第四十四話 絶対絶望
マシリが脇腹を抑えながら苦しんでいる!
(やったね!姉さん!)
【みっちゃん】「ありがと!浩介のお陰よ!」
(やめてよ!姉さん・・・)
【マシリ】「なんちゃって」
【プリン】「また!」
ブシュルルル・・・
マシリの傷口が無数の蛇のように蠢く!
みるみるうちに傷口は完全に治ってしまった!
【みっちゃん】「何度でも治せるのね・・」
【マシリ】「ううう・・・」
マシリの様子がおかしい!
【プリン】「どうしたの?マシリ」
【浩介】「わからないが、まるで大津波が来る前の浜辺に立っている心境だ・・」
【マシリ】「く!!まだ!俺はやれる・・・」
【みっちゃん】「何を言ってるの?」
【マシリ】「くそ!俺が俺でなくなってしまう!!」
【プリン】「俺が俺でなくなる?」
【みっちゃん】「ちょっと!マシリ!」
ギシャアアアアン!!!
凄い閃光にマシリが包まれた!
【マシリ】「グハアアア!」
【みっちゃん】「一体何が起こったの?」
【マシリ】「・・・・・・」
【プリン】「あら、どうしたのかしら?
体が震える・・・」
【浩介】「僕の体も震えが止まらない!」
【みっちゃん】「何なの?この凄まじい闘気は・・・」
【マシリ】「ふふふふ・・」
【みっちゃん】「マシリ?」
ガゴオン!!!!
【みっちゃん】「ぐえ!!」
ドサ・・・・・
マシリの攻撃でみっちゃんが地面に倒れこんだ!
【プリン】「みっちゃん!」
(姉さん!応答して!姉さん!)
【浩介】「駄目だ・・たった一撃で姉さんがやられてしまった・・・・」
【プリン】「まさか・・あんなに強い人が・・・」
【マシリ】「ふははははっ!!!」
マシリが大声で笑い出した!
【マシリ】「マシリのヘタレ野郎!人間などに手こずりやがって!」
【プリン】「何を言ってるの?あいつ・・」
【マシリ】「まっ!ここからは俺に任せな!
このグレイ四天王第二の使者、キース様にな!」
【プリン】「!!!!!!」
【浩介】「!!!!!!」
【海上】「もう、逃げたい・・」
【みっちゃん】「くっ!」
【キース】「おや?」
キースがみっちゃんを見ている・・・
【キース】「本当にマシリの野郎、こんな奴に苦戦してたのかよ?」
【みっちゃん】「・・みんな・・・にげて・・」
グシャグシャ!!
【キース】「弱い!弱すぎるぜえ~!」
グシャグシャグシャグシャ!
【浩介】「やめろ~!!!」
キースの足元が血の海になっていく・・・・
【プリン】「あ・・・あ・」
あのプリンが恐怖で動けなくなっている!
【浩介】「やめてくれええ・・・」
【キース】「なんだ!つまんねえの!」
ガス!!
ゴロゴロゴロ・・・
ボロボロになったみっちゃんが浩介さんの前まで転がってきた!
【浩介】「姉さん!!!」
【プリン】「みっちゃん!」
みっちゃんの身体はズタズタに引き裂かれていて生きてるのが不思議なくらいだった・・・
【みっちゃん】「う・・・こうすけ・・・・」
【浩介】「姉さん!!!」
【みっちゃん】「不甲斐ない姉さんで・・・ごめんね・・・・」
【浩介】「何言ってんだよ!俺には最高の姉さんさ!」
【みっちゃん】「こうすけ・・」
【こうすけ】「なんだい!姉さん!」
【みっちゃん】「私本当は・・あなたの事・・捨てようとしていたの・・・」
【浩介】「!!!!!」
【みっちゃん】「人斬りの私が子供を育てるなんて出来る訳ないと、思っていたの・・・・」
【浩介】「姉さん・・」
【みっちゃん】「でも、捨てなくて心から良かったと今では思っているわ・・・」
【浩介】「・・・・・・・」
【みっちゃん】「楽しかったな・・・
浩介と一緒に遊園地行ったり、春葉で買い物したり・・・
あなたは、人斬りの私に普通の女でいさせてくれた・・」
【浩介】「・・・・・・」
【みっちゃん】「浩介・・」
【浩介】「なんだい?姉さん!」
【みっちゃん】「私、浩介の事好きだったかも・・・」
【浩介】「!!!!!!」
【プリン】「みっちゃん
・・・・」
【みっちゃん】「あ・・目が霞んできた・・」
【浩介】「姉さん!駄目だ!死ぬなよお!!」
【みっちゃん】「・・お父さん・・私・・お父さんの約束守れたかな?」
ガクッ!
