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死神の英雄記  作者: わにわに
第二章 旅立ち

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30/41

プロローグ

 8月31日、夏休み最終日。


 学生のほとんどが明日から始まる学校を前に憂鬱な気持ちになっているであろうこの日。私、葉月はづき 彩良さらもその例に漏れず、ため息混じりに家を出る。


「あ〜づ〜い〜⋯⋯」


 少しずつ涼しくなってきてるとは言え、太陽はまだまだ暑いし蝉はうるさい。日陰を探してとぼとぼ歩いてると、ポケットの中からスマホが震えた。

 どうせ香菜かなからだろう。開いて見ると、


『さーらー!ハリー!!プリーズ!!』


 予想通り、香菜から催促のラインだ。大量の絵文字がうっとうしい。


『あと10分で着くからジュースちゃんと冷やしとけよ!』


 パンチの絵文字と共に送り、スマホをポケットに戻して再び進む。






 私がこの炎天下の中わざわざ歩いているのは香菜の為。もっと詳しく言うなら、香菜の宿題を手伝う為だ。


「ったく、香菜ったら。もう中3なんだから宿題くらい早めに終わらせなよ⋯⋯」


 ずぼらな親友に頭を悩ませながら歩いていると、視線の先にサッカーボールが現れた。どうやら隣の公園では子供達がサッカーをしているようだ、サッカーボールは弧を描き壁に当たり、そのまま道を転々とする。


「おいー!ちゃんと蹴れよー!」


「ごめーん!」


 そんな声と共に少年も公園を飛び出す。しかし、段差に蹴躓(けつまず)いてバターン!と盛大にコケた。


「いってー!!」


「大丈夫!?」


 絆創膏等は持っていなかったが、目の先で少年が転んだことにびっくりし、とりあえず慌ててかけよったところ、


 キキーッ!!!!!


 交差点を曲がったバイクが突然目の前に飛び出してきた。






 時間が止まったように思えた。心臓の音がとにかくうるさい。


 交差点にはミラーが付いているが、運転手は見てなかったのだろう。速度を落としきれていないバイクは、大きく弧を描いて突っ込んでくる。


 そのバイクの進路上に私はギリギリ入っていない。そのバイクの進路上に入っていたのは、


 転んだままうずくまっている少年だ。


「危ない!!!」


 身体が勝手に反応していた。後先など考えている余裕も無かった。考えていたことは、このままじゃ少年が()かれてしまう。助けなくては。それだけだ。


 咄嗟に少年を突き飛ばす。次の瞬間、受けた事の無い衝撃が私の身体に走った。

 吹っ飛ぶ感覚。聞こえる悲鳴。不思議と痛みは感じなかった。覚えているのはそこまでだ。


 気を失っていたのだろう。はっ!と目を覚ますとそこには、







 見知らぬ草原が広がっていた。

遅くなってしまいすみません!主人公交代とかでは無いです!


それと、『グーパン令嬢〜グーパンしたら婚約破棄され、悪役令嬢的な扱い受けました〜』というギャグ短編投稿しました。この作品を書いてて煮詰まったときに気分転換に書いていたものです。

気分転換に書いてただけあって、結構はっちゃけたものになっております。宜しければそちらも是非!

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