女神へのお供え物は、お茶とプリンで。
「そういえば神様へは、お供え物って普通するのよね・・・」
「あー喉かわいたわー、死んじゃいそう」
「私、甘い物も好きなのよねー」
あくまで独り言ではあるが声が大きい、俺に対して強要しているのだ。
(死んじゃいそうなのは、俺かも)
俺は無言で立ち上がり、冷蔵庫めがけてタタタッと、かけていった。
冷蔵庫には、2リットルのペットボトルのお茶と、たしかプリンが入っている。
お茶を注いだコップ、プリン、小さなスプーン、
手づかみで女神にもっていく。
トレーがあれば、乗せてもっていった方が丁寧だが、
男の一人暮らし、必要性を感じないので持っていない。
「どうぞ、お供え物です」
女神の前のテーブルに丁寧に置いて、ひとまずテーブルの対面に座った。
「ん、ありがとう」
「ゴクッゴクッ」とお茶をのみ、「モグモグ」とプリンを食べ始める。
「これ、美味しいわね」
気づいたのだが、自分からは女神に触れられないが、
見た限り、コップもプリンも持っている。
女神から物を触れられるのだろう。
勢いのある飲みっぷり、食べっぷりをしばらく眺めていた。
「あーーあ、飲み終わってしまったなーーー」
「まだ、飲み足りないなーーー」
そんな声を突然女神が上げたので、思わずしまった、しくじったと悟って
また急いで冷蔵庫からペットボトルのお茶を持ってくる。
「どうぞ」
とお茶とトクトクと注いでいると、話しかけられた。
「あぁ、私食事も出来るし、私からは何でも触れる事が出来るの」
「神の特権、良いでしょ」
ギクッとする。
きっと、心を読まれている・・・・
「あの・・・心を読みました?」
「ウン」
「あの・・・心を読まれると大変困るので、止めて頂く事はできますか?」
「その願い叶えます」
そう答えながら、ゴクっと一口お茶を飲む。
「のび、安心して悪いようにはしないわ」
「まずは色々とお話ししましょう」
女神から、ここに来た経緯をやっと聞く事となった。