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【Skill&Level ONLINE】  作者: 柊 紗那
第六章 機械仕掛けの虹の女神
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殺戮機械

さて、見たところ動きは鈍そうだが、注意は必要だな。【双剣:湖竜刀水桜】を背中から抜き、構える。所々回路や骨格がむき出しになっている身体。途切れた回路から火花が散っている。キャタピラーが擦り切れ、動きが鈍い。殺戮機械(キリングマシン)LV32。HPゲージは一本半か。


「ギロロ」


「っ!」


悪寒を感じ、【双剣:湖竜刀水桜】を振るう。

ぐっ、重っ!


「ふっ!」


振り抜き、何かを弾く。弾かれた何かは、石の天井にぶつかり、食い込んだ。


「円板、ですね」


弾いたのは、錆びた円板だった。石の天井に減り込むっていうことは、錆びてても切れ味がいいってことか。飛び道具か、厄介な。


「エミリア、俺が円板を全て引き受ける。その他の攻撃も全て。エミリアは遠距離から魔法で攻撃してくれ」


「わかりました」


「んじゃ、行くぜ。【ダッシュ】はっ!【ソリッドショット】」


「ギロオ」


殺戮機械に【ダッシュ】で肉迫し、【ソリッドショット】で蹴り飛ばす。HPが三割削れ、ガンッと鈍い音を立てて吹き飛び、壁にぶつかる。


「《アイス・バロック》」


「ギロ」


エミリアが、デカイ氷の塊を殺戮機械にぶつけ、HPを二割削る。殺戮機械の装甲がひしゃげ、右腕が潰れた。


「っと!」


体を捻り、円板を躱しす。が、すぐに弧を描いて戻ってくる。ちっ、戻ってくんのか。躱して駄目なら……


「たたっきる!【抜刀術・居合一閃】ッ!」


納刀状態から抜き放ち、【抜刀術・居合一閃】で真っ二つにする。そのまま【風斬刃】を放つ。


「ギロロ【レーザー・ビーム】」


殺戮機械の【レーザー・ビーム】と【風斬刃】がぶつかり、互いに霧散する。


「っ!……がっ」


いつの間に、円板飛ばしやがった!?しかもご丁寧に背中に当てやがって、腹立つな。


「いてぇ……なっ!」


独楽回転のように回り、流す。円板はそのまま殺戮機械へ向かっていく。


「お返しだ!」


【ジャンプ】で前方に飛び、円板に飛び蹴りをかます。円板を殺戮機械に押し付け、【納刀術・六連斬】を殺戮機械の身体に叩き込む。


「とどめ、頼んだ!」


「はい!《貫け。氷砲弾》」


エミリアは、少しの詠唱を必要とする中級魔法を放つ。《氷よ集え。集まり、凝固し、そして貫け。氷砲弾》というのが本来の詠唱だが、エミリアがとった初期スキル【詠唱短縮】のおかげで、二言発するだけで発動させることができる。


「ギ」


氷の砲弾は、殺戮機械の真ん中を貫き、HPを全損させる。そして、ポリゴン片となって砕け散った。


「ナイス」


「カナさんこそ」


激励し合いながら、消耗したHPとMPを、ポーションで回復させる。


「お、なんか動いたな」


部屋の壁が移動し、下へと続く階段が顔を出した。


「行くか」


「そうですね」


俺は、エミリアと一緒に階段へ向かった。













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