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契約その290 All for one!モミにはみんながついている!

 ユニと串田実衣の舌戦は、まさに並行線を辿っていた。


「そもそも娘に同意を求めるのが筋だろう。生活環境が変わるのなら尚更だ」


「そう言って、放置した結果がこれよ。不必要な関係ばかり結んで……挙句何なのその態度は!?」


 串田実衣は、ついに今まで自分に萎縮していた実娘に矛先を向け出した。


 ビクビクしている娘の態度が気に入らない様である。


「えっ……あの……それは……」


「そういうビクビクした態度よ!政治家の娘として恥ずかしくないの!?」


 串田実衣は、そう叫びながらモミの髪を思い切り引っ張る。


 それは妙に手慣れた手つきだった。


「痛っ……痛い……」


「痛いのは私の心!あんたじゃないの!」


 ユニは、モミが今まで()()髪型にしていた理由がわかった。


(まさか、髪を()()()()()()()()()する為……!?)


 それを理解した瞬間、ユニの心にふつふつと怒りが湧いてきた。


「いい加減に……いい加減にしろ!」


 ユニは、串田実衣の顔面を思い切り手のひらで掴みかかった。


「ぐっ……!?痛っ!?」


 串田実衣が手を離し、倒れるモミを、ユニはしっかりと受け止める。


「あんた今手を……」


「『あんた今手を出したわね』そう言いたいんだろうが、よく言うだろ。『()()()()()()()()()負け』って」


 ユニは何か言いたげな串田実衣をよそに、モミを気遣う。


「ごめん。まさか手を出してくるとは……」


 そんなユニに、串田実衣は弱々しく立ち上がると言った。


「『先に手を出した方の負け』ですって?そんなのはあんたの、子供の世界の話よ。大人の世界はもっと複雑なの」


「権力持ってる強い奴が勝つっていうなら、大人の世界もだいぶ単純だな」


 串田実衣を睨みつけながらユニが言い返す。


「フフ……好きなだけ言っているといいわ。あなた如きが喚いたって決定は変わらない」


 一度暴力を振るって返ってスッキリしたのか、串田実衣は思いの外冷静に言った。


「今まで何回も言ってる様に、こいつの様なクズの元にいたって、あなたの為にはならないわよ……」


「!」


 それを聞いたモミは、目をカッと見開いた。


「……訂正してください」


「?」


「もう一度……いえ何度でも言います。訂正してください。お母さん」


「訂正する?一体何の事かしら?」


 しらばっくれる串田実衣に、モミは毅然と言い放つ。


「あなたがユニさんを侮辱した事です!モミがあなたに殴られるのはもう慣れてますが……今のはライン越えです!」


 実娘からの思いがけない反撃に、串田実衣はモミの髪を再び引っ掴もうとする。


 それをユニの手が阻んだ。


「同じ手は食わせないよ」


「……!」


 その時である。串田実衣の体から、黒いオーラの様なものが噴出し始めた。


「あなたが私の邪魔をする……!娘が私に逆らう……!どうして……どうして上手くいかないの!?私ばかり……私ばかり……(ワタシ)バカリ……!ワタシバカリワタシバカリワタシバカリワタシバカリワタシバカリワタシバカリワタシバカリワタシバカリワタシバカリ……ワタシバカリィィィ!」


 串田実衣から放出された黒いオーラは、彼女の体までもを「怪物」にした。


「お母さん……?」


 変わり果てた母の姿を見て、モミは愕然とした。


 そんなモミを優しく抱きしめながらユニはこう言う。


「大丈夫だモミ……!さっき言ったよな。()()()()ついてるって」


「みんな……」


 その時、周囲に飛行機の様な大きな音が響き渡る。


「な……一体何の音!?」


「それはてめェの目で確かめてみな!」


 驚く串田実衣に、ユニは言い放つ。


 そんな中、ユニの携帯が鳴った。


 待ってましたと言わんばかりに、ユニは瞬時に電話を取った。


「もしもし?ごめんね。わざわざ長崎まで」


 電話先はどれみだった。


「いいえ!構いませんわ!ちょうど九州へ商談へ行く予定があったので!」


 電話越しに飛行機の音と、みんなの声がする。


 みんなが飛行機で長崎へ来たのだ。


「おれがわざとあいつを煽っていたのは、まさに()()()()時間を稼ぐ為!でもまさかキミに暴力を振るうとは思わなかった。ごめんなさい」


 モミに謝罪するユニだったが、モミは逆に申し訳なさそうにした。


「援軍か……まさかわかっていたのか?私のこの姿を!」


 問い詰める串田実衣に、ユニはあっけらかんと答える。


「いや?でも、念には念を入れるだろ」


 その言葉に、串田実衣は激怒した。


「もういい!お前らのその援軍ごと叩き潰してやる!」


 そう叫びながら、ユニを殴り飛ばす串田実衣。それはユニ自身の「悪魔の力」で防御したが、その勢いで学校の運動場ぐらいはある広い庭まで吹き飛ばされた。


 モミがリビングの大窓を開けたのである。


「ガラスが割れればケガをしますし、何よりこれから暴れるつもりでしょう?」


 ユニは大きく頷いた。



 庭には、すでにみんなを乗せた飛行機が着陸しており、すでにみんなが揃っていた。


「わざわざありがとうみんな」


 ユニのお礼に、ルーシーは全部終わったら長崎観光だと返した。


「ずいぶんと数が増えたわね……!どいつから消してやろうかしら?」


 そんな串田実衣に、ユニは人差し指を一本立てて言う。


「おれ一人だ。強いて言えばな」


 そしてユニは、みんなに声をかける。


「行くよみんな!ネオハーレムフォームだ!」


 その声を合図に、19人の彼女達がユニと融合するのだった。


「この力でお前を倒す!行こうみんな!」


 一体化したユニ達は、「悪魔殺し」に体を支配された串田実衣へと向かっていくのであった。


 悪魔との契約条項 第二百九十条

 彼女達が物理的に同じ場所にいなければ、「ネオハーレムフォーム」は使えない。

読んで下さりありがとうございます。

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