純粋な目
「頭はやっつけた!あとは掃討だ!」
「「「「「はい!」」」」」
骸骨龍がポリゴン片となって砕け散ったことを確認した後、そうメンバー達に号令を出す。案の定大群の指揮をとっていたのは骸骨龍だったようで、頭をなくした大群はバラバラになった。
そこからはもうこちらのもので、バラバラになった大群をメンバー達が各個撃破して行く。大群は僅か数分で全てポリゴン片となって砕け散った。
「やー、お疲れ様ー」
皆疲れている顔をしている中で、リナが一際元気な声で皆を労う。一見元気そうに見えるリナだが、やはり疲労の色を隠せないでいた。
「おう、お疲れ様」
だから、俺はあえてお前も疲れてるだろ?とは言わずに労いの言葉を返す。リナはそれで満足したようにうんうんと頷いた。
「敵、ですね」
どうやらエミリアの索敵範囲にも敵反応が出たようで、疲れたようにエミリアがよろよろと立ち上がり杖を構える。
「いや、お前らは休んでろ。そいつは俺が片付ける」
「わかりました。お言葉に甘えます」
立ち上がったエミリアを制すと、エミリアははぁっと、息を吐いて座り込んだ。さて、蛇が出るか鬼が出るか?
「二体ね」
通路を曲がって来たのは、ゾンビ剣士とスケルトンソルジャーの二体だった。二体とも片手に剣を持っている。しかし、盾は持っていなかった。うわぁ、こういう奴ほどなにか持ってるんだよなぁ。
うんざりしながら白華凍剣フリージアを構える。ま、それを出させるつもりはねぇけどよ。
「カラカラカラカラカラカラ」
「ゔぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
呻き声を上げながら二体がそれぞれ両方から切りかかってくる。狙いはいいが、速度が足りねぇな!
「【蹴撃】、【虎蹴】」
軽い分早めに突っ込んで来たスケルトンソルジャーを【蹴り】スキルで上方に蹴り飛ばし、その勢いのままゾンビ剣士の頭に唐竹割りの要領で踵落としを叩き込む。
「カラカラカラ」
「ゔぉぉぉぉぉ」
倒れかけるゾンビ剣士と、上方から降ってくるスケルトンソルジャーがぶつかり、重なり合う。
「よっ」
そこを狙って一閃。寸分狂わずスケルトンソルジャーとゾンビ剣士の胴体を切り飛ばした。
「うっわぁー。あり得ない。あり得ないよ」
「規格外ですね、やはり」
「人外に磨きがかかったんじゃない?」
上からカヤ、エミリア、リナの順番に好き勝手言ってくれる。ふとメンバー達を見ると、ホルンでさえ呆れた目で俺を見ていた。
やめてぇ!ホルンの純粋な目でそんな目をしないでぇ!わかってる!ちゃんと自覚してるからやめてぇ!
「はぁぁ」
うん、もう諦めた。俺はもう普通の人間じゃないんだ。わかってた。もうブラッティベアの時から薄々わかってたさ。
でも、でもだ!俺は声高らかに叫ぶ!俺は人間だと!決して人外なんかではないんだと!




