7 車と遭遇
さてと今週は車の納車だ。
ONDAのMvanを受取りにディーラーに行ってこよう。
借りてた同僚の車は金曜日に会社へ置いて帰った、勿論ガソリン満タンだ。
まあ偶に乗らないとまたバッテリーアガるけど……。
帰りは運転だから電車で行こうかな。駅まで徒歩2分だしな。ここずっと服に関心が無くなりいつもの作務衣に着替える。だって楽なんだよな。
「コロ出掛けるよ!」
『うん』
駅に到着、10分位で次の電車が来るな。
『ホームから落ちるなよ』
『わかったよ』
まあ休みの日は空いてるから、座れそうだな。
『外見てみなよ、この乗り物も早いだろ?』
燥いで外を眺めてるコロを見て思うと、今は独りじゃないんだなと思う。
相変わらず基礎レベルもスキルレベルもまだ上がって無いが、このまま平穏に過ごせれば良いな。
天神川駅で降り、大洲のディーラーまで散歩がてら歩いて向かう。コロはザ○Ⅱに擬態し2足歩行の練習を兼ねて歩く。
ディーラーにて書類にサインやらハンコを押して鍵を受取る。スタッフさん達に見送りされ家路に…。その前にガソリンスタンド寄ってと、やっぱし満タンにはしてくれないんだよね。
その後、海田駅のいつものスーパーの駐車場へ車を止めて少しマナー違反だが後で買物するので…。
ここには歩行者専用の大きな橋がある。ベンチも有るので座って一服。
『コロー人にはぶつかるなよ』
『わかったー』
コロが人に当たると感触が有るらしい、見えないだけで存在はしてるのだ。
まあそうじゃ無いと刀になった時に、竹とか斬れないよな。
暫くぼーっとしている。マップは開いて確認は怠って無い。
この海田駅は結構な人通りがあり、橋を渡る人も多い。
コロを遊ばせているのは、誰か気付く者がいるかもしれないからだ。
1時間が経ちコーヒーも飲み終えたが反応は無し。
トイレにも行きたいので断念かな。
スーパーへ寄ってお花を詰んで食材を購入しよう。
明日は少し遠出したいからね。慣らし運転も兼ねてね。
翌朝、Mvanに荷物を積み込み準備はバッチリだ。
「そろそろ行こうか?」
『うん』
コロも助手席に座り?身体を伸ばして窓から景色を眺めてる。
今日向かう場所は、家から片道約1時間。
安芸高田町の土師ダムだ、春は桜で秋は紅葉が綺麗な人気スポットだ。
だが、もう春の終わり来週はGWだから本日は人が少ないと思うので行く事に決めた。
コロにあれはナニ?と質問されながら車を走らせ質問に答えながらタバコを吸ってる。目的地に到着し車をパーキングエリアに止める。
ちょっと休憩したいので、芝生があるとこへ行く。
そこへ、テーブルとローチェアを出しお湯を沸かす。スーパーで買った安い豆をコーヒーミルでゴリゴリしてドリップ。
誰も居ないのでコロに食べて貰う。まあコロが嫌がったらしないけど、いろんな味を知りたいらしく食べてる。
タバコに火を付け、ゆっくりしてるとコロはあちこち転がってる何時ものことだ。
見えなくなりそうなのでマップを表示する。
「うん?」
赤い点が3つなんだコレ?考えてるとコロが戻って来た。
『魔物いるよ』
「この赤い点のことだよな、コロみたいに仲良くなれる?」
『たぶんむりー』
『ぼくがこっち来たとき、よういちが居たから黒いモヤモヤ無くなったよ』
「モヤモヤ?ってことは敵かな?だから赤点なのかな?」
『人が襲わええる前にやっつけちゃおう!』
「OK!じゃあ3匹居るから狙撃で削るか」
コロと二人で山の中へ入って行くと100m手前で視認。良かった余り邪魔な遮蔽物は無いな。
『コロ、ライフル』
『わかったー』
コロにマガジンを挿しニーリングで構える、直ぐ行動できるように。
『ゴブリン?』
一度コロに擬態して貰ってたので確認をする
『そうだね、でも1匹違うね。ゴブリンリーダー!強いよ』
此処からじゃ鑑定出来ないな。それにリーダーにはファーストアタック出来ないな。取巻きからやるか。
呼吸調えるとゆっくりと息を吐き引き金を引く。
バシュ!と一直線に飛んでいき…ヘッドショット。遠くで良かった、傷は小さいが後ろからは悲惨な事になってる。
〈経験値を獲得〉
ボトルアクションを行いながら場所移動、さっきのアナウンスは後だな。
まだ位置はバレて無いな。2匹目をスコープで覗くと、声は聞こえないが騒いでるな。
バシュ!2匹目もヘッドショット。
〈経験値を獲得〉
スコープ越しにリーダーと目が合った!バレた!
