契約その251 届くかユニのそのhand!
「うわあああ!落ちる〜!」
その後地球の引力圏内に入ったロケットは、いよいよ地上へと落下し出した。
そのロケット内で、彼女達があたふたし出したのである。
「大丈夫だ!おれがついてる!誰も死なせやしないよ!」
そんな彼女達を見て、ユニはそう言ってみんなを元気づけた。
「その通りじゃ!パラシュート起動!スイッチオンじゃ!」
紫音がそう叫び、手元のリモコンのスイッチのボタンを押す。
すると、ロケット内はまるで電車が急停車した時の様にガクンとなる。
パラシュートが開いた事で、ブレーキがかかったのだ。
その後みんなを乗せたロケットは、順調に速度を落としていき、何とかどこかの海へ無事着水したのだった。
「みんな無事か!?」
着水した事を確認し、ユニは点呼を取り、全員の無事を確認した。
「海に着水したみたいだな……。エリー、ここがどこかわかる?」
「はい、北緯19度、西経157度。ハワイのホノルル沖になります」
ユニの質問に、いつもの体に戻っていたエリーはすぐに答えた。
「これからどうすんだ?このままアタシ達漂流するのか?」
丁井先生がぼやく。
「いえ、陸地から程近いので、すぐにでも火殿グループの助けが来ると思いますわ」
すかさずどれみが言い、みんなの安心を取り戻した。
どれみの言う通り、ユニ達は数分で駆けつけた火殿グループの飛行機に助け出された。
「エデン」へ戻って来たユニ達は、そこで研究員達から世界を救った英雄として歓迎されたのであった。
「金賀アリアマリー」は逮捕され、彼女と裏で繋がっていた「ショック・O・ヴァイロスキー」も更迭されたのであった。
「それで、金賀さんの事業は全てウチが引き受ける事になりましたの」
「有事の際の指揮が評価されて、わしも晴れて謹慎が解けたしな!」
ハワイ本島へ戻る飛行機の中で、どれみと紫音が笑顔で言う。
「そうか、それはよかった……」
それを見たユニも笑顔になるのであった。
「でも、本当によかったのか?」
ルーシーがユニに聞く。
「よかったって何が?」
「だって、この件は全部NASAの手で隠蔽されちゃっただろ?世界を救ったのは自分だって言えば、今頃お前は世界の英雄だよ」
ルーシーがぶーっと頬を膨らませながらぼやいた。
散々自分らの事を邪魔しといて、ユニ達が帰って来た途端に掌を返して来たNASAの職員に、ルーシーは怒り心頭だった。
「それは……元々そういう約束だったし。それより……」
ユニは、改めてみんなを見渡しながら言う。
「おれは世界の英雄よりも、キミ達みんなの瀬楠由仁でいたいんだ」
「ユニ……」
そうだ、ユニは確かにそういう人間だった。彼女達は改めてそう思った。
「それと、ありがとう。キミ達がいなければ、おれはあの時あの状況で、生きようとも思わなかった。こうやって生きて帰って来れたのは、間違いなくキミ達のお陰だ」
「……!」
それを聞いて、彼女達はもう我慢できなかった。
ユニの19人の彼女達は、そのままユニに抱きつく。
そのイチャイチャは、飛行機が空港に着くまで続いたのであった。
「それでどうしようか。まだハワイにはいれるし、行きたい所とかやりたい事とかあれば……」
ようやくホテルに戻って来たユニは、彼女達に聞く。
「そりゃ勿論……」
「ショッピング!」
「観光!」
「飲酒!」
口々に言い合う彼女達。
「よしわかった。全部やろう!休んでいるヒマなんかないぞ!」
ユニはにっこり笑いながら言うのであった。
しかしその直後、ユニは体にある違和感を感じた。
「?何だこれ……何か急に眠くなって来た……」
「何だよそれ。お前らしくないな」
ルーシーが笑いながら言う。
色々あったんだ、休んでいればいいとルーシーは言う。
その時は、単に疲れただけなのだと考えたからである。
「ああうん悪い、そうする……」
ユニはそう言い残すと、夢の世界へ堕ちていったのであった。
―――ろ!
―――きろ!
―――起きろ!
