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6.時が過ぎて
――毎日の特訓をしていると、時が早く流れるように感じる――
―――あの日から三年ほどが過ぎた。
十歳になったレインは、この三年で最先端の魔術の知識や技術、王族としての礼儀、教養など全てを教えられた。
そんなレインは、今日も特訓を続けていた。
グゥォォオン
ハルクスとの魔術がぶつかり合う―――
戦いを終えると、ハルクスが言ってきた。
「王子、今やあなたは私にも劣らないほどの実力になりました。他の人たちからももう十分な力があると言われているでしょう。我々ができることはしました。
ですが、魔術師になるためには魔術学校に入り、卒業する必要があります。もしかしたらあなたの実力ではつまらないかもしれませんが、必ず入ってください。魔術の知識や技術、社交儀礼なども叩き込みました。
なので、我々からの最後の教えです。これからもしっかり社会で活躍してください」
もうこの人たちの教えを受けられないのは非常に悲しいが、それでも頑張っていくしかない。
そう感じたレインは、感謝をしながら教えてくれた五人と別れを告げた。