決意、そして攻略へ
エミリアと恋人同士になった翌日。俺はギルドメンバー全員を会議室に集めていた。皆俺とエミリアが昨日なにがあったかわかっているようで、生暖かい目で俺とエミリアを見ていた。正直いたたまれないな。
「皆に集まって貰ったのは他でもない。俺達【死神の気まぐれ】は、本格的に攻略に乗り出すことにした。勝手に決めてすまないが、皆は、ついて来てくれるか?」
少しの不安を乗せた俺の言葉に、ギルドメンバー全員が立ち上がった。
「当たり前だよ、にぃに」
「ええ。例え地獄の果てまでもついてゆきます」
初めに副ギルドマスターとギルドマスター補佐が微笑んで答え、
「そうだね。今まで誰が僕達を引っ張ってきてくれたと思っているの?カナさんじゃないか」
「つ、ついて行きます!」
次にリナとホルンが胸を張って答え、
「そうですよ。どこまでも、どこまでもついて行きます」
「当たり前すぎてどこから突っ込んでいいかわからないよ」
フロートとエミルが呆れながら答え、
「心配しなくてもついていくって」
「やっと決心してくれたか。待ってたよ」
エレスとネリムが腕を組みながら答え、
「私達も早く帰りたいですし」
「ええ」
ファルとヒカリが目を瞑りながら答え、
「ここに入らせてくれた恩もあるしね」
「可愛いは正義だし」
ファミリアとエミーが笑いながら答え、
「が、頑張ります!」
「わ、私も」
ミリーとエリゼがはっきりとした口調で答え。そして、ギルドメンバー全員が答えてくれた。死の危険があると言うのに、対して迷う時間もなく、ついて行くといってくれた。
「にぃに、それはにぃにの今までの行動の結果だよ。にぃにが私達を引っ張ってきてくれたから、皆はついて行くって言ったの」
俺の今までの行動の結果、か。無我夢中でやってきた結果がこれなら、そうであって欲しいな。
「皆、ありがとう」
俺は皆に向かって頭を下げる。カヤ達は照れながら笑っていた。頭を上げ、俺は声を張り上げる。
「攻略に乗り出すのは明日から!各自準備に取り掛かり、万全の状態で攻略できるようにすること!それじゃ、解散!」
俺の言葉に各々返事を返し、会議室から出て行った。そして、会議室に残ったのは俺とエミリアだけだった。
「お疲れ様でした、カナさん」
「エミリア、ありがとう」
エミリアが紅茶をいれて俺に差し出す。紅茶は綺麗な琥珀色をしていて、いい香りがしていた。
「はじめは、俺だけが攻略に乗り出そうかと思っていた。皆を危険に晒したくなかったから」
紅茶を両手に持ちながら、俺はエミリアにポツリ、ポツリと語り出す。
「でも、それじゃ今までと一緒だって気づいたんだ。独りよがりだって」
紅茶をすすり、ことばを紡ぐ。
「支えてくれる人がいる、助けてくれる人がいるなら、頼らなきゃなって思ったんだ。答えてくれるかどうかわからなかった。嫌って言われる可能性だってあった。それなのに、答えてくれた。これが、俺の行動から来ているならば、嬉しいよな」
俺の独白を聞いたエミリアは、静かに俺を抱きしめた。
俺はエミリアのぬくもりを、静かに感じていた。