それから、どれくらいの時間が経っただろうか。誰かの呼ぶ声に、ユニは起き上がった。
「ごめん、どんだけ寝てたんだおれ」
「そんな事はどうでもいい!周りをよく見てみろ!」
叫ぶルーシー。ユニは言われた通りに辺りを見渡す。
「は?」
ユニ達は、いつの間にか大勢の人に取り囲まれていた。
その人達全員が中世ヨーロッパを思わせる鎧に身を固めている。
「何だこれ……一体何がどうなってんだ!」
「『神の軍団』だ……。おれ様達は、今はこいつらに攻められてる」
ユニの質問に、アザエルが答える。
「神……まさか!」
「そのまさかさ」
その軍勢に割って入る形で、誰かが姿を現す。
ユニ……もといその姿を勝手に借りた「神」であった。
「やはりお前か……」
「おや、心当たりがある様だね」
「神」が穏やかに聞く。
「金賀アリアマリーが『神』について話してた。全部お前なんだろ。あらゆるパスワードを弄ったのも」
あの騒動を、とても人間一人の力でできたとは考えられない。
ユニは最初から「神」の関与を疑っていたのである。
「やっぱりキミ達の存在は看過できないと思ってね。だからこれが一番、手っ取り早いと思った」
「神」は、手のひらから眩い光を繰り出す。その光を収束させ、一本の矢にし、ユニへと放つ。
「え?」
「危ない!」
ルーシーはユニを投げ飛ばし、その光の矢から庇う。
しかし、自分が避ける余裕はなかった。
ドスッ……!
「え?」
ルーシーは一言も声を発する事ができないまま、大量の血を口から吐く。そのままガクッと膝をつくと、そのままうつ伏せに倒れたのだった。
「え?え?オイ?オイウソだろオイ!ルーシー!返事をしてくれ!」
ユニの声に、ルーシーは答えない。胸……というより心臓部分に矢を受けたのである。
「ルーシー……!」
悲痛な声を上げる彼女達。
「成程庇ったか……まあいい。結果的には同じ事だ」
「オイ」
ユニはそう呟きながら、ユラっと立ち上がる。
「今さっきまで生きてたんだぞ?彼女は」
「ああ。生きてたな。だが次の瞬間には死ぬ事もある。運命とはそういうものだ」
悪びれずに言う「神」。
「そうか。もういい。だけど……『神』ならルーシーを生き返らせる事もできるんじゃないのか?」
「それを僕がやるとでも?」
「いや、やらせる!お前をぶっ飛ばして!イヤでも言う事聞かせてやる!」
悪魔の力を全開にし、ユニは神に向かって来た。
「成程、確かにそれが最善。投げやりじゃないみたいだ……だが……」
「!?」
次の瞬間ユニの体が消え始める。
「忘れたわけじゃないだろう?悪魔が死ねば、それまでの契約がなかった事になる。つまり……」
―――まさか!
慌てて彼女達の方を見るユニ。
みんな例外なく体が消え始めている様だ。
「イヤだ!そんなの……!みんな……!」
必死にみんなの方へ手を伸ばすユニ。
「ユニ……!」
ユニの方へ手を伸ばすみんな。
「終わりだ。もう楽になれ」
冷酷に言い放つ「神」。
ユニの手は彼女達に届かず、ユニの意識はそこで途切れるのであった。
謔ェ鬲縺ィ縺ョ螂醍エ譚。鬆隨ャ莠檎卆莠泌香莠檎卆莠泌荳? 譚。
(悪魔との契約条項 第二百五十一条)
謔ェ鬲斐′ 豁サ縺ュ縺ー縲螂醍エ縺ッ蜈ィ縺ヲ縺ェ縺九▲縺滉コ九↓縺ェ繧縲螂醍エ閠縺ィ縺縺ョ髢「菫閠縺ッ蜈縺ョ逕滓エサ縺ク縺ィ謌サ縺輔l繧縲縺薙l繧縺ッ蜈ィ縺ヲ縲縲檎・縲縺ョ莉墓・ュ縺ァ縺ゅk縲
(悪魔が死ねば、契約は全てなかった事になり、契約者とその関係者は元の生活へと戻される。これらは全て、「神」の仕業である。)
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