第255話 日常④
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(悪魔との契約条項 第二百五十五条)
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(悪魔の姿は見えないし、声が聞こえる事もない。)
試合の開始前の作戦会議の時の事である。ユニはアゲハにこう言った。
「いいか芽ヶ森。まだおれ達はお互い話して間もないけど、キミの長所について、少しわかった事がある」
「……?わかった事って?」
覚えのないアゲハは、首を傾げながら聞いて来た。
「それは周りをよく観察している事だ。観察して、周りにとっていい結果になる様に行動している」
「それがウチの長所……?」
アゲハが呟くと、ユニは大きく頷いて肯定する。
「それをこの試合にも生かすんだ。この一定時間無敵のスキルをつけて、相手の戦い方を観察する」
あとはその隙を狙って攻撃する。それがユニがアゲハに示した作戦である。
(ユニ君が考えてくれた作戦で……勝つ!だってあんな事言われたの初めてだから……)
先鋒戦が始まり3分後、アゲハの方の画面には「You Win!」が大きく表示されたのだった。
先鋒戦を取れたユニ達は、続けて次鋒戦に入る。
「本当に大丈夫なんですか?あの子で」
萌絵がそうユニに耳打ちする。
「本人が志願したんだから大丈夫だろう。たぶん」
ユニは、意気揚々と筐体の前に座るみすかを見ながら言う。
先鋒戦を取れたユニ達は、精神的にかなり余裕がある。
「相手を追い詰めるには、ここで私を使うのが最適ですよ」
みすかはそう言って自ら次鋒に名乗り出たのである。
「すごい自信だな」
そしてユニは、それに賭けてみたいと思ったのだった。
使用キャラを選択し、手持ちのカードをスキャンしてスキルをつける。
みすかが選んだのは、遠距離からチマチマと攻撃するスナイパーキャラだった。
「まさかこのキャラで……」
萌絵が危惧した通りだった。
試合が始まると、みすかは対戦相手から離れ、遠距離からの銃撃で逃げながら攻撃し出した。
確かに効果的ではあるが、対戦相手からは嫌われる戦法である。
しかも、イライラすればする程ドツボにハマっていく。
「素人にボコボコにされて、悔しくないんですか〜?」
そんなみすかの煽りも、相手をイライラさせるには十分だった。
結局手も足も出させないまま、ユニ達は次鋒戦も取る事ができたのだった。
「へへっどんなもんです!」
みすかは、ユニ達にピースサインを示して喜びを見せた。
「よし、これであと一勝だ!」
この展開が面白くないのは突然男達である。
正直、ここまで追い詰められるとは予想外だった。素人相手にさっさと3勝ストレート勝ちするつもりだったのだ。
「こうなったら……」
男は、仲間にある指示を出すのであった。
「次は中堅戦だな。誰にする?」
ユニの問いに、萌絵が手を挙げた。
「私はこのゲームの経験者ですから。勝ってこの戦いを終わらせます」
萌絵はそう言うと、戦いに臨むのであった。
萌絵が使用するキャラは大きな体とパワーで相手を圧倒する重量級である。
小細工なしで挑もうとしているのだ。
「Ready fight!」という文字が画面に表示され、3戦目が始まるのであった。
最初からガンガン攻めていく萌絵。
このキャラは、体の大きさからコンボを決められやすいものの、その分体力も多いのが特徴である。
つまり、その体力を盾にガンガン戦った方が強いのだ。
その上、相手は「自分が負けたら終わり」というプレッシャーからか、思った戦い方ができていない様である。
「『絶対に負けられない』とプレッシャーがかかるこのタイミングで経験者の自分をぶつける」という萌絵の作戦は功を奏した様だ。
この状況を見て、傍で見ていた男が仲間にアイコンタクトを取った。
それを受け、観客の中に消える仲間。萌絵の背後に現れたかと思うと、持っていたカバンから何と拳銃を取り出した。
だがそれにいち早く気づいた男がいた。
ユニである。
ユニは、瞬時にその仲間の手を掴み、こう言う。
「ゲームで決着がつく分、まだマシだと思え」
先程のパンチングマシーンの件を見ている仲間は、ユニの凄みに気押されるしかなかった。
勝負はプレッシャーに負けた相手を圧倒した、萌絵の勝ちだった。
三連勝したユニ達のストレート勝ちが決まった。
「じゃあ約束通り……」
ユニが言いかけたその時である。
「そんな口約束!誰が守るか!」
仲間を置いて、メイを拉致したまま逃走する男。
手には当然カッターナイフが握られていた。
「このまま逃げる気か……!」
ユニとてその可能性を考えていないわけではなかった。
やはりカッターナイフのリスクを考えても、直接制圧する方が早い。
そう考えて、臨戦体制を取るユニ。
だが、男の進行方向に女の子が立っているのが見えた。
パーカーのフードを被っていて、顔はよくわからない。
(それはマズい!)
