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令嬢たちのざまぁコレクション(大体一話完結/短編集)  作者: リーシャ


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57/63

57 お前が唯一できるのは泥にまみれて土をいじることだけだ?泥にまみれた雑草はあなたの偽りの富を全て吸い取ったんだね。枯れた土地で、二人仲良く暮らしてみて?

 今は辺境の村で世界中の植物を育てる超人気の庭師として大忙し。半年前、私を追放したのは元婚約者の侯爵令息、ロデリック。彼は公衆の面前で罵倒した。


「エリス、お前が唯一できるのは泥にまみれて土をいじることだけだ。王都の社交界に雑草のようなお前は不要。私は、王家のバラのように華やかな公爵令嬢、ベアトリスと結婚する!」


 雑草?育てた植物は成長速度や繁殖力、特定の場所の生気を吸収する能力が尋常じゃないんだけどね!

 ロデリックは能力が王家の繁栄の真の鍵だと知らずに、優雅なフリした毒キノコことベアトリスを選んだわけだ。


 さて、そのロデリックとベアトリスは来週、彼らの新しい領地にある超豪華な新邸宅で結婚披露パーティーを開くらしい。もちろん、私なんか呼ばれてないけど。


 パーティー当日は庭師の変装をして、ロデリックの新邸宅に潜入した。ロデリックの領地は実は特殊な魔力鉱石の採掘で巨万の富を築いているんだけど、彼らは採掘を領地の地下水のおかげだと偽っている。

 でも、私は知っている。魔力鉱石の成長には土地の生命エネルギーが必要だってことを。用意した特製植物は二種類。


 ロデリックの評判破壊用に幻惑のつたグレイテスト・ライ。見た目は普通の緑の蔦。成長しても目立たない。効果は近くにある人工的な装飾や偽りの品の輝きを奪い、急速に色褪せさせる。


 富の源枯渇。生命吸収草エヴァー・ドレイン見た目は可愛い小さな雑草。効果は特定の場所の生気や魔力エネルギーを吸い取り、急速に乾燥させる。

 二つの植物をロデリックの邸宅の社交界の中心となる大きな噴水の周りに幻惑の蔦)、魔力鉱石の採掘場の地下水脈近くへ生命吸収草をそっと植え付けた。


 ロデリック、あなたの華やかな栄光と富の源泉、まとめて枯らしてあげる。


 結婚披露パーティーは大盛り上がり。ロデリックとベアトリスは自慢の新邸宅を背景に高価な装飾品と美術品を並べ、優雅に貴族たちと交流している。ベアトリスが、自慢の巨大な噴水の前で得意げに話す。

「皆様、見てください。邸宅の王家のバラのように華やかな装飾品と清らかな噴水の美しさこそが、私たちの永遠の愛の証です」


 その時、異変が起きた。噴水の周りに飾られていた豪華な金銀の彫像や、ベアトリスが着けていた巨大な宝飾品の色が急速に白く、くすんでいく。


「な、何!?」


 ベアトリスが悲鳴を上げる。幻惑の蔦が効果を発揮し、人工的な装飾品や偽りの宝飾品の輝きを奪い始めたのだ。ベアトリスのティアラはブリキのように色褪せ、ロデリックが自慢していた巨大な噴水の彫刻はカビの生えた石像のように変色。


「装飾品が偽物だったのか!?」


 貴族たちがざわめき始めるとロデリックは顔面蒼白。


「そ、そんなことはない!これは高価な代物だ!」


 その時、さらなる悲劇が。


 ごごごご……!


 邸宅の地下から大きな音が響き渡り、ベアトリスの自慢の清らかな噴水の水があっという間に干上がった。噴水の底はひび割れ、カラカラの泥が剥き出しになる。


「水が!なぜ水が止まった!?」


 ロデリックが叫ぶ。生命吸収草エヴァー・ドレインが採掘場の地下水脈付近の生気と魔力を限界まで吸い取った結果、地下水脈を急速に乾燥させてしまったのだ。


「水脈が枯れた!?そんなバカな!」


 ロデリックは財産の源である魔力鉱石の成長に必要なエネルギー源が枯渇したことに気づいた。富の源泉が雑草として見下した植物によって、一瞬で絶たれたのだ。


「な…なぜこんなことが!?誰の仕業だ!」


 ロデリックが乾いた噴水の底で絶望の声を上げた。貴族たちは色褪せた装飾と、干上がった噴水を背景に、ロデリックの富と評判が偽りであったことを知って噂が広まり「ロデリックの富は地味な元婚約者エリスが育てた植物の魔力に依存していた」と。

 結婚パーティーは偽りの栄光が崩壊する公開処刑の場となり、二人は社交界から完全に追放された。


 私は辺境の庭園で復讐の成功を祝った。育てた雑草は王家のバラのように華やかな二人を、一瞬にして枯れさせたのだ。


「ロデリック。泥にまみれた雑草はあなたの偽りの富を全て吸い取ったんだね。枯れた土地で、二人仲良く暮らしてみて?」


 育てた植物たちは辺境の地で、新たな繁栄のエネルギーを生み出している。彼女はにこりと水をやるのだ。

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