゅつし)の目標
・前回のあらすじです。
『シロが和泉たちに不安をあかす』
かつて、【悪魔】とよばれる存在が【裏】にはいた。
もともと【裏】という世界は、魔力だけが滞留する混沌とした土地であり、和泉たちのような『ふつう』の人間が住める場所ではない。
現在のように『町』があり、植物のそだつ『大地』があり、海や川があり、人のすえる『空気』があるのは、大むかしの偉大な魔術師がつくり後世に改良された『浄化装置』あってこそである。
「【悪魔】っていうと、たしか転化した魔術師のことだよな。『人間では到達できない領域』に踏みこんだっていう」
「そう。魔術師が最終的な目標とする――」
「『不老長寿』、『魅了』、『幽体投射』ね」
「ありゃ。ノワールさんがこたえちゃった。くわしいね」
「そりゃあオレの師匠の使い魔だからな」
「なんで和泉がいばんのよ」
こっそり胸をそらす和泉の脛にシロは蹴りをいれた。
思いのほかダメージが大きく、和泉は弁慶の泣きどころをかかえてぴょんぴょん跳ねる。
「だてに長生きしちゃいないわよ。それで? その悪魔さんをどうするって?」
「あー。なんかすっごいあがめてる人たちがいるらしくって。で。その人たちが、学園祭の熱狂にまぎれて、【召喚】でもするんじゃないかってはなしなんです」
和泉はたまげた調子でさけんだ。
「悪魔を!?」