集合
ピコン
「うおっ!?」
なんだ!?なんか頭の中に…………って、メッセージが来てる。なになに?『にぃに、一時に始めの街に来て。待ってるから。 カヤ』
「今何時だよ。おい、五時じゃねえか。アラーム六時にかけてるんだからその前に起こすなよ」
つっても起きちゃったからな。レナレスでもうろついとくか。
「賑わってんな」
装備を整え、朝食を食った後に露店街に俺は来ていた。歩きながら見て回る。一つだけ、誰もいないところがあった。少し近づいて見てみる。そこには薬草や果物が売っていた。売っている人物は、一人の少女だった。顔は俯いていてよくわからないが、栗色の髪を背中まで伸ばし、白い帽子を被っている。何故だか気になり、話しかけて見ることにした。
「なあお嬢さん。これはなんだい?」
「え?」
「これだよこれ。なんか薬草みたいなんだけど、何に使うんだ?」
「えっと、それは【調剤】というスキルのポーションの材料として使います」
ふーん。なる程ね。サルガ草か。
「いくらする?」
「あ、はい!40Gです」
40Gか、安いな。いや、こんなもんか?材料だからこんなもんか。
「それじゃ、ここにあるサルガ草全部もらえるかな?」
「いいんですか!わかりました。2000Gです」
「はいよ」
「ありがとうございました!」
「いい買い物をしたな」
俺は、お辞儀をする少女を後に宿へと歩きだした。
「ふぅ。こんなもんか。『HPポーション』か。サルガ草を使うとHPポーションが作れるんだな」
宿にかえった俺は、サルガ草を使い、ポーションを作っていた。
『HPポーション
作成者:カナ
効果:HPを30%回復』
ふーん。ま、初心者ポーションよりかはなかなかだな。これを量産っと。幾つか失敗し、48個できた。
「っと、もうすぐ時間だな」
パン食って満腹度を回復させてっと。さて、いくか。
「確かポータルって広場にあったよな」
あったあった。『どこに行きますか?』始まりの街っと。『始まりの街に転移します』と声が聞こえ、浮遊感に包まれた。
一瞬の浮遊感の後、目を開けると、始まりの街の広場に立っていた。
「にぃーに!」
「ん?ぐほっ!」
カヤの声が聞こえたと思ったら、直ぐに腹に衝撃がきた。なんとか踏ん張り、倒れずにすむ。
「か、カヤ。飛びつくのはやめろって言ってたよな」
「ごめんなさい」
くそ。香久夜は昔っから飛びつき癖があるってわかってたのによけれなかったか。
「ひゅーお熱いね。これが噂のカナさん?」
「黒い毛に黒い耳。間違いないですね」
「へぇ〜これがねぇ。可愛いじゃん」
「おお!カナだ。全身黒じゃん」
「ふむ。強そうだな」
「カナさんかっこいいです!」
「ミリーちゃんはぁはぁ」
………………いやまて、一人アウトなやつがいるぞ。あいつか?掲示板で三回失神してたやつか?
「にぃに、紹介するね。皆を率いるリーダー的存在のファミリアさん」
「ファミリアよ。種族は【ヒューマン】。第一職業:【剣士】第二職業:【回復魔術師】よ。よろしくね」
みんなに姐さんって言われそうだな。
「うちのギルドの頼れる副ギルド長のエミリア」
「エミリアです。種族は【ヒューマン】。第一職業:【魔術師】第二職業:【盗賊】です。よろしくお願いします」
うん。無表情。
「可愛いは正義。エミーさん」
「エミーです。種族は【エルフ】。第一職業:【狩人】第二職業:【剣士】。よろしくね、カナ」
さっき俺のこと可愛いって言ってなかったか?
「ムードメーカーのウロスさん」
「ウロスだ。種族は【ドワーフ】。第一職業:【拳闘士】第二職業:【戦士】。仲良くしようぜ!」
どっちか片方遠距離入れろよ。ドワーフなのに身長高いんだな。
「堅実なユロさん」
「ユロと言う。種族は【ヒューマン】。第一職業:【剣士】第二職業:【銃士】。よろしく頼む」
武人だな。堅実っつーか堅物じゃね?
「【Skill&Level ONLINE】最年少のミリーちゃん」
「み、ミリーです。種族は【エルフ】。第一職業:【付加魔術師】第二職業:【回復魔術師】です。よろしくお願いします!」
可愛いな。ちっちゃくて。
「最後に幼女趣味とマゾの変態。エーズさん」
「エーズだ!種族は【ヒューマン】第一職業:【戦士】第二職業:【呪術師】。よっろしく!」
変態って言われて何も言わないのかよ。っと俺の番か。
「カナだ。種族は【ウルフ】。第一職業:【剣士】第二職業:【召喚師】。よろしくな」
「カヤです。種族は【エルフ】。第一職業:【魔術師】第二職業:【剣士】。改めてよろしくお願いします」
「自己紹介も終わったところだし、『黒の森』に狩りに行こうよ」
「そうですね。各々の戦い方と強さを把握できますし」
「決まったね、それじゃ、行こう!」
ファミリアの提案に各々が賛成し、予定が決まった。さてと、皆はどんな戦い方をするのかな?
設定ではミリーの身長は142cmとなっています。