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契約その197 進級!ユニ達のfinal year!

 四月になり、ユニ達は高校三年生に進級した。


 やはり一年前と同じく新しいクラスが張り出されていた。


 朝、登校してきたユニは、一年前と同様に、自分のクラスを確認する。


「3-Bか……そんでやっぱり……」


 B組部分に自分の名前を確認を取ったユニは、早速新しい教室へと向かうのであった。


 教室に入り、ユニは顔ぶれを確認する。


「いるんだな。みんな」


 一年前と同じ様に、同い年の彼女が全員集合した事実に、ユニは何者かの大きな力を感じていた。


 ここまで来ると当然……。


 ユニがそう思ったその時、ガラッとドアが開いたかと思うと、見慣れた顔が教室の中に入ってきた。


「みんな、これから一年間キミ達の担任を務めさせていただく『丁井千夜』だ。下の名前はあまり作中じゃ出ないけど、よろしくな」


 ユニの予想通り、担任は引き続き丁井先生だった。


 いつもタンクトップに短パンという場所問わずラフな格好の彼女だが、この後始業式がある為か黒一色のスーツを着ている。


 かなり大人っぽく見えるので、普段とのギャップがすごい。


 そして、ユニ達は自己紹介の時間を与えられたのだった。


 各々が一言ずつクラスメイトに向けて自己紹介をする。


「瀬楠由仁です。よろしく」


「内藤・メア・ルーシーだ」


「長寺七海です。陸上やってます」


「緑山アキ、生徒会長で、この学校全員と友達になる女です」


「芽ヶ森アゲハです!よろしくっ!」


「足塚藤香。漫画描いてます」


「飯戸留愛!アイドルです!」


「高橋芽生です。ゲーマーです」


「串田モミです。好きなおっぱいは……全部です」


「尾宅萌絵です。オタクです」


「寿瑞稀です。巫女です」


「佐藤陽奈です。一年間よろしくお願いします」


「花鳥風月です。大正時代から来ました」


 それぞれ自己紹介を終えたユニ達だが、すでに二年間通っている事もあり、顔見知りな者達も多い。


 ましてや有名人の多いユニ達である。わざわざ自己紹介せずともクラスメイトはみんなわかっていたのだった。


 そんな自己紹介も終わり、次は始業式である。


 今日はそれで学校は終わりだ。その始業式も諸注意や連絡などであり、特に目立った事はなかった。


 こうしてユニ達は、午前中には家へ帰ってきたのであった。


「あら皆さんお帰りなさいませ」


 帰ってきたユニ達を出迎えたのはどれみである。


 ユニ達とは違いすでに大学が始まっているが、今日は授業はないらしい。


 とはいえ学生で社長なのは変わらない。パソコンと睨めっこしながら経済の状況をつぶさに観察しているのである。


「これは『買い』でこれは『売り』で……あとはこの会社の株は伸びるから『買い』一択で……」


 先程からそんな声が聞こえてきている。どうやら投資をしている様である。


 ユニはそんなどれみに昼ごはんを食べるから来て欲しいと言うのであった。


 食卓には丁井先生以外の彼女達がいた。ただでさえ忙しい学校の先生だが、やはり年度初めだと輪をかけて忙しいらしい。


 この日の昼ごはんはミートソーススパゲッティだった。


「新しいクラスはどうなんだ?」


 ユニが聞く。


 下級生の彼女達は、互いに見つめ合いながら口々に言った。


「別に特に何も……」


「ないのう……」


「私は結構友達多いから、新しいクラスでもあまり困らないかな」


 どうやらあまりこだわりはない模様である。




「そういえばさ」


 スパゲッティを口に運びながらユニは不意に思い出した様に言った。


「五月に修学旅行があるんだってさ」


 ユニの言う通り、晴夢高校では五月に関西方面への修学旅行が予定されている。


「ゴールデンウィークが明けたらすぐだな」


 スパゲッティを口いっぱいに含みながらルーシーが言うのだった。


「ゴールデンウィークか……わしその期間中ずっと引きこもっとるからな」


 今度は紫音が思い出したかの様に言う。


「また突然そんな……また新しい発明か?」


 ユニの指摘に、紫音は大きく頷いた。


「今回は自信作なんじゃ。それにユニとも深く関係しておる」


「関係……?」


 それを聞いたユニは、小首を傾げるのであった。


 昼ごはんも終わり、ユニ達は各々やる事を見つけて解散していった。


 そんな中、ユニは手招きをするルーシーに話しかけられる。


「ユニ。ちょっといいか?」


 何やら神妙な顔をするルーシー。そして、彼女達全員がりびんから出ていった事を見計らい、こそっとユニに耳打ちして言った。


()()()、本当にみんなに言わなくていいのか?」


 ルーシーの言う()()()とは、以前二人で魔界に行った時に判明した、ユニに関するある真実である。


「おれはあの時、自分の耳を疑った。まさかお前が……ア」


 何かを言おうとしたルーシーの口を、ユニは手で塞いで言った。


「今は時期じゃない。時期が来たらみんなに話す」


 ―――そう言っておいて、できれば墓場まで持っていくんだろ。


 ルーシーはそう思った。


 この事は、みんなには刺激が強すぎる。ユニはそう考えたのである。


 いよいよ始まるユニ達の高校生最後の一年間。この一年は、ユニの中でももっとも重要な一年になると、ユニは確信していた。


 悪魔との契約条項 第百九十七条

時には、隠しておくべき真実がある。

読んで下さりありがとうございます。

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