「避けろ!」そう叫ぶユニ。
邪魔するなら刺すと脅してくる男。
だが少女はまったく動ぜず、踊る様な体捌きで男を瞬く間にノックアウトしてしまった。
「誰だ……?」
ユニ達だけでなく、周囲の人間もざわざわしている。
「……やっぱり、あなたはいつも、騒ぎの渦中にいるね」
フードを取った顔を見て、ユニ達は驚愕した。
いや、周囲の人間が全て驚いた。
「まさかあなたは……」
「ルア!」
ユニ達の前に現れたのは、元トップアイドルであり、ユニ達の元クラスメイトであるルアだった。
「どうしてこんな所に……!」
萌絵が驚くのも無理はない。諸事情で引退したとはいえ、今もルアの人気は凄まじい。
そんなルアがゲームセンターに現れたのは、まさに事件なのである。
「一応警察は呼んどいた。この人達はすぐに逮捕されるはず。それと私はユニに……」
ルアが何かを言おうとしたがその時である。
「『ルア』だ!本物だ!」
そのオーラに魅せられてか、ルアは瞬く間に囲まれてしまった。
「そうだった!『オーラ無リング』なかったんだった!ちょっと待って!サインならするから!」
ルアはそのまま、どこかへ運ばれて行ってしまった。
「一体何だったんでしょう」
みすかがぼやいた。
ルアの言う通り、その後男達は駆けつけた警察によって逮捕された。
ユニ達は警察に連れていかれて色々事情を聞かれた後にすぐに解放された。
警察署から出ると、外はもう夕暮れになっていた。
「いやあ……すごい一日だったね」
全てを終え、しみじみと語るアゲハ。
「お陰で漫画のネタができたよ。ありがとう。結果的にだけど、ついて来てよかった」
ユニにお礼を言う藤香。
「漫画……?」
首を傾げるユニ達。
藤香は自分が口を滑らせた事に気づいた。
「……まあいいか。実は僕は……」
藤香は、自分が「初恋エターナル」の作者である「黄桃ハル」である事を素直に話した。
「え……?えーっ!」
ユニ達の叫び声が、夕暮れの街にこだました。
そろそろ帰らなくてはいけないとの事で、ユニ達は解散し、それぞれの家に帰って行った。
通学路の途中で別れる事に、ユニはやはり違和感を感じていた。
「やっぱり、何か変だ……」
そしてある公園を通りがかるユニ。
本来そのまま通り過ぎる筈だが、なぜか妙に気になって公園に寄る。
「誰もいないな。気のせいか?」
そう思い、帰ろうとするユニ。その時である。
一際目立つ海賊船の遊具の中から、何とある人影が飛び出して来た。
「よかった!やっと会えたぞ!ユニー!」
「ええ!?」
いきなり飛び出して来るなり、自分に抱きついてくる人影に、ユニはただ驚くしかなかった。
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