決してわざとではないがこんな終わりかたも悪くないかもしれない
決してわざとではない。でもほんの少しだけ意地悪な気持ちがあったかもしれない。想像してみて、婚約者が他の女とイチャイチャしてたら、、ね。好きとか嫌いとかじゃなくて自分のプライドの問題ですけれど。でも、キャロルさんだってここから落ちてもピンピンしてるじゃないの。全然大丈夫だわ。キャロルさんって華奢に見えて意外に丈夫なのね。まぁ結果的に突き落とした形になってしまった私が言うのもなんだけど。だってキャロルさんが急に飛び出してきて避けられなかったのよ。どちらかというとキャロルさんのほうが加害者ではないの?まぁ反省はしているわ。言えばいいのね。ごめんなさい反省しているわ。許してくださる?信用できない?そうなの、、、分かったわ。それじゃ皆様ごきげんよう。
どこに行くって?いや、婚約破棄で国外追放って流れでしょ?とりあえず一旦家に帰らせてくださる?一応女性なんだから準備が必要なのよ。だめなの?でもこれだけは譲れないわ。ねぇ、同じ女性のキャロルさんならわかってくれるでしょ?きゃ!ちょっと、近づくなってひどいわね!元婚約者に失礼だとは思わないの?それに元婚約者なのだしフローネなんて呼び捨てにしないでくださる?もぉ、何もしないわよ。じゃぁそこのムキムキ!あなた付いてきなさい。そこのメガネでもいいけど。さぁ行くわよ。あら二人とも付いてきてきてくださるのね。・・・見張るためって、まぁいいですわ。
ちょっとここで待っていてくださる。なんですって!女性の部屋に勝手に上がり込むなんてどんな教育受けているのでしょうね。わたくし?わたくしはきちんと淑女の教育を受けてますわ。え?いじめ?そんなことしたことはありませんわよ。普通婚約者に色目使われたら一言言うくらいなんでもなくて?そういえばムキムキさん、あ、そうそうアルフレッド様でしたっけ?ごめんなさいね。わたくし興味のないことはすぐに忘れてしまうのですよ。ほぉ王国騎士団第3部隊の副団長を勤めていると。それはそれはすごいですね。まぁどうせ忘れてしまうのでしょうけれど。そういえばアルフレッド様にも婚約者の方がいらっしゃいましたわよね?なんと!婚約破棄されたと。原因はなんですの?アルフレッド様に真実の愛が?馬鹿ですわね。真実の愛なんてどこに落ちていたというのですか?それでその相手とは?これまたキャロルさんとは、、、やっぱり馬鹿ですわね。真実の愛で結ばれていたはずのキャロルさんはさっき第2王子のイルート様の隣で奇跡の愛に目覚めていたではありませんか。これだから脳筋は、、、、。失礼、今のは気になさらず。こんなものかしらね。は?当たり前じゃない。こんなピカピカなドレス持っていってもどこで着るのよ。メガネ!ほんと何もわかってないわぁ。これからどうせ平民扱いなんだし口調もこんなんでいくから。え?メガネじゃなくてカイン?あぁそうそう宰相の息子だったわ。あなたもこないだ婚約破棄してたわね。浮気?最後の愛?ちなみに相手は?ブーーーー!キャロルさんなの!?そろいもそろって馬鹿じゃないの?
聞いてられない!さっさと行くわよ。とにかく国境までは送ってくれるんでしょうね。こんな、か弱い女性を歩かせるわけないわよね?
さすが公爵家の馬車ね!ありがとうカイン。なんで赤くなってるのよ。あなた顔に似合わずシャイなのね。そこを漬け込まれたって感じ?ムキム、じゃなかったアルフレッドは馬で並走してるのね。さすが王国騎士団副団長。なかなか様になってるじゃない。何?カインも馬に乗れるって?何張り合ってんのよ。私だって乗れるわよ。貴族の嗜みとして当然でしょ。きゃっ!何??なんで馬車がこんなところで停まったの??カイン!ちょっとどさくさに紛れて抱きつかないでくれない!あなた、、、怖いって、、、 シャイでビビり、、、次期宰相大丈夫?とりあえずここでおとなしくしてなさい。私が合図するまで絶対に外に出ないで。わかったわね。ったく。
アルフレッドなにがあったの?そう、ただの山賊。はい?なんで馬車に戻らなきゃいけないのよ。なんのために出てきたかわからないじゃない。それよりアルフレッドちょっとどいて。聞こえないの?どきなさい!そうそう最初から素直に聞けば可愛いげもあるのに。最近運動不足だったからちょうどいいわ。これ借りるわね。はっ!!はっ!!はっ!!
なんかあっけなかったわ。アルフレッドこれありがとう。ちゃんと手入れしてあっていい剣ね!なに赤くなってるのよ。ギャップ?キャロルさんのギャップであなたも、、、チョロいわね。まぁ剣術は得意なの。お父様の教えね。知らなかった?侯爵で騎士団団長が父よ。そんなに驚くことかしら?そんなことよりここはどの辺り?嘘をつかずに正直にいいなさい。じゃなきゃこのナイフで、、。いい子ね。危うく殺しちゃうところだったじゃない。これ?護身用なの。か弱い女性は自分で身をまもれないからって父がくれたのよ。それでどこへ向かっているわけ?ラドクリフ?誰それ?あぁ知ってるわよ。第1王子のラドルフ様ね?えっ?ラドクリフ?似たようなものじゃない。で、そのラドクリフ様が何の用?まぁとりあえずそこに連れていって。
お父様!どうしてここへ?婚約破棄からの国外追放だと思ってましたわ。ではお父様がわたくしを?そうなのですね。ではお父様とずっと一緒にいられるのね。嬉しい!チュッ!!アルフレッドとカインが赤いのは通常運転ですわ。お父様気にしないで。で、そちらにいらっしゃるのがラ、ラ、ラル、、分かってますわ!!ラドクリフ王子ですわね。でもどうして?はぁイルート王子とキャロルさんがね。馬鹿だ馬鹿とは思ってましたけど、そこまでとは。もうこんな国捨ててしまえばよろしいのでは?えぇ、ですが、、、はい、お父様の民を一番に思う気持ちに感動いたしました。わかりました、協力いたしますわ。
お父様はそちらをお願いします!わたくしはこちらへ!アルフレッドも来なさい!ちょっと邪魔よ!カインは戻りなさい!アルフレッド行くわよ!!
なんだかあっけなかったですわね。こんな弱さで下剋上を選ぶなんてイルート王子は馬鹿な事を考えるのね。まぁキャロルさんの入れ知恵でしょうけれど。キャロルさんは隣の帝国のスパイだったのでしょ?アルフレッドもカインも危なかったわね。笑えるけれど。
あ!危ない!間に合わないわ!!えっ!?ラドクリフ王子!!ありがとうございます。助かりましたわ。
これからどうしましょうか お父様とずっと一緒にいるのも魅力的ですけれど、、。えっ?アルフレッドなんですって?あなたみたいなギャップにやられるチョロい人はお断りね。カイン?あぁシャイでビビりは対象外よ。
だってすでにわたくしはラドクリフ様のプロポーズを受けてしまっていますもの。
「絶対に君を幸せにする。結婚してくれ。」
「はい。喜んで!」
決してわざとではないがこんな終わりかたも悪くないかもしれない。