契約その258 Devilとの再契約!
夢の世界の瀬楠家前にて、ユニとルーシーは、ついに「神」と対峙した。
「ずいぶんと……結構なマネしてくれたな……覚悟はできてるか?」
低い声で、ユニは神に尋ねる。
それを聞いた神は、大きな声で笑いながら言う。
「ハハハ……!『覚悟』!?そんなもの、『神』には必要ない!」
神はそう言いながら二人に向かって手をかざす。すると衝撃波の様なものが二人を襲い、そのまま吹き飛ばされた。
「もういい。直接お前達を始末する。『最高神』に感づかれる前にな……!」
(最高神……?)
聞き慣れない名前である。素直に言葉通り取れば、この「神」より上の存在という事だろうか。
熟考しだしたユニの肩を、ルーシーは思い切り叩いて言う。
「今わからない事を考えても仕方ないだろ。それより、よく聞いてくれ。この『夢の世界』は、確かに神によって作られたものだが、同時にお前自身の世界でもあるんだ」
「おれの世界?」
ルーシーは強く頷きながら話を続ける。
「そう。つまりだ。お前が思い描いた事ならこの世界では何でも叶う。あいつがおれ達の世界の神なら、お前は自分の夢の世界の神なんだよ」
「おれが……」
自覚はない。それが正しいかどうかもわからない。だがこれだけは言える。
(こういう時、ルーシーはウソをつかない!)
ユニはそう確信すると、息を思い切り吸い込み、腹の底から大声でこう叫んだ。
「みんなァ〜!来てくれェ〜!」
ユニの言う「みんな」が誰なのかは言うまでもない。
その直後、空が光り輝いたかと思うと、十八の光の線が地上に落下してきた。
「ハハ……本当に来た……」
ユニは泣き笑いしながら呟く。
「ユ……ユニー!」
その光の線の正体、ユニの彼女達は、ユニの姿を見るなり抱きつきにかかる。
「戻ったの!?記憶、戻ったの!?」
由理の問いに、ユニは強く頷いてこう言う。
「ああ勿論だ!もう二度と、みんなの事を忘れはしない!」
ユニはそう言った後、改めて「神」と相対する。
「ちょうどいい……!どの道全員消すんだ。そのまま一つにまとまった方がちょうどいい」
ほくそ笑む神。
(一つにまとめる……?そうだ……!)
それを聞いたユニは、起死回生の戦法を思いついた。
ユニは、みんなの方を振り返って聞く。
「みんな!この前、『ラファエル』と戦った時の事覚えてる?」
「忘れやしないが……それがどうかしたの?」
ルーシーが聞く。
「アレと同じ事をするんだ。おれとルーシーの『悪魔の力』を合わせて……」
「『二重契約』するって事か。もう一度」
「いや『三重契約』だ!それにおれ様の『天使の力』も加える!」
アザエルが言う。
「できるのそんな事……」
「いや、やろう。きっとできる。おれ達なら!」
ユニは強く頷きながら言った。
(でもそれはそれとして……)
みんなには謝らなければならない。そう考えたユニは、改めてみんなに向き直り、そしてこう言う。
「みんなごめん。おれ、みんなとの思い出とか、大切な事とか、約束とか、全部忘れてた。こんなおれにもう一度チャンスをくれるなら……」
「回りくどいな。おれ達全員がお前を何とかして取り戻そうとしてる時点で、答えは決まってるんだよ」
そう笑いながら言うルーシー。
その言葉に、ユニは一瞬驚いた様な顔をした後、「ありがとう……!」と言いながら大きく頷くのであった。
その姿を見たユニの十九人の彼女達は、ようやくほっと胸を撫で下ろしたのであった。
「……話は終わったか?」
不機嫌そうな顔をした神が言う。
「いや、終わるのはお前の方だよ」
ユニはそう言うと、彼女達と手を重ねる。
「契約だ。『必ず、元の世界に帰る事』!」
ルーシーがそう言い放つと、みんなの体が黒く光り輝く。
「行こうみんな!」
彼女達の体が、ユニの体へと吸収されていく。いや、ユニとの「合体」を果たしたのである。
ただでさえ長いユニの髪が、さらに長く伸びる。さらに肩甲骨の辺りから天使と悪魔の羽が生える。
「悪魔と天使……そして人間!三つの力を使ってるからかな……よし!」
ユニは、自分の体の中にいるみんなに話しかける。
「どうだみんな!」
「どうだって……驚きだよ!まさか合体?するなんて!」
自分の体の中でアゲハが言っているのがわかる。
ユニは、みんなにこの状況を説明し出す。
「この前やった『ハーレムフォーム』みたいに、みんなの力をおれが使える様になったんだ」
「成程てんこ盛りって事か……」
アキは妙に納得した様である。
「名前はどうしようか」
ユニが聞く。
「名前?どうでもよくないか?」
丁井先生が言うが、こういうのに名前はつきものだと、アキが熱弁して黙らせた。
「よし、『ハーレムフォーム』の強化版だから、『ネオハーレムフォーム』だ!シンプルな方がいい」
アキの案が採用され、改めてユニ達は神と相対する。
「成程……天使と悪魔の力の融合か……だがそれが、いつまで続くかな?」
「それは……お前に勝つまでだ!」
「!」
ユニは拳を振り上げると、神の体にパンチをぶちあてる。体格差をものともしない一撃に、神はたまらず吹き飛ばされる。
「お前に勝って!必ずここから出て行ってやる!」
ユニ達は、そう高らかに宣言するのであった。
悪魔との契約条項 第二百五十八条
悪魔、天使、そして人間の力が合わされば、より強い力を生み出す事が可能である。
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