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『0th Story Stand by』

 ―【Stand by】―


 俺がたまに思うことは――世界にはなぜ、真実がないのだろうか?

 その一点につきる。

 

 まず、【真実】について思考しよう。

 

 それは他人によって千変万化する、人の主観の瑣末に過ぎない。

 ……そうではない、そうではないのだよ。

 

 俺が望むのは、たった一つ。

 事の仔細なのではない。わたしが求める真実とは即ち――


 その【裏側】なのだよ。

 

 なぜその事態が起こりえたのか?

 なぜその事態に転じてしまったのか?

 なぜその事象における、当事者たちの心境は?

 それがどう転じたのか?

 

 故に、私の望む事象など、やはり自己満足に過ぎぬ、瑣末な事象なのかも知れぬ。

 

 だが、俺は知りたいのだ。

 紅蓮の賢者は得たいのだ――

 

 かの蝶の天使の、真の姿を――

 見目麗しき、彼女の素顔を――

 

 

 ゆえに俺にとって、かの三人など、どうでもいい駒に過ぎない。

 

 たかが教会の廻し犬。

 片腕の元将軍と、そのガキども。

 ただ魔族を従えたと言うだけの、単なる勇者。

 

 奴らがどれだけ矮小で、どれだけ強大であろうと、

 彼女の前では、瑣末、瑣末。

 

 さて、我が真実を見届けるために――その駒たちの真実を、

 まずは並べよう。

 

 何故あのような事件へと転じたか。

 あのような事故――

 

 この事象は後に、歴史に埋もれる瑣末な事件として扱われる。

 

 怪奇館虐殺事件――何ともネームセンスのない、率直な事件である。

 だが、俺はあえてこう言おう。

 

 これは、彼女の仕業(・・・・・)ではない。

 

 奴の名は――【血蓮公爵(クリムゾン)】。

 

 

 ザックス・バーンフレア

 


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