【浩介】「ねえええさあああん!!!!!!」
浩介さんは泣きながらみっちゃんを抱き締めている・・・
【プリン】「そんな・・みっちゃん・・・」
ドスッ!ドスッ!ドスッ!
キースが浩介さん達に近づいていく!
【キース】「悲しむなよ~!次はお前らの番なんだからよ!」
キッ!!
浩介さんが、キースを睨み付けた!
【キース】「あ?なんだその目は!気に入らねえな!」
グゴッ!!!
【浩介】「がっ!・あ・あ」
ドサッ!
浩介さんもキースに蹴られ地面に倒れた!
【キース】「おほ?」
【プリン】「ひっ!!」
【キース】「こんな所に可愛い女の子が要るじゃねえの?」
キースはプリンの頬に爪を当てながら下げていく・・
【プリン】「いや・・・」
【キース】「良いねえ!恐怖に引きつった表情!たまんねえな!」
バキッ!
【キース】「あん?」
海上がキースを木材で殴った
!
【海上】「プリンさんに!手を出す輩は僕が許さない!
貴様を成敗してくれる! 」
【プリン】「・・海上君!」
バゴオオ!!
【海上】「ぐあああ!!」
ドサッ・・・
【プリン】「海上君!!」
【キース】「なんだ?このゴミは?」
キースはまたプリンを壁に押し当て顔をプリンに近づける!
【キース】「ん~、いい臭いだ!」
【プリン】「やっ!やめて!」
【キース】「お遊びはこれくらいにして、そろそろ頂くか!」
【プリン】「う・・うう・」
【キース】「いただきま~す!」
【プリン】「キャー!!!」
ガシーン!!!
【キース】「あが・・・あががが・・」
大きく開けた口の中に短剣が突き刺さった!
【プリン】「え?・・何が起きたの?」
ズボッ!
キースが口に刺さった短剣を抜いた!
【キース】「くそ!!何処のどいつだ!」
【プリン】「あ!!・・あ・・あ・」
【キース】「ん?なんだ?」
【プリン】「騎士!!」
【騎士】「プリン!無事か?」
【プリン】「うん!私は大丈夫だよ!」
【キース】「なんだ?貴様は!!」
俺は周囲を見回した!
【騎士】「海上・・・」
【騎士】「浩介さん・・」
【騎士】「!!!!くそ!みっちゃん・・・・」
その時キースが俺を襲ってきた!
【キース】「ひゃははは!死ねえ~!」
ブンッ!!
【キース】「あれ?どこ行きやがった?」
【プリン】「騎士・・・」
【騎士】「プリン・・・」
俺はあの一瞬でプリンの目の前まで移動していた!
プリンが力強く俺の目を見て頷く!
俺もプリンに頷いた後、キースの方を向いた!
【騎士】「どこを探してるんだ!俺はこっちだぜ!」
【キース】「はっ!いつの間にあんな所まで・・・」
キースが俺の前にやって来た!
ヒュウー・・・・・・・
俺達は向き合ったまま動かない!
【キース】「さっきは、つまんなかったからな!」
【騎士】「?」
【キース】「みんな、手応えが無くてな~!」
【騎士】「・・・・・・・」
【キース】「あいつの頭を潰した時は面白かったけどな!」
【騎士】「何だと?」
【キース】「あの女剣士・・・・グシャってよ!
笑えるだろ?なあ?」
【騎士】「てめえ・・・みっちゃんの事を言ってんのかよ・・・」
【キース】「はあ?」
【騎士】「聞いてんだろうが!!答えろ!!てめえ!!」
ビリビリビリ・・・・・
【プリン】「大地が震えてる・・・・」
【キース】「あ・・ああ、そうだったかな・・・」
キースはたじたじになっている!
【騎士】「貴様を駆除してやる!!」
(セキュリティーモード発動!)
スマホから機械音声が聞こえた!
(マックスパワー!)
【プリン】「マックスパワー?」
俺のいつものセキュリティーモードの姿にプラスして身体中に青い稲妻みたいなものが、ほとばしっている!
【キース】「何なんだ・・・お前?」
【騎士】「俺か?俺はな、貴様を駆除する者だ!!」