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契約その261 Motherの贖罪!

 最高神によって現実世界に戻されたユニは、ホテルの一室で目を覚ました。


 ユニは上体を起こすと、状況確認も兼ねて体を動かしてみる。しばらく寝ていた為か、かなり凝り固まっている様だ。


 やがてユニは、自分の彼女達が自分の枕元で寝ている事に気づいた。


 他にもベッドはあるのだが、みんなユニの事が心配でつきっきりで看病していたらしい。


「みんな……すまない」


 改めてユニは、みんなの愛情を心に深く刻んだのであった。


 そんな中、ある人物がけたたましく部屋の中に入ってきた。


「ユニ、容体は大丈夫!?」


 その人物を見たユニは、目を丸くして驚く。


「か……母さん……」


 ユニの前に現れたのは瀬楠由衣、ユニ達の母である。


「よかった……本当に……」


 由衣は、ユニを力強く抱きしめるのであった。





「じゃあ、最高神におれ達を紹介したのは母さんなのか!?」


 意外な繋がりに、ユニは二度びっくりする。


「そうなの。最高神はね、悪魔との契約者とその関係者を見守っているらしいの。神が関わる様な重大案件には直接介入したりね」


 彼女達を起こさぬ様に、由衣は小声で教えてくれた。


 曰く、それで最高神とは何度か会っていたらしい。


「それであんなナイスタイミングで現れたのか……」


 ユニは頷きながらそう呟いた。


「だから私は、最高神にお願いしたんだ。『これ以上私の子供を関わらせないでくれ』って」


 だが、契約の代償は絶対である。それを曲げてまでユニ達に頼んだのが、「神殺しの撃破」という事なのだ。


「元々は私の勝手な願いのせい。その元凶たる私が何もしないなんて、あまりにも虫がよすぎるでしょう?」


「母さん……ありがとう」


 ユニは頭を下げて礼を言った。


(お礼なんて言われる立場じゃないけど……)


 由衣はそう思いつつ枕元に置いてあったデジタル時計を見ると、突然ハッとして立ち上がった。


「そうだ!ハワイにお客様と会う用事があったんだった」


「用事?じゃあおれ達に会いに来たのはついでって事か?」


 ユニが不機嫌そうに言ったが、由衣はその言葉を首を大きく横に張って否定した。


「いや、寧ろ逆よ。私が無理言ってハワイでの待ち合わせにしたの。だから遅れるわけにはいかない」


 だからもう行くねと、由衣は自分の体を180度回転させる。


 別れ際、由衣は後ろを振り返るとユニにこう言う。


()()()()、好きな人と一緒にいれる時間を大切にね」


 その言葉に、ユニは大きく頷くのであった。


 エレベーターへ向かう母を玄関まで見送り、ユニは再び寝室へと戻ってきた。


 ちょうどそのタイミングでルーシーが目を覚ます。


「む……朝か……?」


「昼だな、時間的には」


 ユニはさっきのデジタル時計を確認しながら言う。


「さっきまで誰かと話してたか?」


 ルーシーにそう聞かれ、ユニはルーシーにさっきの事を全て話した。


「成程な……道理でタイミングがよすぎたわけだ」


 ベットの上で頬杖をつきながら呟くルーシー。


「ああ。だけどその『神殺し』を何とかしないと」


 頷きながらもユニが言う。


()()なんだよな結局……だが現状何の手がかりもない。骨が折れるぞこりゃあ……」


 ルーシーがため息をつきながら言ってると、他の彼女達も続々と目を覚まし始めた。


「やあみんなおはよ……昼だけど」


 ユニの無事を改めて確認した彼女達は、ユニの姿を見るなり抱きついてきた。


「みんな心配かけた……本当にごめん……」


 それからユニ達は、しばらくイチャイチャしていたのであった。




 それが一通り終わり、とりあえず現状の確認をする。


「そもそもハワイには一週間滞在する予定だった。でも諸々の事情が重なって、残り一日しか遊べない」


 ユニがそう言うと、彼女達は突然慌て出した。


「ヤバい!部活の後輩にお土産買って来ないと!」


「観光っぽい事まだほとんど何にもできてない!」


「酒も飲んで……いやそれは後でもいいか……」


 とりあえず、ユニ達は観光に向かう事にした向かうはダイヤモンドヘッドである。



「19世紀にイギリスの船乗りが、ここで見つけた石をダイヤモンドと勘違いしたからこの名がついたらしい」


 パンフレットを見ながらユニが説明する。


 ダイヤモンドヘッドは、ユニ達が泊まっているワイキキから意外と近い。


「ショッピングモールもあるから、そこでショッピングしよう。勿論お土産も」


 ダイヤモンドヘッドの頂上から見る景色は絶景らしいと、ユニは最後に付け加える。


 最初はダイヤモンドヘッドの観光である。


「ハイキングする事もできるらしいですが……今回はなまじ時間が足りないので……」


 どれみがそう呟くと、何やら電話をする。すると数分もしないうちにヘリコプターが近くのヘリポートへ着陸したのだった。


「これで頂上まで行きましょう」


 呆気に取られるユニ達の背中を押す形で、どれみはみんなをヘリに乗せる。


 みんなを乗せたヘリは、程なくして頂上に着いた。


 頂上から景色を見たユニ達は、その美しさに息を呑む。


「うわあ……」


「あれがたぶんワイキキビーチだな。近いからかよく見える」


「なあユニ」


 解説するユニに、ふとルーシーが話しかける。


「お前の説明だと、ダイヤモンドヘッドっていう名前は誰かの勘違いって事だよな」


 それを聞いたユニは小さく頷く。


「でもこの景色を見てると……『ダイヤモンド』っていうのも、あながち間違いじゃない様な気がしてくるよ……」


 しみじみと語るルーシーに、ユニも頷くのだった。


 それからユニ達は、時間が許す限りその絶景を眺めていたのだった。


 悪魔との契約条項 第二百六十一条

最高神は、全てを見ている。

読んで下さりありがとうございます。

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