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死神の英雄記  作者: わにわに
第一章 異世界
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7話 冒険者の朝

「んーっ!」


 小窓から入ってくる朝日を浴びながら、俺は大きく伸びをする。

 夜は『カタログ』にざっと目を通し、『倉庫』の応用を試していた為あまり眠れなかった。にもかかわらずさほど疲れが残っていないのは若さ故か、若さの偉大さを実感する。


 軽くストレッチをし、アンナを待つ。しばらくすると、「コンコン」とノックの音が鳴った。


「アンナが迎えに来たぞ」


「ありがとう。今行くよ」


 ドアを開けるとモフレズさんが立っていた。二人で階段を降りる。


「お前さんアンナの知り合いだったのか」


「あぁ、良くして貰ってる」


「そうか。⋯⋯アンナは優秀だが危なっかしいところがあるからな、なにかあったら助けてやってくれ」


 その言葉に俺は少し笑う。ドアの前で俺を待っていたのはそれを言う為か。


「アンナは誰からも好かれてるな」


「⋯⋯明るく気立てもいい。嫌いになる方が難しい」


「それもそうだな、同感だ」




 階段を下りるとアンナが笑顔で待っていた。


「ジン君おはよ!昨日はちゃんと眠れた?」


「おはようアンナ、もうぐっすり。アンナは?」


「わたしもぐっすり!色々あったから疲れが溜まってたんだね〜。」


「そうだな。でももう全快だ」


「わたしも!じゃあ早速行こっか!」


「あぁ、モフレズさんも有り難う。いい部屋だった」


「世辞はいらねぇよ。⋯⋯ジン、と言ったか。今日もうちに泊まるのか?」


「そのつもりだよ」


「そうか、それならあの部屋は空けといてやる」


「⋯⋯!有り難う!」


 玄関を出た後、アンナに言う。


「モフレズさん、いい人だな」


「でしょ〜!あたし人を見る目はあるからね!」


 昨日のクリスとのいざこざをまだ少し根に持ったような言い方に、俺はまた少し笑った。







 宿から少し歩くとギルドに着く。今日は昨日とは違い、正面玄関から中に入る。


「依頼掲示板はこっち!」


 アンナに案内されるがまま進むと、どでかいボードが目に入った。ボードには依頼の内容が書いてある紙があちこちに貼ってある。


「今日はいい依頼あるかな〜」


「昨日も依頼で森に入ってたのか?」


「まぁ依頼っちゃ依頼かな、昨日はギルドに頼まれてウロの森に異変が無いか確認しに行ってただけ。あ、ウロの森っていうのは昨日の森ね」


「そういう事もやるのか」


「たま〜にだけどね」


 会話をしながら掲示板を見回す。⋯⋯一口に依頼と言っても色々な種類があるな。魔物素材の納品や地域調査、剣術魔法の指南から果ては子供の世話なんてのまである。

 そしてその中でも一際目を引くのが、


「ダンジョン探索?」


「あ〜駄目だよジン君ダンジョンは。死んじゃうから」


「え、そんな危険なの?」


「めっっちゃくちゃ危険!昨日ジン君を襲ったホーンウルフいるでしょ?ああいうのがうようよいる」


「そりゃ死ぬなぁ」


 話によればダンジョンとは所謂『魔物が生まれる場所』らしい。ある日突然地上のどこかに現れ、そこで魔物が生み出される。そして生み出された魔物は外に放たれ、人を襲う。地上にいる魔物の大半はダンジョンから出てきたものだとか。


 ダンジョンにしか無い素材等もある為、リターンも確かに有りはするのだが⋯⋯魔物が湧き出るリスクの方が遥かに大きい。

 そんな物騒なものはさっさと潰したいところなのだが、簡単にはいかないらしい。


「ダンジョンのどこかにあるダンジョンコアを壊せばそのダンジョンも壊れるんだけど、ダンジョンは広いからまずそれがどこにあるのかもわからない、運良く見つけたとしてもコアを守ってる魔物は大概桁外れに強いから並の人間じゃ歯が立たないってわけ」


「だから『攻略』じゃなくて『探索』なのか」


 依頼の内容はダンジョンのマッピングだ。コアの破壊云々とはどこにも書いていない。


「まぁそのマッピングですら命懸けなんだけどね〜。ほんとに危険な場所だから、ダンジョンは」


「そうみたいだな」


「ちなみにジン君は行きたくても行けないけどね」


「まだストーン級だもんなぁ」


 依頼書の中にはクラスの下限指定が設けられてるものもある。

 ダンジョン探索はブロンズ級から受けれるらしい。


「依頼抜きにしてもアイアン級以上じゃないとダンジョン行きの馬車にも乗せて貰えないよ。町としても自殺の手伝いする訳にもいかないし」


 新人冒険者は入るだけで自殺扱いか。興味はあるが入れないのなら仕方が無い、()()()()時期尚早と諦めよう。俺とアンナは掲示板へと目を戻す。





「お!ガーゼ草の買い取りキャンペーンやってる!」


 声を上げたアンナの方に行くと、そこには


『ガーゼ草!!1本70ゼニ→100ゼニ!!』


 と書かれた大きめの貼り紙があった。


「美味しいキャンペーンなのか?」


「ガーゼ草が生えてるシアン平原は魔物も少ないし初めての仕事にはもってこいだよ!うん、これにしよ!」


「りょーかい!」


「初日だしあたしも付き合ってあげるね!目標は1人30本!」


「おー!!」


 目標が3000ゼニか、昨日を知ってる分少なく感じるが、新人の仕事ならこんなものだろう。


「それじゃあしゅっぱーつ!いざガーゼ草を求めて!!」


 そう言ったアンナと共に出口へ向かう為振り向くと、




「おいおい、ガーゼ草の採取なんてブロンズ級がやる仕事じゃねぇだろ」




 そこには昨日見た顔、クリスが立っていた。

 ⋯⋯本当に良い奴なのか?

作品を読んで下さり、ありがとうございます!!



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また、これから先も読んでやってもいいぜ、と思われた方はブックマーク登録もして頂けると!!

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