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序章1
俺が小さい頃の話だ。俺が自分の事をボクと呼び、親父のことを父さんと呼んでいた頃、お盆でじいちゃんの家に遊びに行ったんだ。
じいちゃんの家は、まだ自然がたくさん残っている山や森があって、お昼には虫を捕りに出かけていたんだ。でも俺が話したいのはここからなんだ。
俺は夜中に起き出してトイレに行ったとき、トイレの隅で何かが動いたのを見た気がした。少し気になり首を長くして覗き見ると、そこには・・・蜘蛛がいた、それなりに大きく綺麗な巣をもって。
「・・・ア、ウァァァーーーー!」と夜中にもかかわらず大声で叫んでしまっていたのだ。