4/30 君との帰り道2
皐月夜天です
第2話 4/30
私は都立の高校へ通う女子高生。
成績は校内では普通で、部活には入ってない。
女子高生としてけっこう肝心な見かけは、そこそこいいんじゃないかな、と自分では思ってます////
って、私は何を打っているんだか。
スマホに映し出された文章を見て右の眉毛だけを釣り上げる。もちろんすぐに消去した。
昼休み、ほんとは行儀が悪いからよくないけど、ご飯を食べながらスマホをいじっている。
「進捗はどうっすかぁー?あーおさん?」
そう言ってクラスメイトのあやが背中から抱きついてくる。
「うわぁっ!」
もうさっきの文章は消したけど、私はとっさにスマホを隠した。
「えーどうしたの?」
私の怪しい行動に顔をしかめるあや。
「いや、なんでもないけど」
「青、たしかに今のは怪しかった。」
なほもそう頷く。
「いやほんとなんでもないから」
必死に否定するも、
「怪しい。」
「言葉を濁すとは青さんらしからぬな」
「おう、」
「見せて欲しいなー何書いてたのかなー」
「ねー、見せて欲しいねー」
あーもうしつこい!
「じゃあ一瞬だけ見せてやるぜ」
「まじっすか!」
「だけど一瞬だけだかんな」
「お願いします!」
「じゃあ、、、」
そう言ってポケットにしまったスマホを取り出し、指紋を開けると、一瞬だけで終わらせはしまい!と言わんばかりに、ばっ、とあやがスマホを鷲掴み、みほが私の腕をはらい、そして二人して画面をガン見する。
しかし、その程度のこと、読めていたよ!
「残念、わたくし、もう消していたのだー!」
そうドヤ顔を決めると、、、
あやは沈黙を貫きながらも、ジト目で画面の左上にあった「元に戻す」をタップした。
「あ」
時すでに遅し。
「ふ、ふふ、青さんwww、青さんってばwww、なんか言ってよwもうwww」
「、、、」
顔が真っ赤に染まる。
視線を思いっきり逸らす。
「く、くく、くく、、、ふぁーあ、ひさびさにこんなに笑ったw」
「あーもう!だってしょうがないじゃん、卒論の題目とあらすじ的なの考えろって言われたって、まだ高2の1学期だよ?4月だよ?思いつかないって、ふつう。」
「人類の今後の核との付き合い方について」
「AIが人類を超えた後の社会について」
真面目な顔をして二人が答える。
「ありふれてんだよーそういうのー!」
「だからと言って青さん、なんか凄いの書く気があるんですか?」
「いやそんなんじゃないけどさー」
「じゃあ一緒にAIにしよーよー、そんでさー写させてくれない?」
「それ目当てでしょ」
「いかにも」
「なんか昔から苦手なんだよね、自由研究とかのテーマ決めるの。」
「だから顔面偏差値高いんすわぁって書くのー?」
「いや消してたじゃん!」
「実際かなり高いからムカつくんだよなー」
「あ、そう?」
思わずにやける。
「こいつ、、、やるか?」
「だな」
二人は頷き、、、私は思いっきりくすぐられた。
「はぁ、は、はぁ、、、5分はやり過ぎでしょ、、、」
「あや、こいつなんかエロいな。」
「それな。なんか絵になっててムカつく」
「ラウンド2する?」
「待って、流石に体が持たない。」
すると、意地悪そうに二人は顔を見合わせて、
「じゃあさー、先週会ったっていう通学路のキミとはどうなのよー?」
うげ。振られたくない話題だ。
「まだ会えてない。ていうかそんなんじゃないし」
「へー、そなの」
「何そのジト目は?」
「いやー、会えてない、って言い方にお父さんきゅんきゅんしちゃってさー」
「いやあんた生足も眩しい女子高生でしょ!」
「彼のどんなとこがいいのー?」
「なんていうんだろ、普通に運命を感じたっていうか。」
「青さん答えるんだね。」
「今の忘れろ!」
「この間睨んだりしなかった?青目つき悪いから心配」
「え?私目つき悪い?」
「手をつけて「にゃん」って言って。」
あやにそう言われたので従う。
「にゃん」
パシャ。その瞬間みほが写真を撮る。
「ほれ」
そう言ってスマホを私に見せると、、、
「いや私目つき悪!やべ、やっちゃったかもしんない」
「ほー恋する乙女はよきですね♡」
「別に恋してないし!」
「玉子焼きに誓える?」
「誓える!」
私がそう宣言すると、
「いただきー」
あやがそう言って私のお弁当から玉子焼きを奪う。
「んー!やったなきさまぁー!」
私も箸を握ってあやのお弁当へと手を伸ばした。
放課後、私はあそこへ向かうため、1週間前に彼と会った道を通った。
すると、そこにはちょっとだけ俯いているあいつの姿が。
急にドキドキ鳴り出したうるさい心臓を意識しないように、
「あ、この前のヤツじゃん。」
クールに決める。
やば、今ちょっとうれしみが声に入っちゃったかも。
「君は、、、」
彼は顔をあげる。
そこには、嬉しそうな顔があった。
「ふふ、そんなに嬉しいの?」
「え?」
「普通に嬉しそうじゃん」
「別に、そんなことないですって。」
恥ずかしさから、相手が嬉しそうだということばっかり話してしまう。私も私でそんな表情をしているんだろうけど。
「そういうことにしといてあげるー」
彼の横を笑いながら通り過ぎる。うりゃ、と言いながら僕の肩をぐうで叩く。
「痛いんですけど?」
「力込めたんですけど?」
ちょっと意地悪な感じで笑った。
すると、
「なんか距離感近くないですか?」
やっばどうしよ、あやの顔を思い出す。あいつ、距離感近い感じを出したら男は落ちる、とか言ってたけど今の変だったの?目をそらしながら、え、えとー、、、
「そうかなあ?」
そう誤魔化しておく。
「なんかこの間睨まれたし。」
「そうだったかなあ?」
「いやそうでしたよ!」
「そっかーそれはー、なんかごめんねー、けど目つき悪いだけだから。」
「ど、どんまい。」
「おう。」
「おう、」
深く頷きあう。
もっと話したいことがあるのに、一緒にいたいのに。
やばい、言葉が出てこない。
えっと、、、なんか言葉を探せ、、、
「また、火曜日にね、」
誤解されないように目をそらしながら、髪をかきあげつつ、そう言った。
「なんか照れてる?」
「は?何言ってるの?」
「は、恥ずかしいわけないじゃん、そんな要素どこにあったんですかー?」
「また会おうって言ったとこ?」
「別にすれ違うだけだし!」
「ほーん」
「ほーん、じゃない!もう、じゃあね!」
「あ、、、」
背中に背負ったリュックを背負い直して口を曲げて軽く走りだす。
彼に声が聞こえないくらいまで走って、
「また、来週な!」
二人の目線からかけたらなーって思ってます。
なんかそのうち非現実的なこと起こる予定があるかも(語彙力崩壊)
はい。