キャラクターメイキング
「うおっ!?びっくりした」
一瞬の浮遊感の後、目を開けた俺がいたのは、真っ白な世界だった。
『【Skill&Level ONLINE】へようこそ。ナビゲーターのヒユリです。早速ですがプレイヤー名を入力して下さい』
呆然とあたりを見回していた俺に、無機質な声が聞こえた。俺の前に半透明なキーボードが現れる。
「そうだな。プレイヤー名はっと」
『カナさんですね。それでは種族を選んで下さい』
ここで殆どわかると思うが、プレイヤー名は、"かなざわ"からとったカナだ。安直だと思ったが、浮かばなかったんだからしょうがない。
俺の前に多種多様の種族の説明が現れる。
俺はすべてを読み、【ウルフ】にした。なぜなら種族特性の半獣化や獣化ができるからだ。
『第一職業、第二職業を選んでください』
ふたたび無機質な声が聞こえた。このゲームには職業を二つ選べる。その為、剣士が遠距離でも攻撃出来るようになり、より戦闘に奥行きが出るというものだ。幾つもの職業から俺が選んだのは、【剣士】と【召喚師】にした。第一職業に【剣士】を選択した場合、第二職業を【魔術師】にするのがメジャーだ。ではなぜ俺が第二職業を【魔術師】にしないのか。それはロマンだ!このゲームでは【召喚師】は不遇職となっている。理由としては、まず召喚時のコストとして払うMPの多さだ。召喚獣よって違うが、低レベルの召喚獣でも少なくはないMPを消費する。加えて召喚し続けている間に継続的に払うMP。召喚を維持、召喚獣のコストを支払ったあとに、召喚したい時間の分のMPを消費することになる。といっても召喚時間と言うのがあり、時間にも限りがあるが。この二つが理由としてあげられ、不遇職のレッテルをはられている。【魔術師】は確かにいい。が、俺の目指すスタイルは素早く動き素早く撃破だ。気づかれないように魔法でどーん!なんてのもいいと思うが、やっぱりやるとしたら近距離で相手とやりあいたい。【召喚師】が召喚する召喚獣とは意思疎通が可能なため、連携がとれる。敵の攻撃をくらいそうになったら代わりに受けてくれる、と言う感じに。たとえ不遇職と言われ様とも、俺は【召喚師】でいく。
『初期召喚獣を選んでください』
そうだな。いろいろあるが、無難にゴーレムだろう。VITもずはぬけて高いし。ということで【ゴーレム】を選択した。
『スキルを選んでください』
俺の前に無数のスキルが表示される。初期スキルは10個選ぶことが出来る。その後は、プレイヤーの行動によって新たなスキルを獲得することが出来るらしい。俺が選んだのは、【二刀流】【索敵】【MPコストカット】【身体能力向上】【召喚時間延長】【空腹度減少抑制・小】【夜目】【一刀流剣術】【二刀流剣術】【調剤】を選択した。
『武器を選択してください』
まあ、ここは【双剣】だろう。ということで、【双剣】を選択した。
『ステータスポイントを割り振ってください』
ホログラムウインドウが現れ、そこに表示されていたステータスはこういうのだった。
名前:カナ
種族:ウルフ
種族特性:半獣化、獣化
第一職業:剣士 LV1
第二職業:召喚師 LV1
召喚獣:ゴーレム
LV:1
HP:84
MP:56
STR:14
AGI:20
DEX:18
INT:12
MDF:11
VIT:13
LUK:12
ステータスポイント残数:15
防具
頭:なし
胴:黒シャツ
腕:なし
腰:黒ズボン
脚:皮の靴
右手武器:鉄の片手剣
左手武器:鉄の片手剣
ウルフを選んだおかげで、AGIとDEXが上昇しているようだ。再び言うが、俺の目指す戦闘スタイルは、素早く動き、素早く撃破だ。その為、AGIに10振り分け、DEXに2振り分ける。そして最後にSTRに3振り分ける。
『最後に貴方の姿を設定して下さい』
いじるのは髪と目でいいかな。髪色を白色に。目の色を翡翠色にした。せっかくの架空世界。せめてこの世界では現実世界と違った目や髪でプレイしたい。
『これでよろしいですか?』
と声が聞こえ、yes/noのウインドウが現れた。俺はもう一度見直し、yesを押した。
『ようこそ。【Skil&Level ONLINE】の世界へ。私達は貴方を歓迎します」
と声が聞こえ、俺は、冒険の一歩を踏み出した。
設定甘くてすみません。