来客
二十三階層にポータルを設置した俺達は、ギルドホームに戻って来ていた。外はもうすでに薄暗く、肌寒い。四季まで再現してあるのかと驚きながらも、ギルドホームへ急ぐ。
ギルドホームの扉を開けて中に入った一同は、ほぅっと息をついた。
「あったかいね」
「そうだねー」
皆の気持ちを代弁してファミリアが手を息で暖める。ファミリアの独り言に、エミーが頷いた。
「ほら、玄関でたむろってないで、各部屋に帰れって。もう日が沈んでるし、寝る時間だ」
そんな一同を見ながらパンパンッと手を叩いて解散を促す。メンバー達は各々了解の意を示して部屋へと向かって行った。
「さてと、俺も帰るか」
踵を返し、 部屋へと足を向ける。俺は部屋へと通じる廊下を歩きながら物思いに耽っていた。武器のお陰で探索速度が格段に上昇した。しかも、それだけじゃなくメンバー達にも経験値が行き届くようにもなった。良いとこずくめだが、個人的な反省は多い。まず、俺一人がモンスターを倒し過ぎてる。経験値が行き届くようになったとはいっても、それは全く行かなかったのが少し行くようになった程度で、十分には程遠い。それに、俺が過保護過ぎる。メンバー達だって子供じゃないし、高々四十程度のモンスターにやられるわけがない。それなのに毎回俺が【凍結】で動きを止めてからメンバー達とモンスターを交戦させている。はっきりいって、これじゃ経験値が入っても経験にはならない。変えなきゃ、とは思っているものの、そう簡単には直らない。これじゃじきにメンバーから苦情が入るだろう。それじゃ駄目だ。
部屋に入った後にも、俺は延々とそれを考え続けていた。
翌日。今日は度々重なる疲れを取るために攻略は休みにしてある。そんな休みの日でも、俺は昨日のことを考え続けていた。
「まあ、ざっとこんなもんか」
これからの方針。今までの反省点などを紙に書き写してみて、まあこんなもんかと納得する。紙に書き写してみて、これまでがどんなに過保護だったかということを心底思い知った。今は若干落ち込み気味だ。
「どうぞ」
そんな陰鬱とした気分を打ち破るかのように、控えめなノックの音が響いた。誰だ?こんな朝早くに。
「し、失礼しますっ」
「ホルン?」
ドアを少し開け、ひょっこりと顔を覗かせたのは、おどおどしたホルンだった。