リーダーはこちらに走って来る。早い!
『コロ狙撃はもう無理だ!GLOCKに擬態』
『りょーかい』
APS○のマガジンをその場に落とすと今度はGLOCKのマガジンを挿し込む。
もう僅か20mも無いので弾幕を張る!何発か当たってるが向かって来る!
錆びついた剣を構え振り降ろす。コロは咄嗟に擬態解除して自分の盾になる。ゴリ!っと斬られる。
「コロ!」
返事が無い。
「くそがーー!」
我武者羅に指先に魔力を貯め放つ!MPを8消費した。
〈経験値を獲得〉
〈只野洋一LV5〉
〈NEWSKILL アイテムボックス1〉
〈只野洋一LV6〉
〈魔力操作2〉
〈コロ丸LV4〉
〈擬態6〉
〈コロ丸LV5〉
NEWSKILL 分裂1
「コロ大丈夫か!」
「大丈夫だよ」
ふーほっとしたよ。うん?
「コロ喋れるの?てかなんで無茶するんだよ!」
「よういちが受けてたら、たぶん死んじゃうからだよ、間違って石になったから痛かった」
「そうなんだ、ありがとうな。でも無茶はしないでくれよ」
「表面を鉄だったらダメージ無かったよ」
「そうだよな、刀の鋼だったら良かったな」
不意にゴブリンの死体に目を向けると、粒子になって消えて行く。其処に有るのは小さな石だ。
「これは?」
「魔石だよー、魔物の核だよ」
「何に使うんだろ?」
「さあ?」
まあいっか取り敢えずマップと念じ確認を
し周囲2kmは赤点無しっと。
次いでにマガジンの位置を確認して拾う。
さっきのアナウンスを思い出しアイテムボックス念じる。
リスト 無し
手に持っている、マガジンを収納と念じ収める。
リスト
・GLOCKマガジン 1(63発)
・APS○マガジン 1(23発)
このと石と他マガジンも入れとくか
リスト
・GLOCKマガジン 3(100発☓2 63発)
・APS○マガジン 3(25発☓2 23発)
・ベレッタマガジン 2(26発)
・魔石 2(極小)
・魔石 1(小)
さてと急いで此処を離れるか、最後の攻撃でクレーターが出来てしまった。
明らかにオーバーキルなんだよな、頭に血が上ってしまった。
「コロ、人が来るから迂回しながら車に戻るぞ」
「そうだねー。またよういちがやり過ぎたからだよ」
「ぐぬ…、反省します」
マップを見ながら大きく迂回して車へ戻って来た。野次馬が集まって来てるので知れっと聞いてみる。
「何かあったんですか?」
「なんか爆発があったんよ!お兄ちゃんは何とも無い?」
「反対側のダムの方に居たんで、何とも無いですよ!」
恍けておく!おし帰ろう。帰りに双子の弟んとこに顔だしとこ。
『コロ帰ろ!』
『そうだね』
安佐南区にある農家さんが直接スーパーへ納入して店で小売販売を行ってる、流石週末だ人が多いな。
「よ、近くに来たから寄ってみた」
「お!兄貴、手伝い?」
「忙しそうじゃん、手伝うも何もあつしに間違われるだけだ」
話してると、既に農家さんが???状態になってるがここへ来るといつものことだ。
「昨日、納車で慣らしでドライブ行ってきたんだよ」
「Mvan来たん?」
「土師ダムまで行って来たけど、なんか爆発?があったから帰ってきた」
「へー」
「この辺でなんか変わった事無かった?」
農家さんが一人やってきた。
「兄ちゃん、あっくんの兄弟か?」
「双子の兄の洋一です」
「よ〜似とるわ」
「変な話し聞こえたが、わしの知り合いの爺さんがキャベツが浮いとるよったんよ」
「「うん?」」
弟と首を傾げる。
「みんなも爺さんボケたか言いよるが、わしはそう思わんしボケるには早い!」
「実際に畑が荒らされとんじゃけぇ」
「猪とかじゃ?」
「猪なら掘るし足跡も残んよ、足跡も小さい変な足跡なんよ」
あ〜あれだゴブリンだな。
「防犯カメラにもキャベツ浮いとるし、だんだんと無くなりよるしのぅ」
これってどんどんこっちに召喚されんじゃね?こっそり弟を鑑定したがレベル上がる前の俺と大差無いな。スキルが違う位で目を瞠る物は無い。
弟に打ち明けるか迷うな。
適当に話しを切り上げ食材を購入。此処の野菜とか美味いし安いんだよな、だが距離が有るから偶にだ。
「また寄るか連絡するね、今度キャンプ行こうぜ」
「OK!兄貴の彼女も連れて来いよ(笑)」
そんな遣り取りをし別れ家路へ