各々の実力3〜ウロス・エーズ〜
ウロス&エーズは馬鹿です。
「俺の相手はブラックベアか。やってやるぜぇ!【ステップ】!」
一番心配なウロスがPOPしたブラックベアに【ステップ】で突っ込んで行く。
【ビーストクロウ】
「うおらぁ!【スマッシュ】」
「あ、こいつ馬鹿だ」
ウロスの接近に気づいたブラックベアが【ビーストクロウ】をウロスに向かって使い、恐らく【拳闘士】スキルと思われる、【スマッシュ】を【ビーストクロウ】にぶつける。それを見たエミーがポツリと呟く。
「ぐはっ!……………ごふっ!」
【ビーストクロウ】と【スマッシュ】がぶつかった瞬間、ウロスが後方に吹き飛ばされた。ウロスが放った【スマッシュ】は、ブラックベアの【ビーストクロウ】の軌道をそらせていたようで、【ビーストクロウ】はウロスに掠っただけですんだ。HP半分持ってかれたが。後方に吹き飛ばされたウロスは、そのまま木にぶつかり、折れた木の下敷きとなった。ウロスの残りHPはレッドゾーンに突入している。
「あわわわ!【ヒール】」
あいつは脳筋か。あーミリー回復しなくていいぞいちいち。
「よっしゃー!次は俺だ!」
「そうだな。んじゃ、ウロスが仕留め損ねたブラックベアな」
「わかった。ひぃ!」
返事をしてブラックベアに向いた瞬間、ブラックベアはもう直ぐそこまで来ており、ウロスに向かって腕を振り下ろす。が、間一髪で避ける。はははっ。避けるなよ。死に戻りして来いよ。
「うわっ、カナ腹黒っ!」
ファミリアよ。それはどういうことだ?
「くそ!よくもやったな!」
ウロスはバックパックから星型の木を数個取り出した。
「終わりだ!【星振り】!」
数個の星をブラックベアの足元にばらまく。数個の星は地面に触れて直ぐに消え、空から三つの星形の小型の岩が降ってきた。岩はブラックベアのクリティカルポイントに当たり、ブラックベアはポリゴン片となって砕け散った。
「どーだいミリーちゃん!俺は強いだろ?」
「やっぱりカナさんが一番強いですね!」
「そうですね。まだカナさんは本気だしてないですから、本気を出したらどうなるんでしょうね」
「無視Σ(・□・;)」
ミリーに話しかけたエーズだが、ミリーはエミリアと誰が一番強いか話し合っていた。エーズ哀れなり。
【呪術師】がどんなものかエーズに聞いた所によると、【魔術師】に似ているらしい。【魔術師】はMPを消費して魔法を使うが、【呪術師】はMPを消費せず、代わりに物を消費して魔法に似た現象を起こす。【星振り】だったら、星形の何かを対象の足元にばらまくことで、星形で小型の岩を対象の頭上に落とす、と言う感じらしい。エーズによると、物の消費が激しいらしい。使った物は消えるため、再利用、みたいなことは出来ず、威力も【魔術師】の魔法の方がデカイ。現象は、指摘の形、素材で作られた物を使わないと起こせないため、条件も厳しい。結果的に【不遇職】としてのレッテルを貼られている。
「厳しいな」
「だな」
「さて、最後はカヤだな。頑張れよ?」
「にぃに。ありがとう」
妹は、どんな戦い方をするのか楽しみだ。
ん?ミリーはどうしたって?あの子は補助職だからな。戦闘中にでもバフをかけてもらおうか。