第八話 綺麗な拳
黒い影が攻撃してきたが、俺は軽く受け止めた!
黒い影が驚いた様に距離を取る!
その時、俺の拳が光り始めた!
【騎士】「いける!!」
黒い影がさらに距離を取るが、俺は瞬時にその距離を詰める!
今まで一度も放った事の無い拳が黒い影を貫いた!
黒い影は叫び声を上げながら消えていった・・・・・
【騎士】「やった・・・俺はやったんだ!プリンの仇を取ったぞ!!」
嬉しさの後に悲しみが襲ってきた・・・・走馬灯の様にプリンとの思い出が、俺の頭を駆け巡る!
【騎士】「プリン!!!」
俺は空に向かって叫んだ後助けた女の子の事を思い出し、後ろを振り返った・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺の見た先に信じられない物が、目に飛び込んで来た!
先程助けた女の子のすぐ横に制服を着た女子が立っている!
【騎士】「プリン!!!!」
俺は思わず叫んだ!
プリンは女の子と一緒に俺の方を向き目を潤ませながら立っていた・・・
俺は涙が出るのを堪えながらプリンの元に歩いていった・・・・
【女の子】「おにいちゃん!ありがとー!スッゴくカッコよかったよ!」
【騎士】「・・・・・・・」
【プリン】「・・・・・・」
駄目だ!何んて声を掛けたらいいのかさっぱり分からない・・・・
プリンは潤んだ目でこっちを見ている・・・
覚悟を決め!俺は口を開いた!
【騎士】「あわわわわ・・・」
【プリン】「・・・・・・」
【騎士】「あわわわわわ!」
【プリン】「・・・何よ!」
次の瞬間俺は大声で叫んだ!
【騎士】「お化けだ!!!」
【プリン】「はぁ?」
【騎士】「プリンのお化けが出た!!」
【プリン】「ちょっと!騎士・・・」
【騎士】「今までの事はごめんなさい!!謝るから安らかに成仏して下さい!!!!」
【プリン】「ちょっと!騎士いい加減に!」
プリンの顔が次第にこわばっていく!
俺は今度はプリンに指を指しながら
【騎士】「はははははぁー!!!!残念だったな!俺を呪おうとしたんだろうがそうはいかない!
俺には霊能力が有るのだ!!
邪なる力よ退け!アビラウンケンソアカ!・・・かぁ~つ!!!!」
プリンは下を向いて震えている。
【プリン】「あんた!いい加減に・・・」
【騎士】「ようし!ついに現れたな!悪霊め!正義の力受けてみろ!」
俺はプリンの頭に自分の手を乗せようとするとプリンがその手を受け止め、凄まじい力で握ってきた!
【騎士】「悪霊め!まだ性懲りもなく・・・いた!痛い!ちょっと・・ホントに痛いんですけど・・・あの?聞いてます?プリン!プリンさん?」
【プリン】「なぁいぃとぉの・・・」
【騎士】「・・・・・・・」
【プリン】「バカぁぁぁ!」
【騎士】「ひでびゃあ~!」
プリンの拳が俺の顔面にめり込む!
俺は大空を飛び、地面に倒れ込んだ!
【プリン】「騎士のバカ!もう知らない!」
プリンが怒って女の子の手を引いて行ってしまう・・・・
俺は掠れる意識の中、今日初めてのお花畑を見ていた・・・・
〈次回予告〉
【プリン】「ふざけて接してきた騎士に私は思いきりぶん殴ってしまった・・・
しばらくして騎士が公園から出て来るといつもと様子が違う事に気付く。
あ~もう、じれったいわね!何なのよ!。
次回セカンドワールド(第九話励まし)。
私が守るのはあんただけよ!」