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契約その275 ユニ達のcold負け!?

「おお寒寒」


 本格的に冬も深まってきた12月、ユニは凍えながら自宅に帰ってきた。


 そんなユニを、由理が玄関先で出迎える。


「おかえり。ココア作ったからどうぞ。こたつの上にあるから」


「ありがとう。ありがたく飲むよ。あとそれと、これ頼まれてた鍋ね」


 持っていたレジ袋を手渡すユニ。由理の頼みでホームセンターまで買ってきたのだ。


「ありがとうね。今ちょうどいい鍋切らしてたから。今日は鍋パーティだよ」


 それを聞いたユニは心の中でガッツポーズを決めるのであった。


 リビングのこたつに来ると、すでに先客がいた様である。


「ああおかえりなさい……」


 寝っ転がっているヒナとみすかがユニに声をかける。


「うんただいま……ていうかこたつで寝てたら風邪引くよ」


 こたつの中に座り、ココアを一口飲みながらユニが言う。


 大人数が入る想定をしている為、こたつは非常に広い設計になっていた。紫音が作った特注品である。


(そのせいでだいぶ電力食うけどな……)


 だが企業向けの商品としてのテストも兼ねている為、電気代は全て火殿グループが出してくれているのだ。


(まあ全員あったまれるからそれでいいけど……)


 ユニがそう思った矢先の事である。


 突然バツン!という音がしたかと思うと、リビングの電気が消えた。


「え?何が起こったの?」


 この状況に、ヒナもみすかもこたつから飛び起きる。


「たぶんブレーカーが落ちたんだ。直してくる。全部のコンセントを抜いておいてくれ。火災の原因になるから」


 ユニは二人にそう指示を出すと、ブレーカーの設置場所を訪れてブレーカーを上げる。


「よし、これで大丈夫。みんな、電源を入れていいよ」


 ユニの指示に従い、みんなで電化製品の電源をつける。


 部屋の電気はつつがなく復活した様だ。


「あーよかった。電気が使えなかったらみんなで凍え死ぬ所だよ。こたつが電気使いすぎたのかな」


 ユニはそう言いながらリビングに戻ってきた。


「さてと、改めてあったまって……あれ?」


 こたつの中に入ったユニは、ある違和感に気づく。


「温かくない?」


「……」


 ヒナとみすかは黙ったままだった。


「ねえ二人とも。これってまさか……」


 ユニの問いかけに、二人はゆっくりと頷いた。


「壊れたのか……エアコンは?」


 二人はゆっくりと首を横に振る。


(二つまとめてか……)


 ユニは肩を落とす。昔あったヒーターは壊れてこないだゴミに出してしまった。


「紫音に直して貰おう……って言っても今ハワイにいるんだよな……」


 紫音、どれみ、そして付き添いのエリーは「アイク」の事後処理の為に今はハワイを訪れているのである。


 いくら何でもそう早くは来れないだろう。


「一応電話してみるけど……」


 ユニが紫音に電話をかける。2コール以内でガチャという音がした。


「もしもし?」


 聞き慣れた声がユニの耳に届く。


「紫音!ああよかった。実はかくかくしかじかで……」


 ユニは、今の状況を紫音に伝える。


「何!?こたつが壊れた?暖房も?それは厄介じゃな……」


 紫音は少し考えると、電話越しに言う。


「わかった。今から戻る。火殿グループ自家用ジェットでも10時間はかかるから、それまで何とか耐えてくれ」


「ありがとう」


 ユニはそう言うと、電話を切った。


 その時である。


「うー寒い。今日は鍋だって聞いたから誘われたけど……って寒っ!外と変わらないじゃん!」


 ミズキもやってきた。そもそも今日は集まれる者を集めて鍋パーティの予定だったのである。


「あっごめん。こたつも暖房も壊れちゃって……今紫音がハワイから戻ってきてくれてるけど」


 ユニが頭を下げながら言う。


「確かにそれは仕方ない事だけど、暖房器具がまったくないのがね……」


「一応あるにはあるよ」


 由理が何かを抱えながらやってきた。


「まさかこれって……」


「そう。湯たんぽ。人数分はないけど、ないよりはいいでしょ」


 頷きながら由理が言う。


「湯たんぽなら神社にあると思う。取ってくるね」


 ミズキはそう言うと、再び神社へと戻っていった。



 その後、集まれる人達が集まり、極寒の中の鍋パーティが始まったのであった。


「今日が鍋だったのが不幸中の幸いだな……」


 服を着込み、湯たんぽを装備し、こたつの布団の中でなるべく暖を取りながらユニが言う。


 ミズキが神社まで取りに行ってくれたお陰で、湯たんぽは全員分行き渡った。


「それぞれの部屋の暖房もダメだったの?」


 ルアが聞くと、ユニは首を大きく縦に振った。


「暖房は結構電力を使うからな。そのせいだろう」


 ユニが推測する。


「みんなお待ちかねの鍋だよ」


 由理が救世主を伴ってやってきた。


 思わず拍手をするユニ達。


「あ〜……あったまるぅ〜」


 鍋の温かさが、冷えた体に沁みた。



「夜は冷えるけどどうするの?」


 ヒナが聞く。


「こたつで、みんなで身を寄せ合って寝よう。人肌で温め合うんだ」


 ユニは笑いかけながらそう言うのであった。



 数時間後。夜中に紫音が帰ってきた。


「すまない!ちゃんと直すから……」


 そう言いかけた紫音だったが、みんながこたつに身を寄せ合って寝ていた所を見て起こさない様に口を閉じた。


 冷蔵庫を見ると、鍋の余りが残っていた。ちゃんといない人の分も残しておいてくれたらしい。


「悪いな……みんな」


 紫音はそう言うと、遅めの夕食を取るのであった。


「さてと、起こさぬ様に直すか」


 お腹を満たし、心を温めた紫音は、暖房器具の修理に取り掛かるのであった。


 修理には夜通しかかったが、全てが完璧に修理されていた。


悪魔との契約条項 第二百七十五条

愛し合う者同士が力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられる。

読んで下さりありがとうございます。

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