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契約その95 閉会!晴夢学園School Festival!

「みんなー!()()()を捕まえて!」


 由理が叫ぶと、ユニの彼女達全員が集合していた。


「成程……この人数はさすがに……」


 こっそり呟く「メフィスト」。その顔は間違いなく曇っていた。


「もうそろそろ二十秒!あと十秒捕まえていれば、私達の勝ち!」


 紫音!と由理は叫ぶ。


「わかった!"キタセンジュアーム"!」


 紫音はリュックサックの中から大量のマジックハンドを出し、「メフィスト」を拘束した。


「ぐ……何て力……」


「さっきは避けられたが、元々並の上級悪魔でも拘束できる力じゃ。ルーシーには力づくで破られるがな」


 紫音は得意げに話す。さっき通じなかった事を根に持っている様だ。


「今だ!みんな!」


 由理は力の限り叫ぶ。


 数の利を生かして、彼女達は「メフィスト」を抑えにかかった。


 そしていよいよ、三十秒が経過し、ユニ達の勝利が確定したのだった。


「はあはあ……よかった……勝った……」


 由理はその場でへたり込んだ。


「何で、私が『メフィスト』だと思ったのですか?」


 仰向けに倒れたまま、「メフィスト」は由理に聞いた。


 それを聞いた由理は、ゆっくりと話し始めた。


「一番はあなたが姉さんのフリをして私達を分散させた事かな。手分けして探させるのは一見有効だけど、実は悪手だと思ったから」


「その心は何だ」


「メフィスト」がやや語勢を強めて聞いた。


「だって一万人以上いる中から一人を見つけるなんて十数人が手分けしても難しいし。それなら逆にその一万人を利用してみろって言われた気がしたんだ」


「それに……」


 由理は「メフィスト」の両肩を掴むと、いきなりキスをしようとした。


「は!?何するんだおめェ!」


 それを慌ててかわした「メフィスト」。


「やっぱり。姉さんなら私達からのキスは絶対に避けない」


 由理はしっかりと言い放つ。


「ちょっと失礼しますね」


 モミが「メフィスト」の胸を揉む。


「ちょっ……何すんだよ!」


 さすがに動揺する「メフィスト」を尻目に、モミはある判定を下す。


「成程……確かに()()が違いますね。ユニさんの方がもっとふわふわでツヤツヤです。つまりあなたはニセ者です」


「そうか……わかった、、私の負けだよ」


 ここに至って、「メフィスト」はようやく負けを認めた。


 その瞬間、突然眩い光が発生したかと思うと、光の中からルーシーをお姫様抱っこをしたユニが現れた。


「たぶんルーシーもおれの事探してると思って探してたけど、ビンゴだったな。お陰で再会できた。それと……」


 ユニはルーシーを下ろして、立たせてから言う。


「みんな、ありがとう。お陰で助かったよ」


 その言葉に、彼女達は今目の前にいるのがユニだという確証を得る。


「ユニー!」


 彼女達総出で、ユニに抱きついていくのだった。


「負けだな」


 その様子を見た「メフィスト」は、負けを認めた。


「契約は契約だ。悪魔自身も契約には逆らえないからな。お前達から手を引きます」


「そうかよ。もう二度と顔見せるなよな」


 ユニはそう吐き捨てる。


「では、また。縁があればどこかで」


「メフィスト」はそう言ってどこかへと去っていくのだった。


「縁か……もうまっぴらごめんだけどな」


 ユニはそう呟くのだった。


「晴夢祭」もいよいよラストスパートを迎える。


 すでにユニのシフト自体は終わっているはずだが、少しでもクラスに貢献したいと、接客に専念した。


 ラスト三十分、クラスに彼女達が全員やって来た。


「あ、みんな!」


「ユニ。頑張ってるな」


 アキが言う。


「ああ。お陰様だよ」


 そう言うユニは、大胆なスリットが入ったチャイナドレスを身につけていた。


 頭にはシニヨンカバー(というらしい)をつけている。


「とりあえずみんな、何か頼んでよ」


 思い思いの食べ物を頼む彼女達。ユニは急いで調理室へ向かうと、すぐにたくさんの料理を持ってきた。


「はい。お待ち遠さま」


 しばらく料理に舌鼓を打つ彼女達。全員が食べ終わるのを見て、ユニは彼女達に頭を下げながら言う。


「その、ありがとう。キミ達がいなければおれはあいつとのゲームに負けて、魂を喰われる所だった」


 ユニは頭を上げて言った。


「キミ達を、誇りに思っている。キミ達は最高の彼女達だ」


「ユニ……」


「おっとっと。まだ仕事中だから、抱きつくのはよしてくれ。後でやるからさ」


 ユニはそう付け加えた。


 しばらくして、放送が流れる。


「ピーンポーンパーンポーン♪」


「十七時になりました。これをもって、第六十八回晴夢祭を終了します。後夜祭を行いますので、参加する生徒は、校庭へ集まって下さい」


「ピーンポーンパーンポーン♪」


 との事なので、ユニ達は校庭に集まる。


 しばらく待っていると、校庭に設置されたステージがパッと明るくなる。


「後夜祭!盛り上がっていくぞー!」


 バンドを組んだ男子生徒達が盛り上げる。素人に毛が生えた様な歌唱力だったが、この空間を盛り上がるには十分だった。


「さあ!続きましてはこの人!誰もが知ってるトップアイドルにして正真正銘我が校の生徒!『ルア』だー!」


 司会が盛り上げる。そういえば、さっき聞いた放送の声とまったく同じである。この人がずっと放送していたのだ。


「わあああああ!」


 まさかのトップアイドルのワンマンライブに、後夜祭は大きく盛り上がる。そりゃそうだ。普通は何万と金かけて聞く歌声である。


 大盛況の内に、後夜祭はこうして終わりを迎えたのだった。


 それから、由理はルアから賞品としてサイン入り色紙をプレゼントされた。お礼という事らしい。


 そのサイン入り色紙は、後に最優秀賞とされたユニ達のクラスに贈られた賞状と一緒に家の玄関に置かれたのだった。


 悪魔との契約条項 第九十五条

何らかの契約が履行された時、悪魔の変身が解け、謎の空間に閉じ込められていた人間も現実世界に戻って来れる。

読んで下さりありがとうございます。

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