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【Skill&Level ONLINE】  作者: 柊 紗那
第五章 ギルド【死神の気まぐれ】
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ギルドメンバー確保

「会議っていう会議でもないんだが、少し相談がある」


起床し朝食を済ませ、ギルドメンバー全員を会議室に呼び出した俺は、そう切り出した。


「まあ、別にこの人数でもいいんだが、俺は、もう少し増やした方がいいと思う。βテストの時はこの人数でも良かった。だけど、今は状況が違う。時期にPK達がギルドを立ち上げて、行動を起こすだろう。この人数じゃ、恐らく対処出来ない。被害にあってからじゃ、遅いんだ」


「カナさんが一時期犯罪プレイヤーだったこと、ですか?」


「ああそうだ。俺は、その時にPK三人を殺した」


ファルが、俺に問い、俺の答えに全員が息を飲む。掲示板、見てなかったのか?


「いや、別にな?そんなに増やそうとは思ってないんだ。あくまで少数精鋭で行くつもりなんだよ。増えてもせいぜい六〜七人なんだ」


「そうですか。それで、その、六〜七人の中に、カナさん以外の男性って、いますか?」


俺の言葉に全員が安堵する。統合したとはいえ、【妖精の気まぐれ】の形をあまり崩したくないらしい。それは俺も同じだ。

エミリアが、恐る恐る、と言った感じで俺に尋ねる。


「あ、ああ、三人程。といっても、入るかどうかわからないが」


「カナさんは、なぜ私達が女性限定ギルドを、【妖精の気まぐれ】を立ち上げたか……わかりますか?」


エミリアの端正な顔が、悲痛に歪む。


「無理に話さなくても……「にぃに、聞いてあげて。お願い」……あ、ああ」


「私達は、男性恐怖症なんです」


「なっ」


エミリアの告白に、俺は言葉を失った。男性恐怖症。聞いたことならある。だが、エミリアはそんなそぶりすら見せなかった。いや、俺がちゃんと見てなかっただけか。


「普通に、話したりするのは大丈夫なんです。でも、近づき過ぎたり、触られたりすると……体が震えるんです」


辺りを見回すと、カヤ以外の全員が、俯いていた。その顔は青い。


「きっかけは、カヤさんでした。私達は、現実でも知り合いで、βテストが始まってから、集まって一緒に怯えていました。そこに、カヤさんが声をかけてくれたんです。一緒にギルドを組もうって。男性恐怖症の私達を気遣って、女性限定ギルドを作ってくれたんです。男性には、少しづつ慣れて行けばいいとも言ってくれました。そのおかげで、βテストの時に、最大ギルドと言われるようになりました」


へえ、カヤはそんなことをしていたんだな。


「ん?じゃあ、俺と酒場で話し合った時に、エミリアはなんで何もなかったんだ?」


酒場での距離は、かなり近かったが、エミリアの体は震えていなかった。


「そ、それは……あまり、男性ぽくないっていうか、可愛いというか」


そうですか、そうですよね。そうなりますよねどう考えても。ちくしょうorz


「ま、まあ、多分大丈夫だと思うぞ。エミリアも知っている奴らだしな。んじゃ、行ってくるわ」


そう声をかけ、ギルドを出る。広場に出て、ポータルで第二の街へ転移し、酒場の中に入り、席につく。

お茶を頼み、ファミリア達に、話があるからと、酒場に呼び出した。









ファミリア達は、僅か五分程で酒場にやってきた。酒場の中を見渡し、俺の姿に気づくと、走り寄ってきた。


「カナ、お待たせ」


「いや、全然待ってねえよ」


たったの五分だったしな。

俺が読んだのは、ファミリア、エミー、ミリー、ウロス、ユロ、エーズ、エリゼの七人だ。


「はじめにごちゃごちゃいうのは好きじゃないから、単刀直入に言わせてもらう。俺がギルドを立ち上げたことは、知ってるか?」


「【妖精の気まぐれ】統合ギルド【死神の気まぐれ】でしょ?」


「ああ。それで、お前らには、【死神の気まぐれ】に入って欲しい」


そう言った途端、ファミリア達女性の顔が驚愕に染まり、ウロス達男性の顔が難しい顔になる。


「本当に!?本当にいいの!?」


「ああ、良ければ」


どうやらファミリア達は全員入るようだ。ウロス達はどうするんだ?


「ははっ、カナ、俺達ははいらねえぜ」


「そうか?」


「ああ、カナとは仲間じゃなく、ライバルでいたいからな」


ほかの二人を見ると、ウロスの言葉に同意の様だ。


「そうか。今日はありがとな」


「ああ、じゃあな」


ウロス達が、冷めたお茶を飲み干し、酒場をあとにする。

さて、四人を連れて帰るか。
















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