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第30話 小百合と婦人科病院へ行く(2)

「……昨日のことも聞いています。その、お、お風呂に一緒に入ったとか?

 一緒に一つのお布団で眠ったとも聞いています」


「は、はい……その通りですね」


「そ、それなのに! どうして……どうして……?」


「えっ?」


「その状況で最後までしないなんて……。小百合に何か不満でも……?」



 小百合のお母さんは、ちょっとだけきつめに俺に言った。

 少しだけ怒っているようだ。


 そ、そっちなのか……。

 お風呂や一緒に寝たことを怒られると思ったのだけど。


 よく考えたら、そもそもあの状況で「かっぷるプラン」を予約してそこに泊まれとか言ったのはこの人たちなのだ。

 その時点で、気付くべきだった。



 多分、俺がその気なら小百合は受け入れてくれるのだろう。

 でも、俺は絵里から小百合に乗り換えたような形になっている。


 浮気ではないし、別れてすぐ付き合ったわけじゃないけど。

 数ヶ月で二人とセックスするって、遊んでる感じがするんだ。

 それは俺の考えすぎだろうか。


 付き合って、一ヶ月。俺が経験済みなのをいいことに、経験の無い小百合を……。小百合が明確に求めるときまで、しないほうがいいんじゃないのか?

 それに俺たちにとって、今一番の重要事項は俺の学力アップだ。


 多分、一回しちゃうと……何度もしてしまいそうだし。

 絵里とするときは避妊はバッチリしていた。もちろん小百合とする時も同じだけど、こうして受験を目の前にするとちょっと気が引けるのもあった。

 特に今は大事な時期だし。



「俺は……」



 小百合のお母さんに、俺は考えていることを伝えた。



 じっと、俺の目を見て聞いてくれる。

 そして一旦話すと、小百合のお母さんはふう、と息をついて、にっこりとした。



「なるほど。光ちゃん、十八才だっけ?」


「はい……」


「大人ねぇ。うちの旦那と付き合い始めたのもその頃なんだけど……。

 なんか、もう、付き合ったらすぐ求めてきたのよ?

 ホント、猿よ猿」



 そ、そうなのか……。ってか長い付き合いなんだな、小百合のご両親って。



「さすがに成績が落ちたっけ。

 あ、でもね、光ちゃん。このことは内緒にしておいてね」


「は、はあ……」



 なんか微妙に聞いてはいけないことを聞いたような気がしたので、俺は頭から消去することにした。



「それに比べると、大人って言うか……考えすぎなところがあるのかも」


「う……で、でも」


「もちろん、小百合のことを思って言っているのは分かるわ。

 でも、そうやって考え過ぎてもすれ違うことはある。

 案外、心から打ち解けて話した方が早いこともあると思うの」



 あ……。そうだ……。

 このことについて、ちゃんと話してなかったな。

 それなのに、直前っぽいことまでしてて……。

 実は何も考えてなかったのかもしれない。



「ま、あまり話を長くしてもしょうがないわね。

 明日、光ちゃん、放課後時間ある?」


「え? あ、はい。明日も学校のあとは二人で勉強するつもりでした」


「明日はね、小百合が遅れる日なの」



 そういえば、月に一度くらい、家に帰った後小百合だけどこか出かけていたことがあった。

 一時間ほどで合流するのだけど。


 そういえば、一回聞いたとき病院に行っているって聞いたような気がする。

 とはいえ、別に持病があるわけじゃないと言っていたので、別に気にも留めなかったのだが……。



「そうですね、月に一回くらいそういうことがありました」


「明日、小百合についていってあげてくれないかしら?

 光ちゃんの疑問も、いくつか分かるんじゃないかな」


「俺の疑問……はい分かりました」



 俺は二つ返事でOKした。

 小百合のことを知ることが出来るのなら、断る理由なんてない。



 ☆☆☆☆☆☆



「光君、お疲れさま。何か言われた?」



 俺はそのまま小百合の部屋で勉強をすることになった。

 落ち着かない様子の小百合が俺に聞いてくる。


 俺のことを結構心配していたようだ。



「うーん、特にどうって話はなかったけど……明日、放課後一緒に小百合が行くところに俺がついていくって話になった?」


「あっ……。えー?」


「いや?」


「ううん。私はいいけど……光君大変かも」


「えっ? 俺が大変……?」



 ……その翌日の放課後。

 約束通り、小百合についていく俺。


 そして、小百合が言ったことをようやく理解するのだ。



「あっ……婦人科病院……?」


「外で待っててもいいよ、光君」


「ううん。一緒にいるよ」



 中に入ると、小百合が言っていた意味が分かる。

 病院の待合室は半分くらい人で埋まっていた。


 見渡すと、小さな子供以外では男は俺一人。あとは女性ばかり。

 そのなかでも高校生は俺たちだけだ。


 学校の制服が妙に浮いているような気がする。


 小百合の隣に座る俺だが……周りの視線が超超超超痛い気がするのだけど気のせいだろうか?




【作者からのお願い】


この小説を読んで


「なぜだろう?」


「続きが気になる!」


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