15 GW4日目
上の騒ぎは知らぬ顔をし、一階で買物をする事にしよう。
『上は大変な事になちゃったね』
『あれ程言ったのに、真っ先に戦闘するなんて…』
『ゴメンなさい』
少しフォローしとくか。
『まあ、身体が勝手に動いたんだろ?優しいな、もしかして戦闘狂!?』
「ち、違いますー!」
やっぱし元気な方が良いな。
「ガチャは今日は諦めて他を廻るか、それとも閉店になるかな?」
「廻ろうよ、まだわかんないだから」
まあ閉店になって考えるか。
それから、あっちこっちへと連れ回さられる、服を当てて感想を聞かれるので・可愛い・似合ってるの単純な言葉しか言わない俺だと、徐々に不機嫌になってしまう。
『よういちがんばれ』
コロに励まされる始末だ。
お昼御飯で挽回するかな。と言ったもののフランチャイズの食事ばかりなので迷う、弥生が好きそうなとこは何処だろうな?
結局無難なとこで食事を済ませた。タバコを吸いたいとこだがコロナの影響で吸える場所が無い、世知辛い。
気をとり直し一階で食材の購入だ。気分は新婚さん?違うか、娘の家に孫の顔見に行った父親か…。
「私が、もてなすんで支払も私だよ」
そうなのか、まあ今日はご馳走になるか。
購入も済み、エレベーターに乗り駐車場に着くと声を掛けられる。
「すいません、少しお時間よろしいでしょうか?」
私服警官だ。面倒なのに捕まるのか…。
「生物の食材があるので時間無いです」
と、交わして見る。
「あなたは子供を庇って居たと目撃情報が合ったのですが、違いますか?」
「さあ?自分は怪我何て、してませんよ」
実際いHPは1しか減って無かったし。
「そう言う事なので失礼しますね」
作務衣は目立つなぁ。まあ今更考えても仕方がない。ゆっくり車に向かうが、こっちを見てるな。ナンバー覚えられるな、諦めるか。
『良かったんです?』
『良いも悪いも、結果暴れたし。まあ俺は庇っただけだから問題ない』
『私のせいでゴメンね』
『今更だし気にしない!ちょっとドライブ行って帰ろうか?真っ直ぐ帰ると弥生の家がバレるかも知れないからな』
俺はバレても問題ない。
『僕、車好きだから良いよ』
『ありがとう洋一さん』
車に乗込み、生物もあるのでアイテムボックスに入れて1時間くらいドライブして弥生の家に到着だ。
玄関開ける。
『『ただいまー』』
『おかえりなさい』
「何か良いね、私も一人暮らしだからホッコリしちゃう!」
「何気ない一言に暖かみがあるって、独りになってから俺も知ったよ」
「ですよね」
早速アイテムボックスから、買物の食材と弥生の服等を出す。
「晩御飯の準備するから適当に寛いでてね」
「「りょーかい」」
コロにはテレビの電源を入れて、リモコンの操作方を教えてやり自分でイジってる。
俺は漫画の続きでも読むかな。
漫画の読んだ巻数が増える比例し、美味そうな香りがしてくる、腹減ったな。
「できたんでテーブルの上、片付けておいてね」
キッチンから声がしてくる。
運ばれて来る料理に目がいく。自分では面倒な煮付けや天麩羅、家では絶対造らないな。
「「おおー」」
「よういち美味しそうだよ、早く食べたい」
コロに味覚が有るか不明だが、俺の料理にはここまで反応した事は無かった、無かった……。
「どうぞ召し上がれ」
「「いただきます」」
うまい!手料理ってだけで、何ランクもアップだ!うん?
「どうぞ」
お猪口を手渡され、御酌をしてくれる。
今日は車なんだが………、俺の意志は弱かった。
うまいなこの日本酒!
「どう?昇龍蓬莱って言う地酒だよ」
熟成酒感のあるスッキリな辛口。わらびの天麩羅に岩塩を少し。サクサクでいて素材の旨味を十二分に残した上がり具合、そこへ日本酒を流し込む。ウマイ!料理スキルマックスなら神の味か!
「あ!よういちにお酒呑ませたんだ」
「ダメだった?」
「どんどん呑んで、パタっと寝るよ」
「そうなんだ、今日は心の準備出来て無いから良いよ」
「準備って何?まだ美味しいお酒あるの?」
「良いの!私も一緒に飲むね」
「「カンパーイ」」
チンっとお猪口を合わせグッと呑む。ウマイ!
『やよい良いの?寝ちゃうよ』
『良いの、ちゃんとしてからね』
『そっか、僕は応援してるからね』
『うん!ありがとコロちゃん』
私はこの幸せな時間が続けば良いと思ってるからこのままでも……。