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第20話 不能(1) ——角田視点

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 細川の女が目の前にいる。

 読モをやっていただけあって、顔もスタイルも一級品だ。


 後ろ手に縛り、上着を脱がした。

 さて、どんな胸をしているのか……。


 ブラウスのボタンに手をけようとしたとき、バン! という大きな音が部屋に響く。


 音の方向を向くと、ドアを開け、学生服を着た男が部屋に入ってきたところだった。

 ここは知らぬ者が勝手に入ってくるような場所ではない。


 だとしたら……着いてきた? この女の知り合いか?

 どこかで見たことがある顔だが……。



「おい、こんな所に連れ込んで……どういうつもりだ?」


「お前こそ、無断で入ってくるとは、誰だ?」


「千石さん、もうすこしで細川も来る。今助け——」



 ガッ。


 全部言い終わる前に近づき奴の顔面を殴る。

 先手必勝だ。


 手応えはあったが、やつは倒れなかった。



「山本君……!」



 サユリが叫んだ。やはり知り合いか。

 名前にも聞き覚えがあるが……。


 ドタドタと二人ほど男が入ってきた。こいつらの仲間か?

 状況が一変する。


 俺たちはにらみ合い、膠着状態になった。


 そこにもう一人……男が入ってきた。


 ——入ってきたのだが、次の瞬間俺は後ろに倒れて頭を打ち、衝撃で目が眩む。

 頭の痛みとは別に、股間に鈍い痛みが体を侵すように腹に伝わっていく。



「う……が……」



 な、なんだ?

 痛い。鋭い痛みと鈍い痛み、両方が俺を襲う。


 腹が、下腹部……股間が痛む。

 両手で押さえると多少は収まるが、焼け石に水で耐え難い苦痛が襲ってくる。


 怒りで頭に血が登るのを感じるが、激痛に思うように体が動かない。

 呼吸もうまくできず、やや苦しい。


 そういえば女はどうなった? 入ってきた男は?

 女がいた方向を見ると、細川が女を抱え俺を睨んでいる。

 俺は、コイツに倒されたのか?


 続けてウーという低いが聞こる。

 サイレンが鳴り響きパトカーらしき音が近づいてくる。

 いったい何が起こっているのか、俺が理解したのは警官に支えられパトカーに乗ってからだった。



 車の中でも苦しみは続く。

 警官が心配し声をかけてくれるのだが、腹が痛いとしか言えなかった。

 股間から伝わるのは、痛みと、また一方で麻痺したかのような違和感。


 俺は今、額に脂汗を浮かべて、とても情けない顔をしているのだろう。

 一体どうしてこうなった?

 ……俺が女に欲情し、気を抜いたのがマズかったのか……?

 考えようとするが、痛みがそれを邪魔をする。




 警察署に着き、時間をかけてパトカーから降り話を聞かれた。

 まさか、あの程度で監禁や誘拐の容疑をかけられるとは思わなかった。


 だが、俺はまだ高校生だ。

 どうせたいしたお咎めはないだろう。

 ……そう思っていた。



 まずは病院で事情を説明し、翌日警察署に出向くことになった。

 翌日、警察署で事情を聞かれさらに一晩を過ごし……親に迎えに来てもらって、俺はさんざん叱られた。


 あの女……千石に対し手首を縛っていたことは事実であり、それがオレの状況を悪くしたらしい。

 抵抗を封じて人を拉致したことに、オレは反論ができない。


 さらに、その目的についても仲間とのやり取りがスマホに残っていたため、暴行目的だったということも印象を悪くする。


 だが、直接的な暴力などを振るっていないのがまだ救いだった。

 もう少しあの男たちが遅く、千石に手を出していたら間違い無く逮捕されていただろう。


 もっとも、まだ逮捕されないと決まったわけではない。


 不安なまま過ごすオレに、高校は一旦二週間の停学という連絡があった。

 大学推薦の話も全て立ち消えてしまった。



「クソッ」



 さらに、警察からはまた呼び出しがあるということだ。

 俺は親の監視下におかれ、外出もままならない。



「クソックソッ」



 そもそも、あの山本とかいう男や細川が来なければ……こんなことにならなかったはずだ。

 女も俺のモノにできたかもしれないのに。

 悔しい思いが頭に渦巻く。


 復讐しに行こうかとも考えたが、しかし、体がイマイチ本調子ではない。

 このままでは返り討ちにされるのが関の山だろう。



 ピンポーン。



 インターフォンの音が聞こえる。

 俺の部屋のドアを開けやってきたのは絵里だ。

 久しぶりに見る顔だった。


お読みいただき、本当にありがとうございます!


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