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第27話 聖夜のお泊まり


 聖夜のカップルプラン。

 随分べたなプラン名だなと思いつつ、スマホでホテルのサイトを見てみた。


「おふたりの大切な記念日に、カップルやご夫婦でのご利用にオススメのプランです。

 …………。

 ※本プランは、大人の男女のカップルに限らせていただきます」


 お、おう。

 大人……一応俺たち十八歳になってるし、お、大人で良いよな。



「どうしたの? 光君、いこ?」


「う、う、うん」



 相変わらず小百合は楽しそうだ。

 俺の方が焦っているのはなぜなのか。


 だって……家とかで勉強するのとはワケが違う。

 小百合の部屋で押し倒すような状況になったときは、まだ付き合ってなかったし。


 今は付き合っている。

 一応、勉強を頑張って結果が出るまではエッチなことはしないと小百合の前で宣言したつもりだ。

 小百合も合意したようなものだが……。


 正直、状況が準備されると俺は我慢できるのか?

 小百合が少しでも嫌がれば止める自信はある。

 でも、むしろノリノリだったらどうするんだ?


 ちらっと小百合を見ると、純粋な微笑みを俺に返してくれた。

 惚れているのもあるけど、すごく可愛い。


 小百合はきっと楽しいところに来た、アミューズメントパークみたいな感じで思っているのかもしれない。

 こう、俺のような変な心配や妄想はしていないのだろう。

 経験がなく、そもそも、そういうことすら考えていないような純情さ。


 いや、もう付き合ってるんだし、えっちしても多分小百合は許してくれるだろう。

 でも……しちゃうと……その責任というか。

 いや全然責任取るんだけど、大学進学を目指しているわけだし、迂闊なことはできない。


 ここでふと気付く。


 あ……コンドーム持ってないし……ホテルになんかあるはず無い。

 無し無し。しないことが確定した。


 多分、これでよかったのだろう。

 完璧な理由があるので、大丈夫、俺は約束を守れるだろう。



「光君、なに難しい顔してるの?」


「えっ? いや、そんなことは……」


「何考えていたか当てようか? んーとね」



 ドキドキ。

 えっちするかどうか考えていたなんてバレたら……どういう反応をするのだろう。



「勉強できないなって心配してた?」


「お……おう……」


「あれ? 違った?」



 小百合、すまん。

 もっと不純な考えをしていたよ……。


 俺は心の中で小百合に向かってジャンピング土下座をしたのだった。



 ☆☆☆☆☆☆



「わあっ! すごい! 光君、見てみて!」



 ホテルの部屋からの眺めはなかなかのものだった。

 田舎の街ではあるのだが、十五階という視点の高さもあるし、雪に染まる建物や空がぼんやり見える。

 とても幻想的な



「おおぅ。すごいな」


「うん。こんな景色、あまり見られないよね」


「クリスマスに雪が降って、ホテルに」


「今日ね、帰れなくなってよかったって思ってる」



 イタズラをした子供のように、小悪魔的な微笑みを小百合は俺に見せた。



「どうして?」


「だって……こんな滅多に見られない景色を光君と一緒に見られるなんて。

 すごいねって思ったの」



 確かに。

 俺も小百合とこんな景色を見られたことを感謝してもいいかもしれない。



 俺たちは荷物を置いた後、同じ建物内にあるレストランに行き、二人で晩ご飯を食べた。

 クリスマスのイベントをしていて、ケーキが出てきたのはラッキーだった。



 ☆☆☆☆☆☆



 部屋に戻り、あとは寝るだけだ。

 寝るための準備を始める俺たち。


 その前にお風呂か。

 お湯を溜めつつ、部屋を改めて確認する。



「浴衣って……これだけなんだ」


「うん。下着とか洗濯する?」


「もちろん洗うよ。コインランドリーあったよね」


「ああ、それは俺が行くよ。小百合は部屋で待ってて。

 それとベッドだけど」


「一つなんだね。久しぶりだね、一緒に寝るの」



 なんでもないような事のように小百合は言った。

 そんな様子に俺の方がキョドってしまう。



「う、うん……その、小百合は嫌じゃ無いの?」


「嫌じゃ無いよ? なんで?」



 うっ。純情な小百合の笑顔がまぶしい。



「もう子供と違うし……お風呂一緒とか無理でしょ?」


「えっ? 私は……ちょっと恥ずかしいけど別に良いよ?

 前も一緒に入ったでしょ」


「えっ? い、いや……」


「一緒に入ろ?

 一人ではいるとたぶん寒いよね」


「で、でもここユニットバスだから……身体を洗わずに湯船に浸かって、その後に身体を洗うんだけど……いいの?」


「光君となら全然良いよ」



 ああっ。なんだこの小悪魔は。

 立場が逆転しているじゃないか。


 むしろ恥ずかしがる俺を楽しんでいるようだ。

 ……主導権を取らなければ……!



「わ、分かった。入るか」


「うん!」


「じゃあ、はいろ?」



 言いながら、するすると制服を脱ぎ始める小百合。


 ごくり。

 俺の喉が鳴った。


 後から入るのは色んな意味でキツいと思ったので、速攻で俺も制服を脱ぎ、下着だけになってお風呂に突撃したのだった。


 そして、やや広いユニットバス内にあるカゴに下着を入れる。

 ユニットバスは洗面台とトイレとお風呂が合わさった、やや広い感じだ。


 既にお湯は溜めてある。

 俺はシャワーカーテンを閉めて湯船に浸かった。身体を洗うのは暖まった後だ。


 ちょっと熱いくらいだけど、気持ちが良い。



「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」



 俺は父さんがお湯に浸かるときに出すような声を出してしまった。

 身体が少し冷えていたのだろう。温かいお湯が気持ちが良すぎて声が出てしまった。



「もう……光君何才? おじさんみたい」



 楽しそうな声。

 バスルームに、ついに小百合が突入してきてしまったのだった。




【作者からのお願い】


この小説を読んで


「次はお風呂回なの?」


「続きが気になる!」


「この先どうなるの!?」


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【NTRタイムリープ】幼馴染みを寝取られ俺は死んだ。でも、時間がまき戻ったので全てをやり直す。〜今さら奪おうとしてももう遅い

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