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学園ミステリ〜桐木純架  作者: よなぷー
桐木純架、登場す
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0001プロローグ☆

   (プロローグ)




――うるさいな、と感じたのは入学式の前日だった。まだまだ面白くなりそうだった夢から引きずり起こされ、俺はベッドのシーツから頭だけ這い出す。室内はカーテンを透過した陽光で地味に明るかった。


 電波時計を見れば時刻は午前10時。遊んでいたノベルゲームでどんでん返しが発生し、思わず徹夜してしまった俺は、午前4時頃にようやく就寝したのだ。どうやら惰眠(だみん)をむさぼっていたらしい。


 あくびを一つすると、頭の中が現在の状況に適切な輪郭を伴っていく。その過程で夢の残滓(ざんし)雲散霧消(うんさんむしょう)していった。ああ、もったいない。でも、どんな内容だったっけ?


……まあいいか。それより俺を起こすぐらいの騒々しさはどこから来ているのか。そっちの方が気になって、俺は春眠(しゅんみん)の気だるさを引きずりながらベッドから下りた。


 一軒家の2階にある俺の部屋は、窓から通りを見渡せる位置にある。その方向から絶えず聞こえてくるざわめきに、俺は何事かとカーテンを開けた。


「引っ越しか」


 俺は独りごちた。テレビのゴールデンタイムでコマーシャルを流している運送会社『白犬タケル』、あれの制服を着た作業員と軽装のアルバイトたちが、巨大な4トントラックから次々と荷物を運び出していた。巨大な本棚や家具に苦戦し、一見軽そうな段ボール箱――だいたい重たい漫画などが詰まっているものだ――を踏ん張って抱え持つ。


 それらの搬入先は隣の一軒家だ。確か一ヶ月ほど前から空き家になっていたはずだ。新たな入居者を得て活気付いたりするのだろうか。


 ま、どうでもいいか。


 俺は荷物のバケツリレーから目を()らすと、明日から始まる高校生活に気もそぞろで階下へ下りていった。腹が減っていた。


 俺の平穏かつ安らかな日常の、それが最後だった。

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