入会
「さて、説明してくれるよな?」
「ん」
PvPから数分後、息を整え終わったアイナは俺と対峙していた。武装を解除し、アイナは俺の問いに短く頷く。
「このゲームに閉じ込められた時、私は一人の女性と行動していた。女性の名前はレイナ。私の姉。当時のレベルは8だった。ある日、いつものようにレベリングをしていた時、一人のPKに襲われた。PKのレベルは12だった。襲われた恐怖から私は腰を抜かし、動くことができなくなった。そんな私を見てレイナは私の代わりに懸命にPKと戦った。私の職業は影使い。通常の職業よりも強力なユニーク職業を持つ私が戦わなければならなかったのに。 圧倒的なレベル差がありながらも、PKとレイナは互角だった。そして、刺し違えに胸を貫き合って、砕け散ってしまった」
アイナは基本的にエミリア以上に無表情であり、その表情の裏にどんな感情があるのか俺にはわからなかったが、固く握り締められている拳をみれば、容易く理解できた。
「私は知りたい。こんな犠牲者を出しながらもこのゲームを続ける意味を。そして、このゲームの先にあるものを。私は知りたい。本当に姉は死んでしまったのかを。私一人では50が限界だった。レッドプレイヤーになりながらも仲間を守った貴方のギルドに入りたい。このゲームから出るために。だから、お願いします」
そこまで話し終え、アイナは深く深く頭を下げた。ここまでされて断れる奴がいたら見て見たいね、全くよ。
「本気で攻略を目指す奴なら大歓迎だ。こちらこそよろしく」
「ん、よろしくお願いします」
互いに手を出し、握手を交わす。本登録はギルドにいってからだが、【死神の気まぐれ】に新たな仲間が入会した。
「と言うわけで、アイナが新たに仲間になった」
ギルドに帰還した俺は、ギルドメンバー全員に集まるように連絡したが、集まったのはエミリアとカヤだけだった。どうやら他の皆はレベル上げに行っているらしい。まあ、仕方が無いか。
「よろしくお願いします」
説明し終えた後、アイナは頭を下げた。
「うん、それいいんだけど、にぃにのそばには女性しかいないね」
「ええ、全くです」
俺はただ本気で攻略を目指す奴を集めているだけなんだが、なんで呆れた目で見られるんだ?
なんだかな。




