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第254話 日常③

 謔ェ鬲斐→縺ョ螂醍エ譚。鬆隨ャ莠檎卆莠泌香蝗譚。


(悪魔との契約条項 第二百五十四条)


 謔ェ鬲縺ョ莨晄価縺ッ縲荳也阜蜷蝨ー縺ォ莨昴o縺」縺ヲ縺繧縲


(悪魔の伝承は、世界各地に伝わっている。)


 ユニによってギャル仲間から助け出されたアゲハは、助けてくれたお礼と、迷惑かけたお詫びとして、ユニと藤香と萌絵を駅前のゲームセンター、「幻夢」へ連れて来た。


「お金ならあるから、どんどん使っていいよ!」


 アゲハはそう言うが、三人とも遠慮してすぐには動こうとはしない。


「何なら僕の方がお金持ってると思うぞ」


 藤香に至ってはそうぼやく始末である。


 だがせっかくの好意を無碍にするのも悪いので、ユニ達はなるべく一番安いゲームでお茶を濁そうとする。


 その時である。


「くそォ……覚えてろ!」


 男がありきたりの捨てゼリフを吐きながらユニ達のそばを走り去っていった。


「何なんだアイツ……」


 ユニが呟くと、アゲハは男がやって来た所を指差しながら言う。


「あの男の子……いや女の子に負けたみたい」


 アゲハが指差した先には、対戦型格闘ゲームの筐体の前に座っている女の子がいた。


「あの子は……」


 ユニには、いやユニ達にはその女の子に見覚えがあった。確かクラスメイトの高橋芽生である。


 元々ボーイッシュな女の子だったが、私服だとますます男の子にしか見えない。


「弱いな……子供だけを食い物にしていただけの事はある」


 逃げた男に、メイはそう毒づくのであった。



「成程、悪質ゲーマーだけをターゲットにしてゲームで制裁してたのか」


 逃げた男、そしてメイの毒舌を聞いて、ユニは全てを察した。


 メイもまた、ユニ達クラスメイトの存在に気づいた様である。


「やあ。こんな所で何してるんだ?」


 やけにフレンドリーである。今まで特に接点はないはずなのに。


「接点がない……?」


 ユニは違和感を感じる。


 それは、さっきからずっと感じているものであった。


「せっかく会ったんだ、どこかでお茶でも……」


 メイがそう言いかけたその時である。


 バッと何者かがメイの体を拘束する。


「今度は仲間を連れて来たぞ」


 そう言いながら現れたのは、先程メイに負けて逃げていった男だった。


 ユニは構わず男の仲間を倒してメイを救出しようとするが、男の仲間はカッターナイフをメイの首筋に突きつける。


「おっと、コイツがどうなってもいいのか?警察に通報する奴も同罪だぞ」


 メイを人質に取られては、ユニも手出しができなかった。


 ユニははらわたが煮えくり返る思いをしながらも、出した手を引っ込めた。


「要件は何だ。場合によってはムリヤリにでも助け出す」


「まあまあそう熱くなるな。おれ達はコイツの友達にゲーム対決を挑みに来たんだ」


 不適な笑みを浮かべながら男が言う。


「ゲーム対決だと?」


「ああ。おれがさっき負けた『Card Death』、これで5vs5の団体戦を申し込む。お前らが勝てばコイツを離してやろう。負けた場合は……」


 男はユニ達をジロジロ見ながら、下品な舌なめずりをする。


 その姿を見て、アゲハ達はゾッとするのであった。


 負けたらどうなるかは言うまでもないだろう。


 それを見て、ユニは俯瞰的に考えてある決断をする。


「その勝負は受けられない」


 それを聞いた萌絵が思わずずっこけ、そしてユニに言う。


「どうしてですか!?どう考えても受ける流れでしょこれは!」


「こっちにメリットがなさすぎる。わざわざ相手の土俵で戦ってやる理由なんかない。それに……」


 ユニは、店のパンチングマシーンの前に立ち、お金を入れる。


 そして思い切り全力のパンチをぶち込むのだった。


 全力のパンチを受けたパンチングマシーンの針が振り切れ、エラーを出す。


「カッターナイフのリスクを考えても、()()()の方が早くて確実だからな」


 ユニのパワーに戦慄する男達。それを見て、ユニはさらに言う。


「その上一度メイに負けてるお前らは、ある程度譲歩するべきだ。『チャンスをやる』っていう立場じゃなく、『チャンスを()()()()』っていう立場なんだから」


「……!」


 それを聞いた男達は黙ってしまった。


「よし、それじゃあ……」


 ゲーム対決をするに当たって、ユニは色々な条件を提示する。


 まず対戦前に練習時間を設ける事。ほとんど素人の集まりであるユニ達が勝てるわけがないからである。


 次にユニ達が勝利した場合、大人しく警察のお縄につく事。彼らがやっている事は立派な犯罪だからである。


 そして最後に、ユニ達側に追加メンバーを認める事。


「そもそもおれ達は4人しかいないだろ。このままじゃ4vs5で一戦は不戦敗だ。こっちに不利すぎる」


「メンバーのアテがあるっていうのか?」


 藤香が聞く。


「うん。たぶんだけど……」


 ユニは、先程からユニ達に()()()()()()()()誰かに声をかける。


「いるんだろそこに。()()()わかんないけど」


 すると物陰から、女の子がひょっこり飛び出して来た。


「いやあ……すみません。私は『前賀みすか』っていう者なんですけど……」


 女の子は頭をかきながら、照れくさそうに笑いながら言う。


「何でおれ達……いや()()に付き纏っているのかわからないけど……おれ達の力になってくれるとありがたいな。だから頼むよこの通り!」


 ユニは自分の顔の前で手を合わせながら懇願する。


 てっきり付き纏っていた事を責められると思っていたみすかは驚いたが、断る理由はなかった。


「やりましょう。ゲームなら私やった事ありますし!」


 それを聞いたユニの顔が明るくなると、すぐに男達の方に向き直ってこう言う。


「これでこっちも5人揃ったぞ。さあ始めようか」



 勝負は5vs5の団体戦、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将からなり、先に3勝した方の勝ちである。


 ユニ達の先鋒は、本人が志願したのでアゲハだった。


「たぶんウチがこの中だと一番弱いから。相手の出方を見る『捨て駒』に使ってよ」


 静かに笑いながら言うアゲハ。


 そんなアゲハを、ユニは何と突然静かに抱きついた。


「!?一体何を……」


 驚くアゲハに、ユニは優しく語りかける。


「そんな事言わないでよ。存分に、自分の力を発揮するんだ」


「……!」


 それを聞いたアゲハの表情が真剣モードに変わる。


「そうだ。『捨て駒』じゃない。ウチがこの手で、みんなに勝利を届けるんだ!」


 決意を新たにしたアゲハは、対戦相手と向かい合う形で筐体の前に座る。


「Ready fight!」という言葉が画面目一杯に表示され、いよいよ先鋒戦が始まった。


 アゲハが使うのは初心者向けのキャラである。技の出方やコンボも簡単なものが多い。


 その反面飛び道具がないので逃げ重視の相手と戦うのは至難の業である。しかし近距離でのコンボ火力が高いので、初心者兼上級者向けキャラとされる事が多い。


「何とかコンボは覚えた!あとは勝つだけ!」


 アゲハはそう意気込み、最初の戦いに挑むのであった。


(キミなら勝てる!頑張れ!)


 ユニは心の中でそう応援する。


 クラスメイトとはいえ今日初めて話した様な子なのに、なぜだかそれは確信を持って言えた。

読んで下さりありがとうございます。

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