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火曜日を、待っている。  作者: 皐月夜天
3/3

5/7 はじめの違和感 (日常系できゅんきゅんしたい人は読んでほしい)

第三話 5/7(火) はじめの違和感


がばっ

意識が覚醒する。

、、、待ちに待った火曜日が来ました!やったぜ。

目覚まし時計より早く意識が覚醒する。


おはよ、空。

おはよ、太陽。

おはよ、鳥。

おはよ、木々。

そして、おはよ、僕。


、、、はい、調子乗りすぎました。


☆☆☆


ジリジリジリ!

「ふぁーあ」

「あおー!早く起きなさーい!」

「ふぇーい」

「ふぇーいってなによ?」

「朝からうるさいな、、、目覚まし時計より大きいまであるし、」

そう呟きながらベッドから起き上がる。

ん?今日火曜日か!

私は自然と鼻歌を奏でながら洗面所へ行く。

「そこにいるのは僕と孤独の二人だけ♪」

好きなとこはちゃんと口に出した。

髪をヘアバンドで止めて、

ぱしゃ、ぱしゃ

「ふぅー」

鏡に映った自分の瞳を見つめる。と、

朝から彼のことを考えてしまった恥ずかしさから(?)ふと思った。

「あいつも考えてたりするのかな、私のこと」

そう思った途端、頭の中で

「僕のこと考えてたりするかもな。」

という言葉が聞こえた気がした。

ん?気のせい、、、だよね?


☆☆☆


「意外と、君も僕のこと考えてたりするかもな。」

歯を磨きながら、水に濡れた僕の顔を写した鏡をぼんやりと見る。

と、

「あいつも考えてたりするのかな、」

「ん?」

心地のいい声が聞こえた気がして、歯ブラシをくわえたまま、とっさに後ろを振り向く。

が、誰もそこにいない。

「気のせいか?」

ちょっと怖くて、背筋に冷たいものが走ったような気がした。


☆☆☆


帰りのHR。いつも長い担任の話が、今日は数倍長く感じる。

「あぁぁー、まだかよー」

「青さん、怒るなって」

「あー待って青ー」

「いそいでまーす」

「まてー」

ばたばたばた。

といった具合で、いつもの仲がいい3人組は教室を後にする。

「ちょ、なんで青さんこんな早いの?」

「それは今日が火曜日だからさ。」

「あーそっか。」

下駄箱へ走る途中、二人が勝手に納得している。

「いや違うからな!」

「そう言いながら思いっきり走ってるあたり言い訳がばがばだよね」

「ええーい、うるさぁぁぁい!」

下駄箱に着くと、上履きのかかとを踏んで脱ぎ、すぐに革靴へ履き替える。

「あーん待って青、うち靴履くのにふつうの人の3倍の時間がかかるねんー」

「なにそれ?」

「あんな、うちな、京都弁のちょっとポンコツみたいなキャラになろうかなぁ〜と思ってんねん、どないかなぁ?」

そう言って胸の前で指先だけをくっつけながら、手のひらを広げるみほ。

「みほ、」

「ほへ?」

「めっちゃ可愛い!」

そう言って私はみほへ抱きつく。

「いや、走れ青さん!」

そう言ってあやが私のことを軽く叩く。

「そうだ!行くぞ!」

そう叫んで走りだす。

うしろであやが、

「私に突っ込ませるなよー」

とつぶやいていた。


「ふぅー、なんとか間に合ったね」

「けど青、ほんとにこんな時間に乗らないといけないのー?じゃない、いけんのー?」

「なんか、向こうが学校終わるの早くて会えなかったりしたら、嫌だから。一応。」

ぱしゃ。

「「かーーー!いただきました!」」

二人に写真を取られたようだ。

「な、なんだよ、やめてよ」

「それにしても、あのお高くとまった青さんをこんなにさせた男ってどんなやつなんだろ」

「それなー、どんなやつなんだろーな」

そう言って二人は目だけで私の方を見る。

「いやついてこさせないからなー!」

「いやいや別にそんなこと言ってないですよ」

「そうですよ、ただ遠くから見てるだけならいいかなーって思っただけですって」

「おーい!」

私が思いっきり睨み付けると、

「ごめんごめん」

「2割くらい冗談だったから」

「8割本気なのね」

「もちろん」

はぁー、と大げさにため息をつくと、

「あれ、結局着いてっていいってことになったんだっけ」

「え、いいんでしょ?」

「あやー?みほー?」

「「さーせん」」


そして、あの道についた。


「ってなんであんた達がいるんですか?」

後ろを振り向くと、そこにはあやとみほが立っていた。

私がいつも改札を出る駅で、あやとみほは乗り換えのために降りている。

私が改札を降りた後、背後から気配をずっっっと感じていたのだが、、、

「遠くから見とくって。」

「ふたりの邪魔はしない!」

「あんたたちねぇ。」

拳を握りしめる。

「それで、彼はまだなの?」

「彼氏じゃない!」

私はそう全力で否定する。

「いや、彼氏って言ってないから」

手をぱたぱたとやりながら首を振るあや。

え?まじか。

「青さんかがみかがみ」

そう言って二人は手鏡を私に見せる。

「え?私顔赤すぎじゃない?」

「せやね」

「そういうとこ可愛いっすよ青さん」

「煽るときだけさん付けしないでもらえます?」

「それで、こっからどんくらいまつんすか?」

「5分くらい」

「「5分?」」

2人は声を揃えて驚く。

「え、5分?まじで5分?」

「長ない?」

私の顔はきっと今も真っ赤に染まっているのだろう、目を閉じ唇を尖らせ、腰に手をあて胸を張り、

「笑いたければ笑えばいい!」

すると、

「青のこと、私応援する!」

「私もするっす!」

「ふたりとも、、、」

私たちが道端で涙を流し、熱い抱擁交わしていると、

「よ、よう」

声をかけられて、その声のした方向を見ると、、、

「で、でた!」

「でたってなんですか?」

「あ、現れた、、、?」

「ちょっ、青さん落ち着いて。」

「なんか邪魔しちゃったようで。すみませんでした」

「いや、全然邪魔じゃないから、あの、うん。」

「じゃあまた来週」

「あー!!!」

私はそそくさと行ってしまった彼のことを思い、俯く。

「これは、、、引かれたね。」

「ひかれた!」

「あー、惹かれただよ、彼が、青に、惹かれた。」

「絶対違うじゃーーーん」

しばらく俯いていた後、、、

「でへ」

私はニヤッと笑った。

「怖い怖い怖い怖い」

「え、どった?」

「、、、楽しかったっす。」

「あおー」

私を呼んだあやの方を見ると。

二人は声を揃えて。

「「キモい」」

にんじんが好きです。

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