白華凍剣フリージア
翌日、朝早くに装備の点検をエレスに頼んでいると、部屋の扉が誰かにノックされた。
「待ってたよ、はいって」
「失礼します」
エレスの返事に扉を開けて入って来たのは、エミリアだった。その手には布がかけられた双剣らしきものが抱えられている。
「ありがとう」
エミリアからそれを受け取ったエレスは、勢い良く布を取った。
「へぇ」
布のしたにあったのは双剣だった。長さの違うその両刃の双剣の刀身は青白く澄み渡っており、刀身の根元には両側に結晶が刻印されていた。双剣のそばに置かれている鞘は白鞘で、金糸で裁縫されており何かしらの能力を感じられる。
「凄いな。これはエレスが?」
「正確には、あたしとエミリアさんとエミルの合作だよ」
雪を連想させる双剣を見ながら、そうエレスに問いかける。エレスは、エミリアとエミルの合作だと答えた。エミルは【裁縫師】があるからわかるとしても、なんで【魔術師】のエミリアが?
「ここの部分、わかる?」
「ああ、わかる」
そう言ってエレスは刻印されている結晶を指差した。俺は刻印された結晶を覗き込みながら頷く。
「ここにはエミリアの魔術が込められているんだよ。『高確率で切った相手の一部を【凍結】させる』っていうね」
それは、かなり凄い効果なんじゃないか?切った相手の一部ってことは、切りつけた部分を凍結させるっていうことなんだろ?
「確かに凄いが、これは誰が装備するんだ?」
双剣使えるやつ俺以外にいたっけか?
「「それは当然ギルマスでしょう」」
「俺?」
俺の問いに、エレスとエミリアは声を揃えてそう返した。エレスは「双剣使えるメンバーはギルマスしかいない」と言いたげな顔をしている。
「そうか。それじゃ、ありがとうな」
お礼を言いながら双剣を手に取る。すると、剣の詳細が頭の中に入ってきた。
【双剣:白華凍剣フリージア】
攻撃力+60
氷属性
魔術刻印【凍結】
#譲渡不可能#
おいおい、かなりハイスペックじゃんか。【大太刀:血吸いの禍太刀】よりも攻撃力が高いぞ。
「いいのか?こんないい武器もらって」
「何を言ってるのさ。日頃の感謝の気持ちだよ」
遠慮しようとしたが、暗にしなくていいと言われてしまった。そんな風に言われたら受け取るしかないじゃないか。




