ミノタウロス戦 I
「遅い!」
飛びかかるポイズンフロッグを【大太刀:血吸いの禍太刀】で両断する。ポイズンフロッグはそのままポリゴン片となって砕け散った。
ウロスと久々に話した翌日。俺は一人で【鍵重なる沼】へ来ていた。理由はただ嫌な予感がしたためだ。
目の前のモンスターを切り捨ててから立ち止まる。
「やけにモンスターが多いな」
通常ならば切っても切ってもモンスターが途切れないということにはならないはずなのだが、今日は違った。どれだけ倒してもモンスターが途切れることはなく、鬱陶しいくらいにPOPしていた。
どういうことだ?何かこの先にあるのか?それともただ今日がたまたまモンスターのPOP数が多いだけか?
「どちらにせよ、進んでみればわかることか」
俺は【大太刀:血吸いの禍太刀】から【双剣:湖竜刀水桜】に持ち替え、駆け出す。途切れる間もなくPOPし続けるモンスターを倒しながら進むことおよそ十分。異質な雰囲気を醸し出す扉の前へ辿り着いた。
「【鍵重なる沼】のボスは二体いるっていう話は本当だったか」
さて、目の前にどう見てもボス部屋としか見えない扉があるんだが、このまま帰るか、開けるかの二択。
「考えるまでもないか」
扉に手を当てて押し開ける。重厚な鉄の扉は驚くほどに軽く開いた。
「ヴォォォォォォォォォ!!」
「ミノタウロスか」
部屋の中に立っていたのは巨大な斧を持ったミノタウロスだった。LVは40、HPゲージは四本。
「最初っから飛ばすぞ!【獣化】ウォァァァァァ!!」
【双剣:湖竜刀水桜】を持ったまま【獣化】し、ミノタウロスへ突っ込む。【獣化】した俺とミノタウロスの身長はほぼ同じ、いや、ミノタウロスのほうが少しデカイ。
「ヴォォォォォォォォォッ!」
「オォォォォォォォォッ!」
ミノタウロスは巨大な斧を持ち上げ、俺に振り下ろす。俺は斧に合わせて【二連撃】を放つ。斧と双剣がぶつかり合い、互いに弾かれた。何つー馬鹿力だこいつ!スキルありで弾かれるとかっ!
「ありえねぇだろ!【虎蹴】!」
「ヴォォゥ」
だが、スキルを使っている分こっちの方が立ち直すのは早い。体制を崩したミノタウロスの腹に【蹴り】スキルを叩き込む。が、ミノタウロスは怯むだけだった。HPゲージじゃ三割削れてるんだが、あまり効いてないか。
「ヴォォォォォォォォォォォ!【ぶん回し】!」
「いや、待てって!!」
スキルでないと弾けない巨大な斧を縦横無尽に振り回す。食らったらひとたまりもないため、後ろへ【ジャンプ】して避ける。
「こいつには武器ない方がいいな」
そう判断した俺は【双剣:湖竜刀水桜】を手放し、素手でミノタウロスへ突っ込んだ。




