契約その259 決戦!neo-haremform!
「使い方自体は『ハーレムフォーム』の時と同じだ。存分に戦え!」
ユニの脳内にルーシーの声が響く。
たった今、ユニは自分の力で神を殴り飛ばした所である。
だが、神は事もなげに立ち上がった。あまり効いてない様である。
「結構強く殴ったんだけどな……やっぱりダメか。おれだけの力じゃ」
そう呟くユニに、神は低い声で威圧する様にこう言う。
「何千年ぶりだろうな……こうやって殴られるのは……しかも人間に」
「だったらその何千年分もブチ込んでやるよ」
そうユニは言い放つ。一時的にせよ、彼女達から自分という存在を奪った事。ユニもだいぶ怒っているのだ。
「中々口が減らない様だ……。僕が裁きを下そう」
「人間に裁きを下せるのは、人間だけだよ!」
ユニはそう言い放つと、早速彼女達に力を貸して貰う。
「まずは……丁井先生!お願いします!」
「わかった!」
ユニのお願いを丁井先生が了承すると、彼女はユニ達との思い出を思い浮かべる。
方法自体は前のハーレムフォームと変わらない。それと同じ様にユニの体が白く発光した。
「ドロップキック!おりゃ!」
ユニと丁井先生のドロップキックを食らった神は、その巨体で丁井先生のアパートを下敷きにする。
なす術なく崩れ落ちるアパート。
「ぎゃー!しまった!アタシのウチがー!」
我が家の変わり果てた姿を見て、丁井先生は頭を抱える。
「落ち着いてください丁井先生!ここはおれの夢の中の世界です!ここで何が壊れようが現実には影響はありません!」
「え?そうか?そうなのか?それなら大丈夫か……」
ユニの説得を受けて、丁井先生は落ち着きを取り戻した。
(でも、家壊れるのは普通にショックだよな……)
そう思ったユニは、続けて風月の力を借りる。
(これで時間の流れを操れるから……)
ユニが手をかざすと、壊れたアパートがまるで映像を巻き戻すかの様に元に戻った。
「これでよし!」
アパートを修復したユニは、快心の笑みを浮かべるのだった。
天使と悪魔と「愛」の力が組み合わさる事で、ある程度の「時間操作」をも可能にしたのである。
「そうやって時間を制御するのは……『神』の専売特許だろうが!」
神が不機嫌そうに呟き、襲いかかる。
「まずい!じゃあ次は……どれみ!紫音!エリー!アキ!お願い!」
ユニの声に応え、四人はそれぞれ力を貸す。
「わたくし達の愛は!あなたの全てを超えますわ!」
ユニはどれみ風にそう言うと、お札型のバリアを創り出して神の体を受け止める。
「そんでもって、わしの力で『発明』するぞ!」
ユニはそう言うと、左腕をバズーカ砲に改造し、右腕には「電化の宝刀」を生成する。
「左腕の能力はわたくしです」
ユニはエリーの力で砲撃、神にダメージを与える。
「最初に言っておく!私達はかーなーり、強い!」
そして、ユニはすかさずアキの力で神を斬りつける。
「ぐっ……おのれ……」
「まだまだ!次はモミ!ヒナ!七海!よろしく頼む!」
モミのすばしっこさとヒナの目立たなさ、七海の俊足をかけ合わせ、神に気づかれずに移動する。
「そしてアゲハ!力を貸してくれ!」
「おけまる!」
アゲハの力を借りたユニが地面に手をかざすと、地中から巨大なベルトの束が伸び、神を拘束した。
「ファッションってこんなんじゃないけど……」
アゲハは自分の能力に対してぼやくのであった。
「そして次は藤香!よろしくっ!」
「わかった」
ユニは藤香の力でどこからともなくGペンを取り出すと、空中にミサイルのイラストを描く。
「これを実体化させて……行けっ!」
ユニの手にやって実体化したミサイルは、神の方へと向かって飛んでいき、大爆発を起こした。
「ぐあっ……くっ……バカな……あり得ない!お前達のどこにそんな力が……」
「お前にはまだわからないのか!?おれ達の力の原動力が!」
ユニは自分の胸の辺りを叩いてこう言う。
「それは……『愛』だ。見返りを求めず、それでも命を賭けられる最強の力……!それがわからないお前に!おれ達が負けるはずがない!」
「ほざけ!わかってないのはお前達の方だ!そんな理屈すら跳ね除けるのが神の力……!わからないのなら直接!その身に叩き込んでやる!」
神はそう叫ぶと、再び自分の拳をユニの方に叩きつける。
「危ない!次は萌絵!頼むっ!」
「行きますよ!」
萌絵の力でユニの手元に出て来たのは輝く棒、サイリウムだった。
「やりましょう!リズムに合わせて!」
ユニは言われるがままに動き、神の攻撃をするりするりとかわしていった。
「よし、今度は藤香!よろしく頼む!」
「わかった」
藤香の力でスタンガンが生成され、卓越したエイム力で神を狙撃する。
「く……」
怯む神に、ユニは続けてみすかの力を借りる。
「毒攻撃を食らえ!」
ユニの口から吐き出した毒で、神はより苦しむ事になった。
「というか、何で私の能力が毒なんですか?」
「たまに毒を吐くからじゃないのか?」
ルーシーの指摘に、みすかは思わず納得した。
「次にルア!頼む!」
「昔のチャイナ娘の演技!アチャー!」
華麗なカンフー技で追撃するユニ。
「続けてアザエル!頼む」
「ようやく出番か!」
ユニは天使の翼で高く飛び上がると、神の体に向かって体当たりを喰らわす。
「まだだ!ミズキ!由理!二人同時に頼む!」
「了解!」
「わかった!」
由理の掃除の力によって地面がピカピカに磨かれ、神は仰向けに転ぶ。
そしてミズキの力でもたらした神にとっての「不運」によって、体が近くの電線に引っかかり、強力な電撃を浴びせられた。
「ぐああ!」
バチィ!バチィ!と切れた電線からは火花が散り、神はダメージを負う。
「そして仕上げに……ルーシー!」
「任せろ!」
悪魔の力で強化された怒涛の連続キックが神にヒットする。
「うおあああああ!」
ユニは雄叫びを上げながら、神の体の至る所を蹴り潰し、吹き飛ばした。
「ぐあ……くっ……」
ついに膝をつく神。
「これで終わりだ!みんな!全員の力をおれに!」
彼女達全員の想いを受け取り、ユニは再び青空へ羽ばたく。
「食らえ!"ハーレムキック"!」
すぐさま飛び蹴りを食らわすユニ。その一撃は、神の咄嗟のガードをものともせずにそのままぶち破り、吹き飛ばした。
「ぐあああっ!おのれ……おのれェー!」
神はその後爆炎に飲まれ、その爆炎が収まると、ユニ達と同じぐらいの大きさに縮んだ。
ネオハーレムフォームを解除したユニ達は、すかさず神を取り囲む。
神の敗北は決定的だった。
「いやまだだ……まだ負けていない……」
そう呟く神だが、もはや戦う力は残されてなかった。
「神が負けるはずが……」
「いいえ!あなたの負けです!」
ふと空から声が響き渡った。
そして降臨する謎の人影。
「そんな……」
その姿を見て、神は青ざめるのであった。
悪魔との契約条項 第二百五十九条
ネオハーレムフォームとは、天使と悪魔と、そして愛の力を合わせて戦う、ユニと彼女の愛の結晶である。
読んで下さりありがとうございます。
いいね、感想などをよろしくお願い致します。




