第三話 不思議なメール
さあ今日も一日が終わった!
部活に勤しむ姿も見られるが俺は、帰宅部なので関係ないのだ。
意気揚々と校門を出ると、プリンが待っていた。
【プリン】「帰宅部さん一緒に帰りましょ」
イヤミ全開で話し掛けて来た。
【騎士】「何で毎日お前と帰らなければいけないのだ!俺にだって都合というものが!」
【プリン】「無いでしょ」
プリンが勝ち誇った顔でそう言った。
確かに俺には都合が無い!
しぶしぶ、プリンと帰る事にした・・
【プリン】「じゃ、また明日ね!」
プリンが俺の隣の家に入って行く。
そう、プリンは隣の家に住んでいる。
まるでどこかのギャルゲーであるような設定のようだ。
プリンがもっとお淑やかな女の子だったらその先の展開もあったかもしれないが、現実は残酷だ!
何かが頭に直撃した・・・
見ると鉄アレイの様だ。
隣の家の二階の窓からプリンが睨み付けている。
殺す気か!!!!!
【プリン】「全部声に出てるんですけど!」
プリンがもう1つ鉄アレイを投げつけようと振りかぶっている。
俺は、逃げるように家に入った。
【騎士】「ただいまー」
声が無い、おかしい。
いつもだったら母さんが笑顔でお帰りなさいと、言ってくれるのに。
【騎士】「母さん、居ないの?」
リビングに行っても母さんの姿が無い。
いつもだったらとっくに仕事から帰ってきているはずなのだが。
俺は、おかしいと思いながらも、二階の自分の部屋に向かった。
部屋に入るとすぐにスマホのアプリを起動する。
今日は狙っていたゲームの発売日だからだ。
【騎士】「さて、まだあるかな・・あった!まだ売り切れてない!」
確定して注文ボタンを押すとすぐにゲームが現れた。
【騎士】「明日は、休みだから今日は、徹夜でやりまくるぞ!」
と言ってゲームを始めようとしたらスマホにメールが入って来た。
メールの内容を確認する。
今日11日午後8時31分にバスが暴走し、中野川に転覆します。
お気お付けください。
なんだ?この変なメールは、多分イタズラだろう。
俺は、変なメールを無視してゲームに夢中になっていた。
どれくらいゲームをやっただろう・・
【母さん】「ただいま~騎士!お遅くなってゴメンね」
玄関から母さんの声が聞こえた。
帰って来た様だ!
俺は、足早に階段を降り玄関に向かった・・
【騎士】「母さん遅かったね!」
あくまでも怒ったりしない、母さんは俺の為に必死に働いて帰って来てるのだから・・怒ったりしたらバチが当たる!
【母さん】「ゴメンね!いつも来る筈のバスが今日だけ来なかったのよ・・・」
【騎士】「そうだったんだ・・大変だったね!」
おかしい・・何がおかしいのかと言うと、この世界はすべてコンピューターで管理されている。
交通機関だってそうだ。
今まで一度もバスが遅れた事など無かったのに・・・おかしい。
【母さん】「本当にゴメンね!今ご飯作るから」
母さんがエプロンをしながらキッチンに向かう。
俺は、母さんを引き留めて、
【騎士】「いいよ!デリバリーにしよう!」
と言ったら、母さんも笑顔で
【母さん】「いいわね!そうしましょ~」
ノリノリだ・・・少しカワイイ
【母さん】「じゃあ何食べたい?」
母さんが踊りながら聞いてきた。
俺もノリながら、
【騎士】「カツ丼カレー!!」
【母さん】「騎士それ好きよね~」
【母さん】「じゃあ私もカツ丼カレーにしよ!」
母さんがいつも通りスマホでカツ丼カレーを注文するとテーブルの上に転送されてきた。
カツ丼カレーを見て母さんは、困惑した顔で、
【母さん】「あら、福神漬けが付いてないわ・・
いつも付いてる筈なのにおかしいわね」
俺は、
【騎士】「今日だけ付け忘れたんだよ、きっと」
と言って母さんを少しでも安心させようとした。
そんなこんなで食事が終わり俺は、自分の部屋に戻りベッドに入り今日色々起こったおかしい事を考えながら眠りに着いた・・・・・
今日もけたたましく目覚ましベルが鳴る・・・
時計を見るとまだ7時前だ。
今日は遅刻をしないですみそうだ。
俺はノソノソと制服に着替えると、部屋のドアを開けて階段を下りた・・
リビングに行くと母さんが少し驚いた様子でこっちを見ていた。
【母さん】「騎士ずいぶん早いわね!どこか体の調子でも悪いの?」
【騎士】「あのねえ俺だって早く起きる時はあるよ」
【母さん】「そうだったわね!ごめんなさい・・」
母さんは、あたふたしながら答えた。
まずいぞ!母さんを悲しませちゃいけない!
俺はとっさに、
【騎士】「母さん俺新聞取ってくるよ!」
と言って玄関へ向かった。
サンダルを履き玄関のドアを開けた。
外に出ると鳥のさえずりが聞こえ清々しい・・・・
おっとこうしてる場合じゃない!
新聞を取りに来たんだった。
ポストを開け新聞を取り見てみる。
昨日午後8時31分にバスが中野川に転覆・・・・ふーん・・・ん!!!
俺は、とっさにスマホを出して昨日届いたメールを見た!
8時31分・・・バスが転覆・・・中野川・・・・・・全く同じだ!
メールの送信時刻は、午後5時20分まだこの事故は起きていない!
何でこのメールの送り主は、事故が起こる事が分かったんだ!!!
〈次回予告〉
【騎士】「昨日のメールの事で考え込んでた俺は、プリンにまた無理矢理屋上に連れていかれてしまった!その時また変なメールが届き、そのメールをプリンに見られてしまう。
次回セカンドワールド(第四話プリンの誘い)俺が守るのはお前だけだ!」