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第256話 日常⑤

 謔ェ鬲縺ィ縺ョ螂醍エ譚。鬆隨ャ莠檎卆莠泌香蜈ュ譚。


(悪魔との契約条項 第二百五十六条)


 謔ェ鬲縺ッ縲莠コ髢縺ョ蠢縺ョ荳ュ縺ォ縺ォ縺ョ縺ソ蟄伜惠縺励※ 縺繧縲


(悪魔は、人間の心の中にのみ存在している。)


「は……?え?」


 帰宅途中に突然ある少女から抱きつかれたユニは、その動揺を隠せなかった。


「ちょっと待ってよ!誰なんだキミは!」


 ユニは、慌ててその女の子を自分の体から引き剥がしながら言う。


 引き剥がされた少女は、一瞬ガッカリした様な顔をすると、自己紹介をする。


()()()言わせて貰うと、おれ様の名前は『アザエル』。堕天使さ」


「……は?『堕天使』?」


 いきなり自分の事を「堕天使」だと自己紹介されたユニは、思わず面食らった。


「いや意味がわからないんだけど!?何なんだその『堕天使』っていうのは……」


 この反応を受けて、アザエルは少し考え事をした後でユニに言う。


「いや、細かい話は後にしよう。おれには時間がない。だからルアを迎えに行かせたんだけど……どうやら一緒じゃないみたいだな」


 確かにルアとは会ったが、先程ゲームセンターでファンに囲まれてしまってはぐれてしまった。


 そのルアは、確かにユニを探してた様な雰囲気だったが……。


「理由はわからないけど、あの『ルア』をおれに遣わせたのはキミなんだな。何が目的なの?」


 そう聞くユニの口調は柔らかい。目的はわからないが、アザエルから敵意はないと判断したのである。


 アザエルは一呼吸置くと、改めてユニの方に向き直ってこう言った。


「これはおれ様の……いやおれ様()全員の総意と言える。何とかしてお前とこうして接触する事が、おれ様の『手段』。そして目的は……。いやその前に……」


 アザエルが何かを言い出そうとしたその時である。


「あ!いた!アザエルと、そしてユニ!」


 巫女服に身を固めた少女が公園までやって来て、二人を見つけるなり話しかけて来た。


「確か名前は……『寿瑞稀』さん!」


 確かユニのクラスメイトの女子である。巫女服を着ているのは、彼女が巫女の家系だからだろう。


「よかった。ユニに会えたんだ」


 ミズキは二人の元に駆け寄りながら言う。


 アザエルは、そんなミズキにこう返す。


「ミズキ!よかった。おれ様達の目的を話す前に、キミと合流しておきたかったんだ。クラスメイトのキミがいた方がが信憑性が増すから」


「そういうあなただってクラスメイトだったでしょ?」


(信憑性……?おれにとって信じがたい事でも話すのか?)


 二人のやり取りを見て、ユニは訝しむ。


「さてと……」


 アザエルとミズキは、神妙な顔をしながら再びユニの方へ向き直る。


「まず、いきなりおれ様達の目的から話されても、今のお前にはきっと理解できないだろう。順を追って説明しようか。この一日、お前の中で何か違和感を感じる事はなかったか?」


「違和感……」


 朝起きてからこれまで、たくさんあった。日常のはずなのに、どこか拭えない違和感……。


 考え込んでしまったユニに、アザエルはこう声をかける。


「感じてただろうな。無理もない。それもそのはず、何せこの……」


 その時である。ミズキとアザエル、二人の体が突然光り出した。


「アザエル!これって……」


 ミズキの問いかけに、アザエルは強く頷く。


「ああ!時間制限だ……!まさかここまで早いなんて……ユニ!」


 アザエルは、ユニに向かって叫ぶ。


「『魔導書』を探すんだ!全ての始まりの……!お前なら絶対見つけられる!この世界の真実を必ず……!」


「どれだけ時間がかかっても!私達は絶対待ってるから!」


 二人はそう言い残すと、どこかへ消えてしまった。


「何だったんだ一体……」


 気づけば、すっかり暗くなっていた。


 由理が待っている。早く帰らなければならない。


 ユニはそう考えると、慌てて家路を急ぐのであった。


(しかし『魔導書』っていうのは、一体何なんだ?)


 家路を急ぎながらも、ユニは考える。RPGのアイテムみたいなものだろうか。考えてもわからなかった。


「あの子達の戯言か……いやあの真剣さはとてもウソをついている様には……」


 そんな事を考えながら、家路を急ぐユニだったが、たまたまそばを通ったゴミ捨て場からあるものを見つけた。


「ん?何だコレ」


 ユニは、普段はゴミ捨て場に捨ててあるゴミなどには一切目もくれない。


 それはほとんどの人がそうだろう。


 ユニが見つけたのは古めかしい一冊の本であった。まるで辞書の様に厚くて重い。


 しかしゴミ捨て場に捨ててあったにしては、表紙や中身には傷一つついていなかった。


「もしかして、これが二人の言ってた『魔導書』か?」


 確かにそうとしか思えないデザインである。


 ユニは、ゴミ捨て場からその「魔導書」と思われる本を回収し、再び家路を急ぐのであった。


 家に帰ると、すでに由理が晩ご飯を使って待っていた。


 由理は、ハートを模したエプロンをしている。その姿は、妹というよりかは幼妻である。


「おかえり兄さん。ご飯食べる?それともお風呂?」


 聞いてくる由理に、ユニは調べ物があるから後にすると答えた。


 兄が抱えている本を見て、その全てを察した由理は、そんな兄を快く送り出すのであった。


「さてと……」


 自室へ戻り、ドアをしっかり閉めた上で、ユニは拾って来た本をベッドの上に広げた。


 これが、あの二人が言った「魔導書」というものだろう。


 ユニは、パラパラとページをめくってみる。一応言語らしきものは書かれているが、少なくともユニが理解できるものではない様だ。


 だが一節だけ、ユニにも理解できた文章があった。


 ユニは、その文章を声に出して読んでみる。


「えーっと、『最強の悪魔、名を『ルシファー』、今ここに顕現せよ』何だこれ」


 その時である。


 急に本がユニの手が届かない所まで浮かび上がり、黒い光を放ち始めた。


「え?な、何だ?」


 やがて光は次第に人間の形を形成していき、光が黒く弾けると、その人間はベッドの上に着地した。


 その人間……いや人間というのだろうか。背中からは何に使うのか不明な黒い翼が生え、口からは鋭い八重歯が覗く。


 そこにいたのは、赤髪のツインテールに、ゴスロリの服を着た美少女だった。


「うわあああ!」


 ユニは驚きながら、ベットの上で後退りする。


「ユニ……」


 少女は、この状況にただ圧倒されているユニを見るなりその場でへたり込むと、こう呟くのだった。


「ようやく……ようやく……また会えたな……」





 悪魔との契約条項 第二百五十六条(修正版)

この世界に、悪魔は確かに存在している。

読んで下さりありがとうございます。

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