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契約その37 開催!ユニ達のfashion show!

「APES」が倒され、それに伴う後始末もひと段落ついた事でようやく平穏が帰ってきた。


 多忙な人が多く、中々全員の時間が取れないユニ達だが、夏休みという事もあり一週間前後のまとまった休みを取る事ができる様だった。


そこでまずは海に行きたいという話になったので、全員で「リオン」に行く事になった。


 このリオンは以前ユニとアゲハが訪れた「東徐氏堂店」である。


そこからさらに季節は変わり、服売り場では夏服を売る様になっていたのだった。


 現在のファッション番長枠、アゲハとルアとどれみは水着よりも夏服に注目している様だ。


 そもそもこの三人はすでに今年用の水着を買っている。


「最近はこの色が流行っててー」


「それ聞いた事ある!知り合いのファッションモデルの人が勧めてくれたんだー!」


「私は全部買いましたわ!」


 他の者達にはわからない会話が繰り広げられる。


「やっぱり通販もいいけど実際に店舗に足を運ぶのもいいよね」


 アゲハは呆気に取られている残りの人達を見ながら言った。


「でもこのままウチらだけが盛り上がるのも何かおかしーしー……いっそみんなをモデルにファッションショーしちゃう?」


「それいい!」


 二人は手を打って喜び、そして各々が選んだ服を、どれみがポケットマネーで払ってくれたのだった。


「いやー大量大量!」


「本当にありがとう!奢ってくれて!」


「いいんです!お金とはこういう時に使うものですから!」


 どれみが誇らしげに語った。


「おれ達、何の為に来たんだろ」


 ユニ達は呆れていたのだった。


「さあ始めよう!瀬楠家ファッションショー!」


 家に帰ると、早速ファッションショーが始まってしまった。


「ずいぶん早いな」


 ユニは呆れた様に言う。


「じゃあわしが音声とエフェクトの担当をしようか」


 意外とノリノリな紫音が勝って出た。


「『室内調音機』!その場に合った音楽を自動で流してくれる優れものじゃ」


 紫音がラジカセの様な機械を操作すると、インフルエンサーがSNSで流してそうな音楽が流れる。


「まずは、エントリーナンバー一番!一見地味でもその実超有名マンガ家『黄桃ハル』!『足塚藤香』!」


 紫音作成の音声ソフトが司会を務める。


 スポットライトは、藤香を明るく照らした。


 藤香はいつものボサボサの髪をセットし、ショートスカートでガーリーにコーディネートしたスタイルで登場した。


 その姿に、ユニは改めて見惚れるのだった。


「みんなそうだけどやっぱり素材がいいからオシャレさせ甲斐があるなー」


 アゲハが言う。


「あまりこういうのに手を出さないから新鮮な感じがするな」


 藤香は感想を漏らした。


「さあ続いては!エントリーナンバー二番!私達のクラスの委員長!ヒーローを目指す正義の人!『緑山アキ』!」


「ここからは私のステージだ!」


 アキはキャップにTシャツ、ショートパンツを合わせたスポーティないで立ちで現れた。


「これが私の『変身』か」


「さあ行くぞ!『世界一の頭脳』とも言われる天才!『忌部紫音』だー!」


 紫音はメガネを外し、髪を下ろし、トレードマークの白衣も脱いだワンピーススタイルで現れた。


それだけでもうだいぶ印象が変わる。


「中々興味深いな……」


「続いては!『女子総合陸上部』の主将!『長寺七海』!」


 紫音とは逆にメガネをかけ、ブラウスとタイトスカートで決めた七海が登場した。普段とのギャップがすごい。


「これが私……!」


「さあ、どんどん参りましょう!『みんなの妹』でしっかり者!『瀬楠由理』!インザハウス!」


 由理はチューブトップにショートパンツの露出度が高い服装で登場した。兄であり姉であるユニにとっては気が気でない。


「姉さんが振り向いてくれるなら良いかな」


「さあ次は!みんなを引き合わせた『最強悪魔』『内藤・メア・ルーシー』!登場!」


 ルーシーはフリルワンピースの姿で登場した。


「あまりおれこんなの着ないから新鮮だ」


 その時、ユニはルアに舞台袖に引きずり込まれた。


「さあ最後になりました!みんなをホレさせる美少女!名を『瀬楠由仁』!大トリの登場だ!」


 ユニだけは、水着での登場だった。


「何でおれだけ!?」


「いやだって、ユニかわいいから何だって似合うと思って……ねえ?」


 三人が口を揃えて言った。


「その()()()()っていうのはどういう意味なんだ……」


 そう聞かれると、三人は口をつぐんでしまった。


「そもそも、今日は水着を選ぶっていう話じゃなかったのか?」


 ユニの指摘に、三人はハッとする。


「そうだった……」


「だろ?まあこのファッションショーも楽しかったけどさ、やっぱり水着選ぶのもよかったなって思うんだよ」


 確かに……という雰囲気がみんなの中で広がる。


「わからましたわ!明日こそはみなさんで水着を買いに行きましょう!」


 どれみが言うのだった。



 ―――そして二日後。


「わー青ーい!」


 電車を乗り継ぎ、ユニ達は海へ訪れた。


 車窓から見える景色も抜群にいい。


 激闘を終え、ユニ達の夏休みはこれから始まるのだった。


 悪魔との契約条項 第三十七条

悪魔には、美男美女が多いとされている。

読んで下さりありがとうございます。

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