急走、『忘却の谷』へ
少しのしこりを抱いたままギルドへ帰ろうと歩く俺に、一つのメッセージが届いた。
「ガヤっていえば、【イーストウッド】の副ギルドマスターじゃねえか」
えらく珍しいな。数回挨拶しただけの俺にメッセージを送るなんて。まあ取り敢えず、見るとするか。
そんな軽い気持ちで見たことを、そう遠くないうちに後悔することになる。
『ギルドマスターが突然起き上がったかと思ったら、次は白い霧を噴き出しながら『忘却の谷』に走って行きました。私達は追いかけている途中です。良ければ助けてください』
おいおい、マジで?
「どうなった!?」
「カナさん!」
メッセージに返信を返した俺は、すぐさま『忘却の谷』へ向かった。あれだけわいていたモンスターの姿もなく、直ぐにボス部屋にたどり着くことが出来た。そこには、ガヤを含めた三人のプレイヤーが立っていた。
「ギルドマスターはこの扉の奥に」
「三人はここで待ってろ!あと、何があってもあとで文句は言うな!」
それだけ言うと、俺は扉の中へ飛び込んで行く。
『よく来たな。哀れな子狼よ』
中には、全身から白い霧を噴き出したミレッシェが立っていた。
「どういうことだ」
『見ての通りだ。負けたこいつの記憶を奪い、そのあと体も奪った。ただそれだけのことだ』
なるほど、そういうことか。
「なら、お前を倒したら、ミレッシェはどうなる?」
『簡単なことだ。死ぬ』
あー、こりゃ【イーストウッド】に恨まれそうだな。だが、プレイヤーに憑依しているってことは、街の中にはいることができるということ。それはつまり、あいつらに被害が及ぶかもしれいないということだ。【イーストウッド】にゃ悪いが、ミレッシェには死んでもらう。
「【ダッシュ】」
小手調べとして、【ダッシュ】でミレッシェに肉迫した。




