殺戮
凶報は俺が執務をしている時にやってきた。
普通ならばノックをし、中にいる人が返事をしなければ開かないはずの扉を勢いよく開け、ホルンが息を切らし、部屋の中に飛び込んできた。
「助けて、くださいっ!お願いします!」
「どうした?なにがあった?」
ホルンのただならない雰囲気を感じ取り、椅子から立ち上がる。嫌の予感しかしねえ。
「私達は、『湖の桟橋』でレベル上げをしていたんですが、【蜜の溜まり場】が襲ってきました」
なっ!?
「エミリアさんとカヤさんが引き受けて、私達を逃してくれたんですが………二人はっ!」
泣き崩れるホルンの肩に手を置き、扉を開ける。
「大丈夫だ。安心しろ。それじゃ、いってくる」
不思議と俺は落ち着いていた。いや、怒りや殺意を通り越した、というべきか。ウィンドウを操作し、武装する。
「必ず、殺す」
そうつぶやいた俺は、全速力で『湖の桟橋』へ走った。
「いた」
飛び出すザハギスを蹴散らしながら進むことしばらく。二十三人のレッドプレイヤーがエミリアとカヤを取り囲んでいた。恐らくこれで【蜜の溜まり場】全員だろう。ギルドマスターがなにか話しているようだが、そんなもんは関係ない。
「何やってんだてめぇらぁ!【獣化】!【ウォォァァァァァァァア!!!!!】【ウルフショック】!」
【獣化】して【咆哮】し、【ウルフショック】で一気に吹き飛ばす。【蜜の溜まり場】の約半分がポリゴン片となって砕け散った。
『PK数が十人を超えたことにより、マーカーが赤になります。マーカーが赤に固定されました』
そんなもんは!
「関係ねぇ!【ダブルクラッシュ】!」
残り半分を【ダブルクラッシュ】でポリゴン片と変える。
「ひ、ひぃっ!?」
「逃げんじゃ、ねぇよ」
残った一人が無様な格好で逃げようとする。恐らくこいつがシーナだろう。
「【死神の気まぐれ】に、俺に喧嘩売ったことを後悔して死にやがれ」
【大太刀:血吸いの禍太刀】を抜き、【断裂】でシーナをポリゴン片と変える。
曲がりなりにも一つのギルドが、数分も掛からずにカナによって消滅した。




